テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

水族館は招くよ?

2013-09-20 21:56:31 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでスッ!
 やははッ??」
「がるる!ぐるっがるる!」(←訳:虎です!おおっこれは!)

  

 こんにちは、ネーさです。
 いま世間で大ニュースとなっているアレを
 ネーさ弟が入手してまいりましたよ。
 朝8時過ぎにのほほ~んと家を出発して地元のauショップへ、
 行列もなく混雑もなく、事務手続き完了。
 どうやら、ドタバタしてたのは都心のお店だけだったようですね。
 本日の読書タイムも、
 さあ、ドタバタせずに参りましょうか~♪

  



 
             ―― 水族館の殺人 ――



 著者は青崎有吾(あおざき・ゆうご)さん、2013年8月に発行されました。
 2012年に『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞し、
 デビューなさった著者・青崎さんの第二作目がこちらの御本です。

「すいぞくかんはァ~、よいィでスねッ♪」
「ぐるるがるがるっ!」(←訳:お魚がぞろぞろっ!)

 日本って水族館の数がとても多い国だ、と
 聞いたことがありますが、
 そうね、カラフルな熱帯魚さんから、
 タコさん、マンボウさん、
 イワシくんたちの群まで、
 よくもまあ集めまくったものよと感嘆する人工の《水の国》。

 学術的であり、
 同時にテーマパーク的でもあるそんな場所を訪れたのは、
 或る高校の生徒さんたち。

「かめらァ、もッてまスねッ?」
「がるるぐるる!」(←訳:高性能なのを!)

 高性能な一眼レフカメラを持っているのは、
 その生徒さんたちが
 新聞部の部員さんだから。

 学校新聞の取材のために、
 新聞部員さんたちは
 8月の猛暑の中、
 取材道具を持って水族館に押しかけ、いえ、やって来て、
 いざ!
 館長さんへのインタビューを
 水槽の前で行っていましたら……

「あはァ! よいきじィがァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:出来そうだよ!)

 新聞部員さんたちもそう思いました。
 水槽の前で、なめらかに喋る館長さん。
 インタビューは順調で、
 良い写真が撮れそうです。

 しかし、
 そのとき水槽の中に異変が――!

「ひえええええェッ!」
「ぐるるるるるぅ!」

 水槽の中を悠々と泳いでいるのは
 体長2m70㎝になんなんとする大型のサメ。

 サメが泳ぐその水槽に飛び込んできたのは
 人影……???

「そそそッ、そんなァッ!」
「がるるるるるぅ!」

 まさか!?!な“事件の始まり”っぷりに
 私ネーさも啞然といたしました。
 こんなのってアリなの??

 と戸惑うヒマもなく、
 物語は進行してゆきます。
 取材に訪れていた新聞部員さんたち、
 部活にいそしむ新聞部員さんたちの同級生さんたち、
 捜査員さんたちが繰り広げる心理戦、いえ、推理合戦は
 はたして、犯人を追いつめ得るのでしょうか――

「こうこうせいィがァ~たんていィ??」
「ぐるるぐるぅ~?」(←訳:大丈夫かなぁ~?)

 ユーモアと、
 確固とした論理のアンバランスが活きる
 パワフルなミステリ!
 連休はフィクション作品で読書を楽しもう♪と
 お考えの活字マニアさんに、おすすめですよ~!

「おさかなまにあァ~さんもッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:読んでみよう!)




 
 

  
 
 
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― 聖地への旅 ―

2013-09-19 21:31:21 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 むゥ? おはながァ、むずむずゥ?」
「がるる!ぐるぐるがる!」(←訳:虎です!喉がヘンです!)

 こんにちは、ネーさです。
 どうやら秋の花粉シーズンが到来したようですね。
 すちゃっ!とマスクを装着して、
 さあ、読書で花粉を追い払っちゃえ!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



 
         ―― 丘の上の修道院 ル・コルビュジエ 最後の風景 ――



 著者は笵毅舜(ニコラス・ファン)さん、原著は2011年に、日本語版は2013年6月に発行されました。
 原題は『THE CONVENT ON THE HILL LE CORBUSSIER'S LAST VISION』です。
 前回記事では、
 20世紀美術の巨匠ダリさんの展覧会を御紹介いたしました。
 こちらの御本は、
 20世紀建築界の巨匠ル・コルビュジエさんの作品をテーマとする写真集です。

「うむむゥ! しゅうどういんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:本物の修道院だ!)

 ル・コルビュジエさんこと、
 シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ・グリさん。

 1887年スイスで生まれ、
 フランスを中心に活動したル・コルビュジエさんは
 1965年、南フランスで海水浴中に心臓発作を起こし、
 還らぬひととなりました。

 既に内外で名を成していたル・コルビュジエさんの功績に、
 フランス政府は国葬をもって応えようとしましたが、
 その手配の最中、
 一枚のメモが見つかったのです。

 そこには、

   寿命の尽きる日が来たら、
   遺体をラ・トゥーレット修道院の教会堂に
   一晩留め置いてほしい

 という願いが記されていました。

「おそうしきィ、でスかァ~…」
「がるるぐるる……」(←訳:悲しいお別れ……)

 しかし。
 この遺言には矛盾がありました。

 ル・コルビュジエさんは、かねてから、
 自分は無神論者であると名言していたのです。

 無神論者でありながら、
 なぜ、
 この世で過ごす最後の一夜に
 修道院という場所を選んだのでしょう?

 いえ、その疑問より以前に、
 無神論者であるル・コルビュジエさんが
 どうしてまた、
 修道院――つまり宗教施設を造ることになったのか?

「むむむむゥ~??」
「ぐるる!」(←訳:謎です!)

 著者・ファンさんは
 ラ・トゥーレット修道院に長期滞在する機会を得ました。

 『薔薇の名前』で修道士・バスカビルのウイリアムが
 秘密を解いてゆくように、
 ファンさんはレンズを通し、
 偉大な建築家の真意に思いを馳せます。

 この修道院の、成り立ちとは?
 そこに、答えはあるのだろうか……?

「どこかにィ?」
「がるるるる?」(←訳:答えはある?)

 フランスのリヨン郊外、
 ドメニコ会の僧侶たちが守る、
 丘の上のラ・トゥーレット修道院への旅。

 魂を削るかのような著者・ファンさんの洞察、
 訳者・田村広子さんの丁寧な訳文で、
 活字マニアの皆さまもぜひ、
 丘の上への旅を!



 
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ぐに~ん!と、のびるのは。

2013-09-18 21:46:49 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぜんしんぜんれいィでェ~ぐにょりんッ!」
「がるる!ぐるぐるるがるる!」(←訳:虎です!くねくねの王さま!)

 こんにちは、ネーさです。
 ぐりょりん!くねくねの王!といえば、
 はい!本日のアート情報の主役、
 こちらの御方でしょう~♪♪

  



    
         ―― サルバドール・ダリ 展 ――



 群馬県高崎市の高崎美術館TAKASAKI MUSEUM OF ARTにて、
 会期は2013年9月15日~10月28日(9/17、9/24、9/30、10/7、10/15、10/21は休館)、
 『SALVADOR DALI mainly on his various prints in Takasaki Museum of Art』と英題が、
 『多彩な版画作品を中心に』と
 日本語副題が掲げられています。

  

「くにょくょォ~でスかッ♪」

 本名サルバトール・ドメニク・ファリブ・ジャシン・ダリ・イ・ドメネクさん(1904~1989)
 の代表作品群の特徴は、
 むむぅーんと引き伸ばされた手足や、
 とろけちゃったような時計を描いた絵画ですが、
 こちらの展覧会で紹介されるのは、
 銅版画、リトグラフなどの版画作品です。

 フォトリトグラフという写真を応用した版画作品は、
 シュルレアリズム運動の牽引者にふさわしい作風~!

  

「ぐっるるがるるぐる!」(←訳:こっちはピカソさん!)

 同時開催されるのが、
 『ピカソ、ミロ、エリュアール――ダリをめぐる芸術家たち』。
 高崎市美術館収蔵作品より
 ダリさんに大きな影響を与ええた芸術家さんの作品を展示します。
 ラテン色の濃ゆい企画になりそうですね。
 かっこいいわあ♪

「くにょくにょもォ~みたいィよゥ~!」
「がるるぐるぅぐるぅ!」(←訳:有名なくにょくにょ!)

 ダリさんの代表作『記憶の固執(柔らかい時計)』は
 NYの近代美術館に所蔵されています。
 スペインのフィゲラスには
 ダリさんの名を冠したダリ劇場美術館がありますよ。
 画家としてだけでなく、
 彫刻家、写真家、作家さんでもあったダリさんの展覧会、
 20世紀美術好きな御方におすすめです~!


 

  では、ここで本日のオマケ画像♪
  
  『東ハト』さんの《オールオサツ》!
  いも・くり・なんきん♪に目がないお菓子マニアさんは
  もう実食なさいましたか?

  「おいしかッたでスゥ!」
  「ぐるがるがる!」(←訳:食べてみてね!)



  
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覗いてみよう、フィルムの裏側!

2013-09-17 21:51:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぶたいィはァ~いたりあッ!」
「がるる!ぐるぐるるるる!」(←訳:虎です!世界選手権だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 《ブエルタ・ア・エスパーニャ》は終わってしまいましたが、
 今週末からロードレースの世界選手権が始まります。
 イタリア・フィレンツェ郊外で行われる大会で
 新たにマイヨ・アルカンシエルを獲得するのは誰だ?
 おっと、わくわくしすぎて読書タイムを忘れてはいけません。
 本日はこちらの御本を、どうぞ~!

  



 
               ―― 銀幕おもいで話 ――



 著者は高岩淡(たかいわ・たん)さん、2013年8月に発行されました。
 題名の『銀幕』には、『シネマ』とルビがふってあります。

「つまりィ、えいがッ、でスゥ~♪」
「ぐるるがるるぅ~!」(←訳:映画のお話だぁ~!)

 御本の著者・高岩さんは、
 映画制作にまつわるお話をさせたら右に出るひとはいない、
 と断言しちゃっていいほどの《映画人》さんです。
 その経歴の凄いこと!

 1954年に東映に入社、
 京都撮影所で製作管理・進行に携わり、
 71年に取締役京都撮影所長、
 78年に常務、
 86年専務を経て、
 93年に東映社長に。
 2002年には会長、06年には相談役となり、
 他に日本アカデミー賞協会会長も務めておられたりと、
 日本の映画と映画界を誰よりも知っている御方です。

「きょうとォさつえいじょッ!」
「がるがるる!」(←訳:太秦だねえ!)

 ええ、京都太秦の『東映太秦映画村』も
 そもそもは高岩さんの発案で作られたものなのだそうです。

 現場から出発し、
 20年ものあいだ撮影所長として第一線に立ち、
 プロデュースする立場となっては
 次々と新機軸を打ち出してゆく――

 映画作りの渦の中心にいた高岩さんは、
 当然のことながら
 映画産業の黄金時代のスターさんたちと親しく接してきました。

 高倉健さん、
 萬屋錦之介さん、
 鶴田浩二さん、
 藤純子さん、
 松坂慶子さん、
 仲代達也さん……

「だいすたーでスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:眩しい!)

 スターさんたちとの交遊録、
 任侠映画の制作についてまわる信じられないようなエピソード、
 監督・深作欣二さんの存在、
 斜陽化してゆく映画産業と、
 その後の盛り返し。

 映画以上に花も嵐も吹き荒れる、
 とにかくもう、たいへんな回想録です。
 イマドキなら有り得ない、というか、
 内緒にしておいた方がよかったんじゃ?という御話も
 ひとつやふたつじゃありません。

「えいがまにあさんはァ~」
「がるるぐるる!」(←訳:みんな溜め息!)

 東映の撮影所長の身でありながら
 松竹と角川の提携映画(他社さんの映画ですね)の撮影にまで協力?し、
 『蒲田行進曲』のクライマックスシーンでは
 雪を降らせる係をしちゃったという
 おちゃめで真面目な高岩さん。

 昭和の時代の日本映画を愛する方々には
 何を措いても読んでいただきたい一冊ですよ~♪

「えいがかんめぐりのォ、あいまにはッ!」
「ぐるるがるるぐるるぐる~!」(←訳:映画の裏側の御本もぜひ~!)





 
 
 
 
 
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魔法の白いパン♪

2013-09-16 21:55:11 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 祝!《ブエルタ・ア・エスパーニャ2013》にてクリス・ホーナーさん総合優勝~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほーなーさんッ、おめでとうゥ~♪」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!快挙です!)

 ブエルタ開幕前にいったい誰がホーナーさんの優勝を予想したでしょう?
 実はホーナーさん(レディオシャックレオパード所属、国籍は米国)、
 御歳41と327日、つまりほぼ42歳!
 24歳の若人ではなく42歳にならんとする大ベテランさんが
 グランツール制覇最年長の記録を塗り替えたのです!
 なんてスゴい!
 これからのロードレース競技はよりいっそう面白くなりそうですよ♪
 では、ホーナーさんのパワーにあやかって
 本日の読書タイムへ、GO!

  



 
              ―― パンの歴史 ――



 著者はウィリアム・ルーベルさん、原著は2011年に、日本語版は2013年8月に発行されました。
 英語原題は『Bread : A Global History』、
 題名の通り、日本で『パン』と呼ばれる、
 あの食べものについての御本です。

「ぱんッ、だいすきィ~♪」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:食パンも甘いパンも!)

 ええ、現代の日本では、
 食パン、惣菜パン、甘ぁいペストリーなどなど、
 ステキに美味しい様々なパンがパン屋さん店頭にならんでいますが、
 著者・ルーベルさんがいう『パン(英語のBread)』とは、
 欧米の方々がお食事どきのテーブルに乗せるパンを指しています。

 11歳の頃から自分でパンを焼いていて
 現在はカリフォルニア在住のルーベルさんにとっては、
 主に、ローフブレッド、が
 お食事用のパンのようですね。

「ふむゥ~?
 ふらんすぱんはァ~?」
「がるっるぅるるぅ~?」(←訳:プレッツェルはぁ~?)

 そう、パンの定義って何でしょう?
 パンの歴史っていつ始まったんでしょう?
 最初にパンを作ったのは、だぁれ?
 初期のパンの材料とは?

 少ない資料を辿ってゆくと、
 紀元前3200年頃の中東(現在のイラク南部)に
 パン生誕のヒントがありそうです。

「ごせんねんまえッ?!?」
「ぐるる!」(←訳:大昔だ!)

 そして、古代エジプト、
 ギリシャ、ローマ、と
 文明が発達するにつれ、
 パン食文化も拡大してゆきました。

 さらに、
 私たち日本人にもよく分かる、
 パン史上最大の出来事――産業革命を経て、
 パンは現在食べられているようなパンへと
 分化し、生成されていきます。

「さんぎょうゥかくめいィ?」
「がるるるるぐる?」(←訳:産業革命とパン?)

 訳者の堤理華さんが『訳者あとがき』でも言及されている、
 『アルプスの少女ハイジ』に登場する
 《白パン》。

 かつては、王侯貴族のものだった白い小麦粉で作るパン。
 やわらかく、軽い、高級な粉でこしらええたパンは、
 製粉が産業化されたことから、
 お金さえあれば庶民にも買える品、になったのでした。

「ふんわりなァ、しろぱんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:憧れの白パン!)

 白パン以外の多様なパンに関しても
 ルーベルさんは調査しています。
 お国ごとに異なるパンの製法、形、好まれる味、
 職人の手から
 工場での大量生産への変化、
 現在のパン文化――

 ちょっと専門的な食の歴史の御本ではありますが、
 巻末にはパンのレシピや
 粉とパンの用語解説まで掲載されていて
 パン大好きな御方にはハズせない、
 楽しく読めちゃう一冊でもあります。
 パン好きさんに、おすすめですよ~♪

「くいしんぼうゥさんもォ!」
「がるぐるるぐるがるる~!」(←訳:この御本で理論武装を~!)



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頭巾の下には、知性?

2013-09-15 21:51:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 のーもあッ、たいふうゥ!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!豪雨でしたー!)

 こんにちは、ネーさです。
 台風による大雨のため、ここ都下・八王子市でも一時的に
 土砂災害警報が出されて緊張を強いられました。
 幸い、現在は雨風も止んでいるので、
 安心して読書タ~イム!
 本日は、こちらのコミックス作品を、どうぞ~!

  



           ―― 修道士ファルコ ③ ――



 著者は青池保子さん、2013年9月に発行されました。
 先日は『修道士ファルコ』の①巻&②巻を御紹介いたしましたが、
 こちらの③巻に収録されているのは
 今年2013年に雑誌に掲載発表された最新作2話!

「ちゅうせいィのォ、おはなしィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:暗黒の中世!)

 主人公の修道士ファルコさんは、
 ③巻の冒頭で、
 スペインの港を発ってドイツのリリエンタール僧院へと
 ちょうど帰途に就くところ……
 そこに見送りに来てくださったのは
 カスティリアの王さまドン・ペドロ1世様でした。

 カスティリア(カスティーリャ)王ドン・ペドロⅠ様は
 1334年生まれ、1369年没。
 14世紀の御方ですね。

 中世の修道院を描いたウンベルト・エーコさん著の名作、
 『薔薇の名前』は
 1327年の出来事の記録でしたから、
 やはり14世紀の物語です。

 では、同じ14世紀に生きる主人公のファルコさんの生活も
 暗黒なのかしら?というと……

「そうでもォないィみたいッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:元気で賑やか!)

 ナバーラ王国では名の知れた騎士であったファルコさん、
 僧籍に入って後も、
 剣に長けた体育会系修道士として
 頼りにされちゃってます。
 
 今日もまた、
 溺れかけた末、疲労で動けなくなった同僚修道士の
 マティアスさんを背負って運ぶ羽目になりました。

「それだけじゃァないィのでスゥ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:決戦だぁ!)

 聖セバスチャン教会に納められた聖遺骨の真偽をめぐり、
 ファルコさんに新たな任務が……?

「けッきょくゥ、いつもッ♪」
「がるがるぐるる!」(←訳:そうなりますね!)

 聖セバスティアヌスの伝説、
 そして
 森奉行(フォレストマイスター)という
 中世ドイツの官職をテーマにした物語は、
 暗黒と呼ぶほどに真っ暗ではなく、
 たくましく生きる庶民たちの生活ぶりも
 描きこまれています。
 それにもちろん、
 したたかで、葡萄酒大好き!な修道院の上司たちも。

「……しゅうどういんッてェ~…」
「ぐるるがるるっ?」(←訳:ヘンなところっ?)

 暗黒、とは限らない、
 活き活きした14世紀の暮らしを21世紀の私たちに見せてくれる
 修道士ファアルコさん。

 青池保子さんの大ファンの方々は
 とうの御存知でしょうが、
 中世のことを知らぬ活字マニアさん&コミックマニアさんも、ぜひ!
 できれば、①巻から順に読んでくださいね~♪

  

「ちゅうせいのことをォ~しりたいィのならッ!」
「がぅるるるぐるぐる!」(←訳:ファルコがいちばん!)



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アートで映画な秋♪

2013-09-14 21:47:03 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うわァ~んッ! たいふうゥッ?」
「がるる!ぐるぐるる~!」(←訳:虎です!連休なのに~!)

 こんにちは、ネーさです。
 せっかくの連休だというのに、台風が来ちゃうんですか……
 ちょっと、いえ、だいぶガッカリですが、
 本日は元気が出そうなアート情報を捕捉いたしましたよ♪
 映画好きさんも活字マニアさんも、
 こちらを、どうぞ~!

  



 
          ―― 種田陽平による 三谷幸喜 映画の世界観展 ――



 会場は東京・上野の上野の森美術館、
 会期は2013年10月12日~11月17日、
 『清須会議までの映画美術の軌跡、そして…』と副題が掲げられています。

「むぽゥ!
 えいがのォ、びじゅつかんとくゥさんのォ、てんらんかいィ?」
「ぐるるがる!」(←訳:珍しいねえ!)

  

 種田陽平(たねだ・ようへい)さんは、
 展覧会の題名にもありますように、
 脚本家・演出家・作家そして映画監督である三谷幸喜(みたに・こうき)さんの
 映画『THE有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』
 近日公開の『清須会議』、
 また、舞台『ベッジ・パードン』の美術をつとめた御方です。
 他に、
 映画『フラガール』『悪人』『空気人形』『ヴィヨンの妻』や、
 クエンティン・タランティーノさん、
 チャン・イーモウさん、
 ウェイ・ダーションさん、
 キアヌ・リーヴスさんたち海外の監督さんともお仕事をされていて、
 2010年には芸術選奨文部大臣賞、
 2011年には紫綬褒章を受章!

「わおおォッ!」
「がるるっ!」(←訳:すごいっ!)

 この展覧会は
 三谷さん監督作品のセット製作のための資料、
 実際に撮影に使われた装飾、小道具などから、
 どのように映画の世界が具現化されゆくのかを目の当りにできる
 《映画美術ワールド》。

 映画好き、映像好きな方々は、ぜひ御観覧を~♪♪

「みたにさんのォ、きよすかいぎィはァ~」
「ぐるぐるがるるる!」(←訳:11月9日公開です!)



  ではここで、今日の美味しいオマケ画像! 
  
  『グリコ』さんの《アイスの実 もも》♪

  皆さま、台風に気を付けつつ、穏やかな休日を!  
  



  
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フェア?それともアンフェア?

2013-09-13 21:30:59 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 じゅうさんにちィ~!」
「がるる!ぐるるがるっ!」(←訳:虎です!金曜日ですっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 13日で、金曜日で……
 ホラー映画好きさんがウキウキしちゃいそうな今日9月13日の読書タイムは、
 怖~い!とは限らない、
 いやけっこう怖いかもしれない?変種ミステリ作品を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  



 
             ―― 三階に止まる ――



 著者は石持浅海(いしもち・あさみ)さん、2013年7月に発行されました。
 漆黒の、水戸部功さんによるスタイリッシュな装幀の表紙カバーは、
 『三階に止まる』の『まる』部分が隠れてしまっていますが、
 題名は、ええ、『三階に止まる』ですよ。

「……まッくろォだァ~…」
「……ぐるるぅ~…」(←訳:……不吉だぁ~…)
「やぱりィ、じゅうさんにちィ~…」

 収録されているのは、
 8編の短編ミステリ作品。

 黒一色のデザインに相応しく、
 人間のこころの真っ黒さ加減を活写した作品ばかり……
 ってことはありません。

 ダークかもしれないけれど、
 ヒネリがきいていて、
 ほんのちょっと視点を変えれば、
 物語の骨格も入れ替わってしまうような、
 《ミステリ》のお手本、
 謎がほどけてゆく瞬間の驚きを、
 読み手に発見させる作品が揃っています。

 私ネーさのお気に入りは、
 わずか6ページから成る『ご自由にお使い下さい』。

「みじかくゥてェ~」
「がる!」(←訳:濃い!)

 そして、もう一作は、
 表題作品でもある『三階に止まる』。

 正直に申し上げますと、
 マニアな方々からは、
 これはミステリじゃない!と抗議を受ける可能性大、な作品でもあります。
 アンフェアだ!
 論拠に納得できない!とも言われそう……。

 けれど、
 やられたわ!と
 思わず唸らされる読後感ときたら!

「こうさんッ、でスゥ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:巧いなぁ!)

 賃貸マンションのエレベーターで、
 自宅のある7階へ。

 何でもないことのようですが、
 エレベーターが毎回、
 三階に必ず止まる、となれば話は別ですよね。

 三階で乗り降りする人がいるわけでもないのに、
 エレベーターは止まる。
 必ず、止まる。

 エレベーターを製作した会社の人が調査した結果は、
 異常なし。
 故障個所、なし。

 でも、止まるんです、エレベーターは。
 誰かが乗れば、必ず三階で。

 なぜ……?

「わッ、わきゃりませェんッ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:怖いよう!)

 マンションの住人さんたちが見出した答えは、
 著者・石持さんが用意した答案は……
 はたして、
 筋金入りのミステリマニアさんに
 どう受け止められるのでしょうか?

「はらはらァ、どきどきィ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:眠れなくなりそう!)

 フェアなのか、アンフェアなのか、
 仕掛けとたくらみに満ちた怪作にして快作、
 週末の読書におすすめです~♪

 

 

 
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いま食べたいもの!といったら……?

2013-09-12 21:38:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゃりィしゃりィ、ぱくぱくッ!」
「がるる!ぐるぐる!」(←訳:虎です!甘いです!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日9月11日で震災から二年半……
 被災地へ思いを馳せつつ、
 このところ我が家の定番デザートとなっている福島県産の幸水梨をいただきました。

「とッてもォ~おいしィ~でス♪」
「ぐるるるるがるぐるるぅる!」(←訳:いくつでも食べられちゃう!)

 では、本日の読書タイムは、
 食べ物つながり?で、こちらの御本を、どうぞ~!

  



      
                ―― ごはんぐるり ――



 著者は西加奈子(にし・かなこ)さん、2013年4月に発行されました。
 『NHKきょうの料理』『NHKきょうの料理ビギナーズ』テキストに連載されたエッセイを
 大幅に加筆・修正し、
 さらに!
 書き下ろし小説までも加わった《ごはんぐるり》、
 つまり、《ごはん周り》《ごはん周辺》にまつわる御本です。

 先日は平松洋子さん著『サンドウィッチは銀座で』を御紹介しましたが、
 いやー、こちらもスゴい!

 
「そうぞうりょくゥ!」
「がるる!」(←訳:妄想力!)

   美味しい!

 私のまかない料理を食べてくれた人たちがそう言い、
 目を丸くした瞬間に感じた『嬉しい』気持ちには、
 小説を書いて褒めてもらったときの幸福感すら勝てない。
 いや、まったく違う種類の嬉しさだとは
 分かっているのだけれど――

 御本冒頭の文章で、
 著者・西さんはそんな風に
 “食が与えてくれる喜び”
 について語っています。

「うむゥ! おいしィはァ、とくべつゥ、なのでス!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:生きるみなもと!)

 また、別の文章で、西さんは
 こうも記しています――

    私の夢は、男子校の寮母になって
    生徒にごはんを作ることだ

「うわあああァッ!」
「がるるっ!」(←訳:それはっ!)

 腹ペコの男子高校生(たぶん体育会系)くんたちに、
 あ~旨かった!
 食った食った腹いっぱいだぁ~!
 と言わしめるタフですてきな寮母さん♪
 確かに、これは……料理人のひとつの夢、ですねえ。

「きもちはァ、わかるゥ!」
「ぐるぐるがるがるる!」(←訳:ひしひし分かります!)

 西さん御自身は、
 もちろんプロの料理人ではなく、
 けれど食事――ごはん周りのあれこれに、
 独特のこだわりを持っておられます。

    私は、イランで生まれ
    カイロで育った大阪人

 と自称する西さんの眼を、
 おいしそう!と輝かせるのは、
 どんな《たべもの》なのでしょうか?

「ありふれたものッ?」
「がるぅるるぐる?」(←訳:オシャレなもの?)

 日本食、
 海外での食事、
 コンビニフードや、
 スペシャルなバーベキュー。

 笑いあり、回想あり、
 ささやかな悪食体験、
 誰もが共感する『活字で読む食べ物』への魅力、
 そしてトドメに短編小説、と
 読み手の空想&想像力に火を点ける愉楽の一冊!
 オレはいま何を食べたいんだ?と迷い中の活字マニアさんに
 おすすめです~♪

「いますぐゥ、たべたいィものはァ~」
「ぐっるがるがるるぐる!」(←訳:きっとこの御本の中に!)





    

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~ 絹の美貌 ~

2013-09-11 21:56:03 | ミュゼ
「こんにちわァ~、テディちゃでス!
 ひとめェぼれッ!」
「がるる!ぐっるるぐる!」(←訳:虎です!うっとりです!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここのところ、水曜日&土曜日は読書タイムをおサボリして
 アート情報をお送りしておりますが、
 今日もやっちゃいますよ♪芸術の秋強化アワー!
 さあ、アート好きさん、こちらを、どうぞ~!

  



 
          ―― 人形師 辻村寿三郎の世界 ――



 会場は、群馬県高崎市の『日本絹の里(NIPPON SILK CENTER)』にて。
 会期は2013年9月4日~11月4日(毎週火曜日が休館)、
 なお、会期は前期(9月4日~10月7日)と
 後期(10月9日~11月4日)で一部作品の展示替えが行われる予定です。

「くうゥ~ッ!
 きゃッこいいィ~♪♪♪」
「ぐるぐるがるぅ!」(←訳:惚れ惚れするぅ!)

 文楽の舞台、
 繊細でシュールな四谷シモンさんの作品、
 音楽が生命をもたらすムットーニさんの自動人形、
 コマ撮りアニメのクマくんやドーモくん、
 ウォレスとグルミット、
 セサミストリートのマペットたち、と
 世には数えきれないほど多様な《人形》たちが存在しますが。

 辻村寿三郎さん(以前の表記は辻村ジュサブローさん)のお人形は、
 その中でも特別な美しさを放っています。

 きめ細かな肌の質感、柔らかな陰影、
 豊かな色遣いの衣装、
 小物の見事な造形……

 どうしてこんなに美しいのか?というと、
 秘密は、絹!

  

「ちりめんッ、でスゥ!」
「がるがる!」(←訳:絹布だよ!)

 辻村さんのお人形には縮緬が用いられ、
 衣装には着物の古布を御自身で仕立て直したりと
 絹の布が大活躍しています。

 
「ひかりをォあてるとォ!」
「ぐるるる!」(←訳:絹が輝く!)

 写真やTVモニターの画像からは感じ取れない、
 艶かしい立体感と存在感!
 アート好きさんは、ぜひ、肉眼で鑑賞されたし!

「ひとめぼれェ、まちがいなしィ♪」
「ぐっるる♪がるるるるる!」(←訳:うっとり♪を保証します!)



 では、ここで本日のオマケ画像~!
  
 ジンジャラーよ、立ち上がれ!
 新発売『明治』さんの《ジンジャーチョコレート》で
 手足はホカホカに♪


 
 
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