テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

消えても、残る?

2018-05-11 22:11:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 だいいどうゥ、ふたたびィ?」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!ジロは本土へ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ジロ・ディ・イタリアはシチリア島エトナ山での山岳ステージを終え、
 選手さんたちのイタリア本土移動に伴って周辺は大渋滞になりました。
 このシチリア大脱出は、明日以降のレースに影響するのでしょうか?
 ちょっと心配……いえ、大いに心配しつつも、
 はい、今日も読書タ~イム!
 本日は、こちらのミステリ作品を、どうぞ~♪
 
  



      ―― 特捜部Q ―自撮りする女たち― ――



 著者はユッシ・エズラ・オールスンさん、原著は2016年に、
 日本語版は2018年1月に発行されました。
 原題は『SELFIES』、
 本国デンマークを始め、欧州で大人気の
 《特捜部Q》シリーズの、第7作目です。

「ひゃふふゥ! とくそうぶゥ、とうじょうゥでス!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:難事件ならお任せ!)

 コペンハーゲン警察内に設けられた、
 特捜部Q――

 未解決のままの事件を専門とする
 この部署を率いるのは、
 カール・マーク警部補。

 アシスタントのアサドさん、ローセさん、ゴードンさんと
 数多くの未解決事件をビシバシと片付け、
 あー、いえ、片付けてきたつもりのカールさん、でしたが……

「おこられェちゃッたでスゥ!」
「がっるーる!」(←訳:ひっどーい!)

 カールさんの上司いわく。

   検挙率が低すぎる!
   特捜部Qは解体だ!

 当然ながらカールさんは怒り狂い、
 足音も高く部室に戻ります。

   誰かが検挙率の数字を書き換えたんだ!
   書類の作成を担当したローセなら
   本当の検挙率を知ってる!
   ローセ! ローセはどこだ?

「ええとォ、いませんッ!」
「ぐるがる!」(←訳:居所不明!)

 ローセさんの突然の“失踪”に戸惑い、
 特捜部解体の危機に混乱するカールさん。
 そこへ、一本の電話がかかってきました。

 かつて一緒に働いた、
 捜査課の元ボス、マークス・ヤコブスンさんからのその電話は、
 一種のSOSともいうべきものでした。

   最近発生した或る事件と、
   未解決の或る事件が
   よく似ている――ひどく似ている。

「うゥ~んッ、それはァ!」
「がるぐるるる!」(←訳:どう考えても!)

 何年も前の未解決事件と、
 現在捜査中の事件と、
 そしてローセさんの過去。

 入り組んだ事件と事件の間をつなぎ、こじ開けながら、
 カールさんはローセさんを探します。

 彼女のために、
 《特捜部Q》が出来ることは、あるのか?

「はしッてェ、はしッてェ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:彼女を見つけよう!)

 人気の北欧ミステリ、というよりも、
 もはや現代欧州を代表する大河ミステリというに相応しい
 硬派群像劇は、
 ミステリ好きさん以外の方々にもおすすめです。
 たっぷり時間をとって、
 ぜひ、熟読を♪   
 
 
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100年、たっても?

2018-05-10 22:11:29 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 しょうりのォ、じゃァ~んぷゥッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!先ずは一冠!)

 こんにちは、ネーさです。
 やりましたユーヴェ!!
 コッパ・イタリア決勝でミランを破り、
 これでイタリア史上初の4年連続国内2冠が確実となりました♪
 選手さんたちスタッフさんたちに心からの拍手を送りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



     ―― 100年後に残したい! マンガ名作 ――



 監修は公益社団法人日本漫画家協会の皆さん、2017年12月に発行されました。
 『The masterpiece MANGA that Remains100years』と
 英語題名が付されています。

 そう、イタリアが世界に誇る“国技”がサッカーだとするならば、
 日本が世界に誇る“アート”はマンガであると申せましょうか。
 いまや、世界中どこへ行っても――

「たぶんッ、つうじィまスゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:日本のマンガ!)

 マンガのルーツはどこにあるのか、
 誰をマンガの始祖とすべきか、
 については諸説ありますが、
 とりあえず、
 そういった歴史的難題は、ちょいと脇においといて。

 考えてみましょう、
 《100年後に残したい!》と
 本気で思える名作マンガとは、
 いったいどんな作品か、
 誰の、どの作品なのか。

「うゥ~んッ?? ひゃくねんッ??」
「がるるるるっるぐるるがるぐるる?」(←訳:100年先ってどんな世界だろう?)

 それは『鉄腕アトム』の世界でしょうか。
 それとも『ドラえもん』の未来でしょうか。

 まだ見ぬ未来世界に於いても
 多くの人に読んでもらいたい、
 そんな願いをこめ、
 日本漫画家協会に所属するプロの漫画家さんたちが選出した
 《マンガの名作》の、1番手は。

「やぱりィ、あのおかたァなのでス!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:手塚治虫さん!)

 “世界に誇る日本のポップカルチャー マンガの神様の遺産”として
 御本の本文、その筆頭で紹介されているのは、

 『手塚治虫さんの《ブラック・ジャック》ほか全作品』。

「わおッ♪ これはァきれいィ~♫」
「がるーるるぐるる!」(←訳:カラー画がすごい!)

 作品についての解説、手塚さんの略伝だけでなく、
 単行本の表紙に使われたカラー画も掲載されていて、
 これが美々し~い!!
 
 そして、
 手塚さんの美とは異なる美しさを見せて下さっているのが、
 次のページの
 水木しげるさんの作品ですね。

「あッ! そのォつぎィはァ~!」
「ぐるるるるる!」(←訳:おそ松くんだ!)
「あかつかァせんせいィ!」

 part.1『マンガに生涯を捧げた漫画家とその作品』では
 誰もが知る巨匠さんたちが。

 part.2『漫画家が選んだ優れたマンガ作品』では
 現在も活躍する著名な漫画家さんの作品が。

 part.3『マンガ業界に貢献した漫画家とその作品』では
 今もフォロワーを獲得し続ける不朽の名作の数々が。

 カラー写真や図版とともに取り上げられています。

「ふわわゥ~…」
「がるる~…」(←訳:溜め息~…)

 私ネーさ、個人的には
 宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』のページにハッとさせられました。
 そう、そうでした……『ナウシカ』は、
 アニメである前に、漫画作品だったんだわ……。

「もういちどォ、よみかえそうゥ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:何度でも読み返そう!) 
 
 100年後。

 その世界に、はたして書籍という形態は存在するのか。
 PCやタブレットやスマートフォンだって
 在るかどうか分からないのに?

 いえ、でも、意外に残っているかもしれませんね。
 それも、ガチガチに時代遅れ?な、
 紙のマンガ本が!――と信じたくもなる一冊です。
 どうか皆さま、ぜひ♫
 
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光と、雲と。

2018-05-09 22:07:04 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 もうふゥ、くださいィ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!風邪に注意!)

 こんにちは、ネーさです。
 ジロ・ディ・イタリア開催中のシチリア島は
 南イタリアならではの美景を見せてくれています。
 冷え込んでいるここ関東にも南風を呼び招くべく、
 さあ、本日も元気に読書……をサボり、
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



           ―― ターナー ――



 東京・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて、
 会期は2018年4月28日~7月1日(月曜休館)、
 『Turner and the Poeties of Landscape』と英語題名が、
 『イギリス風景画の巨匠 風景の詩(うた)』と
 日本語副題が付されています。

「いんぐらんどォ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:英国そのもの!)

  

 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーさん(1775~1851)。

 イギリスを代表する風景画家は誰か?
 と問われたなら、
 先ずいちばんに挙げられるのは、この御方でしょう。

「おだやかなァ、でんえんふうけいィもォ~…」
「がるるるるる~…」(←訳:荒れ狂う海も~…)
「ぜんりょくでェ、えがきィましたでス!」

  

 この展覧会では、
 《地誌的風景画》
 《海景―海洋国家に生きて》
 《イタリア~古代への憧れ》
 《山岳―あらたな景観美をさがして》
 の4つの章に分けてターナーさんの作品を紹介しています。

 水彩、油彩、版画作品など
 英国各地の美術館からやって来たのは、
 約120点……けっこう大規模だわね!

「ふうけいがァまにあさんッ、ひッけんッ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:イベントもあるよ!)

 5月16日にはギャラリートークが、
 また5月26日には
 映画『ターナー、光に愛を求めて』の特別上映と
 トークショーの組合せ(要申込)、
 6月11日には
 休館日に貸切の美術館で
 ガイドさんと対話しながら作品を観賞するトークアートなど、
 多彩なイベントが予定されています。

 派手な風俗画よりも、
 ちょっぴり渋めの風景画が堪らないんだ!というアート好きな皆さま、
 各イベントの詳細については
 美術館HPをご参照の上、
 ぜひ、お出掛けを♪
 



    では、ここで“寒~い日はこれ!”なオマケ画像も。
   
   『明治』さんの
   《メルティキッス冬季限定
    くちどけブランデー&オレンジ》!
   「うきゃッ!これはッ!」
   「がるるー!」(←訳:お酒だー!)
   ええ、私ネーさも、驚きましたよ。
   洋酒の香りが、味が、意外と強い……!
   チビっ子さんはNG、
   運転中の御方はお家に帰ってから
   ゆっくり味わってくださいね~♫


  
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未知なる味わい?

2018-05-08 22:15:45 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みんなでェ~いッしょにィ~!」
「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!シチリアへ移動~!)

 こんにちは、ネーさです。
 《ジロ・ディ・イタリア2018》はイスラエルでのステージを終え、
 選手さんスタッフさんたちは次のステージが開催されるシチリア島へ
 4機のチャーター機で大移動!となりました。
 エース級選手さんたちが“本気”を出してくる
 明日以降のニュースを楽しみにしながら、
 さあ、本日の読書タイムも“本気”で、どうぞ~♪
 
  



      ―― シャーロック・ホームズの新冒険 ――



 著者は田中啓文(たなか・ひろふみ)さん、2018年2月に発行されました。
 はい、申すまでもありませんね、
 題名からも分かります、この御本が
 著者・田中さんの得意とする《ホームズ・パロディ》作品であることは。

「こんかいィもォ、やりましたでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:見事な贋作!)

 そうね、パロディというよりも
 パスティーシュ……に近い、のかも知れず、
 もしかしたらSF、なのかもしれないわ。
 
 なにしろ、この作品の中では、
 そもそもホームズさんとワトスン博士の――

「あわわッ! いッちゃだめェでス!」
「がるるるぐるぅる!」(←訳:ネタバレしちゃう!)

 えーと、その、
 ネタバレとまでは行かぬであろう、と思うのですが、
 判断が難しゅうございます。
 この御本には、

 『トキワ荘事件』
 『ふたりの明智』
 『2001年問題』
 『旅に病んで……』
 『ホームズ転生』

 と、5編の短編作品が収録されていて、
 いずれもミステリではあるのですが、
 ホームズさんが登場するのは、
 ただ一編、
 『ホームズ転生』。

「うんうんッ♪」
「ぐるるがるるる!」(←訳:舞台はロンドン!)

 1918年のことだった――
 の一文から始まるこの物語の語り手は、
 もちろん、ドクター・ワトスン。

 しかし、読み始めて早々に
 違和感が強まってきます。

 ……うん、ワトスン博士はここにいる、けれど。

 ホームズさんは、どこかしら?

「へんそうゥちゅうゥ?」
「がるる?」(←訳:出張中?)

 いいえ、ホームズさんが
 ワトスン博士と行動をともにしていないその理由は、
 事件の調査のため誰かに変装しているのでも
 パリやローマに出張しているのでもなく。

「えッ? まさかァ??」
「ぐるるるる??」(←訳:こんな所に??)

 ホームズさんがどこにいるか。

 それこそが、
 著者・田中さんの仕掛けであり、狙いであり、
 この物語の“要”でしょうか。

 私たち読み手は、田中さんの打った意外な手に驚かされ、
 次の瞬間には胸を躍らせます。

 このホームズさんとワトスン博士の冒険は
 どこへ向かうのか?

「ひやあせェ、かきまスゥ!」
「がるるる!」(←訳:怖ろしや!)

 収録されている5作品いずれにも
 おそろし~い罠や陥穽が張り巡らされておりますが、
 SF好きな方々におすすめなのは、
 『2001年問題』です。

 ここで著者・田中さんの餌食にされちゃってるのは、
 アーサー・C・クラークさんと
 アイザック・アシモフさん?

「わァおッ!」
「ぐるるがるる?」(←訳:巨匠も餌食に?)

 愉しくも、
 どこかちょっぴり切なくもある
 SFとミステリとパロディとパスティーシュが同居する怪作、
 皆さま、ぜひ、一読を♪



 
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― 星から星へ ―

2018-05-07 22:15:35 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 にほんじゅゥ~でェ、ためいきィでスゥ~…」
「がるる!ぐっるるるがる!」(←訳:虎です!戻ってきてGW!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、今日はね、GWが明けてしょんぼり、
 雨模様にがっかり……な御方も多かったでしょうが、
 では、次のお休みに向けて新たな計画を練るのはいかが?
 本日は、想像力をぐいいっと刺激する
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



           ―― 天空の地図 ――



 著者はアン・ルーニーさん、日本語版は2018年3月に発行されました。
 英語原題は『MAPPING THE UNIVERSE』、
 『人類は頭上の世界をどう描いてきたのか』と日本語副題が付されています。

 先日は、科学好きさんの旅ゴコロをくすぐる
 『太陽系観光旅行読本』を御紹介いたしましたが、
 旅につきものなのが地図、でございます。

「ふァいッ! ちずがァ、ないとォ~」
「ぐるるがっるぅる!」(←訳:迷子になっちゃう!)

 古代から、現代まで。

 人間は地図を作り続けてきました。
 地上の地図を、
 そしてまた、頭上に広がる『天空の地図』をも。

「おつきさまァ、とかッ!」
「がるるぐるるがる!」(←訳:惑星の運行図とか!)

 ガス灯や電燈など、
 人口の光が一切なく、
 夜空の星々がよりクリアに、
 手を伸ばせば届くような近さできらめいていた時代、
 季節ごとに位置・高さを変えながら
 ぐるりと天を横切ってゆく星たちは、
 観る者に物語を感じさせたに違いありません。

 あれは、狩人オリオン……
 あれは白鳥、あれはサソリ……
 ライオンに、大蛇……。

 月のクレーターも、
 カニに見えたり、仙女さまに見えたり。

「みえかたもォ、いろいろッ♪」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:平面から立体へ!)

 古代ギリシャから16世紀まで、
 宇宙の中心は地球、と西洋では考えられてきました。
 いわゆる“天動説”の時代には、
 『天空の地図』も平面的です。

 そんな平面図が立体へ、
 奥行きのある世界へと変貌を遂げるのは
 ポーランド人の天文学者ニコラウス・コペルニクスさん、
 デンマーク人天文学者ティコ・ブラーエさんが
 新たな学説を唱えた後のこと。

「うまれかわるゥ~うちゅうゥ!」
「がるぐぅるるがるる!」(←訳:星座じゃなく星図へ!)

 この御本に収められているのは、
 古代エジプトの宇宙観を表わす天井画や、
 ヨハネス・ケプラーさんが描いた太陽系の構造図あり、
 画家アルブレヒト・デューラさんによる星図もあれば、
 ゴッホさんが描いた星月夜、
 そしてもちろん現代の、
 NASAが観測した6500光年彼方のかに星雲も。

 あ、そうそう、
 日本では宇宙に関する画像・映像というと
 どうしてもJAXA、NASAの資料が
 メインになりがちなんですけど、
 この御本にはESA(欧州宇宙機関)出典の
 画像資料も掲載されているんですよ。

「わりとォ、れあッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:電子の天文図!)

 銀河旅行は、まあ当分は無理だとしても、
 月旅行は、
 それに火星旅行も、
 近いうちには、もしかしたら……?

 星座と星図を眺め比べれば、
 想像力に翼が生えてゆくような『地図』の世界、
 インドア派さんもアウトドア派さんも、
 どうかぜひ、手に取ってみてくださいね♪
 
 
 
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~ 想像と創造の海賊 ~

2018-05-06 22:17:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わうゥ~…おわッちゃいィまスかァ~…」
「がるる!ぐるるるるるがる~!」(←訳:虎です!終わらないでGW~!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムは、
 南の島でゴールデンウィークを満喫した皆さまにはなつかしさを、
 一方、国内のテーマーパークで、
 或いは自宅でDVD三昧だった方々も
 おお!と盛り上がること必定のノンフィクション作品をご紹介しますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



          ―― 海賊の文化史 ――



 著者は海野弘(うんの・ひろし)さん、2018年4月に発行されました。
 ええ、『海賊』と聞いただけで、
 瞼の裏にジョニー・デップさんのお姿を思い浮かべてしまう、
 そんな御方が多いことでしょう。

「じゃッくゥ・すぱろうゥ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:憎めない悪人!)

 海賊は、問答無用で縛り首――

 と言われていますけれど、
 デップさん演じる海賊スパロウが縄張りとしていたのは、
 カリブ海を中心とする海域でした。
 すなわち……

「あちちちィ~!」
「がるるるっ!」(←訳:気温高いっ!)

 そんな《海賊=南の海》のイメージは
 19世紀につくられたものだ、と
 著者・海野さんは御本のプロローグで述べています。

 海賊なる存在の始まりは、
 19世紀よりもはるか昔むかしの、
 古代ギリシアの時代にまでさかのぼり、
 トロイ戦争の発端になったのも
 国家間の貿易・海賊行為であったのだ、と。

「ぎりしあもォ、ろーまもォ」
「ぐるるるがっるるるる!」(←訳:海洋国家だったもんね!)

 複数の国家から成る古代ギリシア、
 そして古代ローマ、
 西洋文明の基盤を築いたふたつの政治体制が
 ともに海洋国家であったのは偶然ではないのでしょうが、
 そののちも、
 たとえばスペイン、
 ポルトガル、
 大英帝国、と
 海を制する国家が世界の命運をも左右する《大国》となりました。

 それら《大国》の影にうごめく海賊たちと、
 大航海時代の冒険者たち――
 コロンブスさん、マゼランさん、ヴァスコ・ダ・ガマさんたちは、
 非常に近い位置にいる。

 また、南の海の海賊たちとは異なる、
 北の海のヴァイキングも、
 海賊であり、遠征者であると言えます。

 近年、アメリカ大陸の発見者とされるのは――

「ころんぶすさんッ、じゃなくてェ~」
「がぅるるるる!」(←訳:ヴァイキング!)

 古代から19世紀まで、
 西洋世界と、太平洋やアジアの海へも“進出”した
 海の男たち。

 この御本では、
 そういった世界の海を渡り歩いた男たちの歴史とともに、
 彼らがどう描かれてきたか、も
 しっかり捉えられています。

 っていうか、そのパートこそ必読ですよ!

「かいぞくのォ、えいがッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:海賊の文学)

 本文227ページから展開される
 《19世紀 海賊文化の創生》では
 私たちが知る“海賊のイメージ”がどのように形成されたかを
 実に小気味よく語られています。

 特に、
 《海賊画の画家》ハワード・パイルさんについての文章は白眉です!

 画家・パイルさんに関するこれほど詳細な解説は、
 おそらく日本初!でしょう。

「かッきてきィ、でスねッ!」
「がるるぐる!」(←訳:歴史的瞬間!)

 私ネーさ、パイルさんの大ファンですので、
 本気で感涙いたしました。

 いえ、私ひとりにとどまらず、
 ディズニーのアトラクション《カリブの海賊》や、
 往年の海賊映画が好きな方々にも
 感銘深いこの文章、
 本当の本当におすすめです!!

 海賊たちはどこから来たのか、
 どこへ向かおうとしているのか――

「だれがァ、かいぞくをォ~」
「ぐるがるるる?」(←訳:創造したのか?)

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
 
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いちばん身近で、いちばん遠い…?

2018-05-05 22:15:39 | ミュゼ
「こんにちわッ、テデxちゃでス! 
 やぱりィ、よそうがいィのォ、てんかいィでス!」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!落車注意報~!)

 こんにちは、ネーさです。
 記念すべき2018ジロ・ディ・イタリア第1ステージ、
 個人タイムトライアル優勝者はトム・デュムランさん!
 ライバルたちの落車にも影響されぬ走りっぷりは強いわ!
 おっと、まだまだ先は長うございますからね、
 毎日のステージをじっくり見守ることにして、
 さあ、私たちは読書タイム……をサボって、
 本日は↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



             ―― 人体 ――



 東京・上野の国立科学博物館にて、
 会期は2018年3月13日~6月17日(月曜休館、ただし6/11は開館)、
 『THE BODY Challenging the Mystery』と英語題名が、
 『神秘への挑戦』と日本語副題が付されています。

「だいにんきィ~なのでスゥ!」
「ぐるがるるるるる!」(←訳:混雑してるんです!)

 『人体』だなんて、
 GWにぶつける特別展のテーマとしては
 ちょっうと地味じゃないかしら……?

 などと心配するなかれ!

 国立科学博物館SNSによれば、
 博物館は大賑わい!
 会場内の混雑により、
 入場時間指定の整理券が配布されているそうですよ。

 ……でも、それも当然なのかもしれないわ。

  

「じゃじゃじゃァ~んッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:これですこれ!)

 そう、この企画展には、来てるんです。

 レオナルド・ダ・ヴィンチさんの、
 あの有名な手稿が!

 英国の、ウィンザー王室コレクションが誇る、
 レオナルドさん作
 《『解剖手稿』より頭部断面、脳と眼の結びつき部分》(1490~92年頃)、
 《『解剖手稿』より消化管と腎臓そして尿管部分》(1506~08年頃)。

 最初はね、私ネーさも、
 これゼロックスコピーよね?と思ったんですけれど、
 公式HPには複製という表記はありません……

 って、つまり本物なのね?
 本物のレオナルドさんの手稿作品なのね?

「すごすぎィ!」
「ぐるるるるぅる!」(←訳:ひれ伏しちゃう!)

  

 もちろん、他にも貴重な作品&見どころがいっぱいです♪

 16世紀の医学・解剖学者アンドレアス・ヴェサリウスさんの著作
 『ファブリカ』(1543年刊行の初版本)。

 そして、19世紀に制作された、
 おそらくフランス製と推察される
 『キンストレーキ(人体模型)』。

 たった4体しか日本に現存していないキンストレーキのうち、
 2体が展示されているんですって。

「ふゥ! きちょうひんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:大切にしよう!)

 会場にはNHKスペシャル『人体』とリンクした展示室、
 撮影可能なコーナーもあり、
 ワークショップなどのイベントも開催されます。

 既に来場者さんが20万人を突破した人気の特別展へは、
 イベントのスケジュールや、
 混雑状況を『#人体展』で確かめてから
 お出掛け下さいね~!
 



    では、ここで《こどもの日》らしいオマケ画像も♪
   
    我が家のジャングルな庭に咲く、
    ハナショウブ……ではなくて、
    たぶんアヤメなんですけど、
    せめて雰囲気だけでも端午の節句風に。
    「ちびッこたちよッ、すこやかでェあれッ!」
    「ぐるるがるる!」(←訳:笑顔とともに!)
    では、皆さま、
    どうか穏やかな休日を♪

  
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満腹を、お約束?

2018-05-04 22:10:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ~!
 ことしもォ、はじまりまスゥ~!!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!ジロ開幕~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい♪ 今年もグランツールの季節がやってまいりましたね。
 2018年のジロ・ディ・イタリアは、
 出発地がイスラエル→シチリア島を経由→イタリア半島を北上→
 山岳決戦ののち一気に南下→ゴール地はローマ!
 という変則コースです。
 今回はどんな新スターさんが誕生するのか楽しみにしながら、
 さあ、読書タイムもスタートですよ。
 本日は、こちらのアートエッセイ作品を、どうぞ~♫
 
  



        ――  名画の中の料理 ――



 著者はメアリー・アン・カウズさん、
 原著は2013年に、日本語版は2018年3月に発行されました。
 英語原題は『THE MODERN ART COOKBOOK』、
 お料理のレシピと、
 様々なお料理をテーマとするエッセイと、
 お料理もしくは食材を主題とする絵画で構成されたこの御本の、
 サブテーマは“混乱”かもしれません。

「えェ~とォ、うゥ~んとォ?」
「ぐるっるるがるるる?」(←訳:これってズレてる?)
「わざとォ、かなッ??」

 多くのレシピ本では、
 開いたページのどちらか片方がレシピ表と調理手順、
 もう片方にはお料理の写真やイラスト、
 という風に割り振りがされていますよね。

 ですが、この御本では、
 本文20ページに『ワイルド・アスパラガス』の調理法、
 その左手の21ページに
 エドゥアール・マネさんの『アスパラガスの束』と
 同じくマネさんの『一本のアスパラガス』が
 収録されていたりもするんですけども。

  文章と、
  その横に添えられている作品が
  どこかズレるんじゃ?

 と戸惑ってしまうこと多々、なのです。

 例えば、
 本文36ページ、
 《パブロ・ピカソの『殻つきウニのスクランブル』》
 なるレシピの左ページには、
 ルイス・ブニュエルさん撮影による
 ダリさんのお写真が。

「ふァ? ぴかそォさんはァ??」
「がるる??」(←訳:ウニは??)

 そして158ページのレシピ、
 《クロード・モネの『ミレーのロールパン』》
 の左ページにあるのは、
 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホさんのスケッチ『収穫』。

「これはァもうゥ、さくせんッでスねッ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:著者さんの作戦だ!)

 著者・カウズさんの、作戦なのか、狙いなのか。

 ともあれ、
 微妙な違和感がもたらす小さからぬ衝撃を乗り越えれば、
 こころ穏やかに文章を読み、
 図版を観賞できる準備も整います。

 そうして、あらためて読み、観てゆくと、
 この御本に収録されている図版、
 なかなかに珍しいものが多いことに気付かされます。

 201ページの
 フリーダ・カーロさん作『人生に直面し恐怖する花嫁』(1943)、
 私ネーさ、知りませんでした。

 253ページの、
 マックスフィールド・パリッシュさん作の壁画作品も、
 おお、初めて拝見しましたよ!
 パリッシュさんの画が、いまも大事にされてるなんて!
 なんだか感動です!

「うれしィ~おどろきィ!」
「がるるぐる?」(←訳:得した気分?)

 章ごとに、
 前菜からスープ、卵、魚、肉……と進んで、
 デザートがあり、
 ラストはデザート。

 野菜や、パンとチーズについての解説あり、
 詩人さんの詩歌あり、
 名作家さんの日記からの引用あり、と
 お皿への盛り付けぶりや
 スパイスの利かせ方にも凝りに凝ったこの一冊、
 読み終えたときには――

「ふゥ~、ごちそうゥさまァ♫」
「ぐるるるっる!」(←訳:美味しかった!)

 と、大満足できるはずです。

 アート好きさんも、
 食いしん坊さんも、どうか、ぜひ♪
 
 
 
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いつも、この身に。

2018-05-03 22:17:43 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 いまァ、はなざかりィ~なのはァ~…」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!バラ園が見頃だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 今春、欧州は寒さに震えているそうですが、
 日本は暑さ前倒しでバラのお花がきれいに咲いてますね。
 本日の読書タイムは、
 全ページお花と同じくらい色とりどりな、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



   ―― 日本全国開運神社 このお守りがすごい! ――



 著者は中津川昌弘(なかつがわ・まさひろ)さん、2018年3月に発行されました。
 『112社完全ガイド』と副題が付されています。

「ふむむッ?? おまもりィ~??」
「ぐる~??」(←訳:開運~??)

 はい、白状いたします。
 前回記事の《岡本太郎さんトリプルスペシャル》の後ですから、
 私ネーさ、ちょっと休憩と申しましょうか、
 息抜きに近い気持ちで
 この御本を手に取ったんですけれど、
 キエィ!と
 背中に活を入れられたかのように
 目が醒めました。

 お守り――奥が深いんです、とっても!

「こんなにィたくさんッ?」
「がるるるぐるーる!」(←訳:こんなにユニーク!)

 本文の第一章は、
 『神社のお守りの世界にようこそ』。

 そこで著者・中津川さん、先ずは
 《御利益のすごさ》
 《かわいらしさ》
 《珍しさ》
 の観点から様々なお守りを紹介しつつ、
 《お守りの基本Q&A》や、
 《神社の参拝方法とお守りの頂き方》
 を解説しています。

  “神社さんにお参りするとき、
   どういう順序でどこを巡ればいいのか”

 それはつまり、

  “お守りを頂くために授与所へ向かうのは
   どのタイミングが正しいのか”

 という問への答えでもありますが、
 私ネーさ、首をヒネリました。

 正式なお作法では……どうすべきなのかしら??

「えッ、えェ~とォ??」
「ぐっるるるるるる!」(←訳:わっ分かりません!)

 答えは、社殿で参拝を終えたあとで。

 境内が混雑してるから、
 参拝の前に授与所へ、なんてのは、
 お守りが欲しいだけなんだもん、
 お参りはパスして授与所へ行っちゃおう、なんてのも
 礼を失した行為なのです。

「ふァいッ、きもにィめいじィまス!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:お作法リスペクト!)

 お守りをたくさん持つと
 神様がケンカするって本当なんでしょうか?

 お守りとお札の違いは?

 お守りの効力が上がる方法は?

 お守りはどこに保存しておくべきなのか?

 その他に、
 “神社の基本情報”
 “知っておきたい《古事記》と神さま”も、
 はい、あらためて、勉強になります……。

「そしてェ、いよいよッ♪」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:お守りお披露目!)

 第二章『日本全国すごいお守りの頂き方リアルレポート』、
 第三章『御利益別!開運神社のすごいお守り』では、
 はい、112社の神社さんとお守りが
 丁寧に紹介されています。

 ことに、第二章のいちばん初め、
 4ページに渡ってレポートされている
 埼玉の三峯神社さんの御守りは……
 文章を読んでいるだけで
 荷造りしたくなりましたよ。

「ゆかなくちゃッ!」
「がるるぐるがる!」(←訳:すごい山奥でも!)

 オオカミを祀る神社さんで、
 月に一日のみ授与されるという
 特別なお守りとは?

 と聞いて、
 こころがゾワリ!と波立った活字マニアさんは、
 ぜひ、この御本を手に取ってみ手くださいね。
 歴史好きさんにも、地理好きさんにも
 おすすめの一冊です♪
 
 
 
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いま、Taroさんが熱い!

2018-05-02 22:10:37 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 どォ~んとォ、れんきゅうゥ~!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!後半戦だよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日5月3日から始まるGW後半のお休みに合わせて、
 本日お送りいたしますのはちょっとスペシャル企画です。
 題して、
 
 《タローさん3連打》!

 さあ、アート好きさんも活字マニアさんも、
 こちらを、どうぞ~♪
 
  



          ―― 岡本太郎の写真 ――



 神奈川県川崎市の岡本太郎美術館にて、
 会期は2018年4月28日~7月1日(月曜休館)、
 『採集と思考のはざまに』と副題が付されています。

  

「たろうさんッ、おしゃしんッじょうずゥでスゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:プロはだし!)

 若き日のパリ留学時代、
 太郎さんはブラッサイさんやマン・レイさんたち
 超一流の写真家さんたちの手ほどきを受けたのだそうです。
 パリで展覧会にも出品したといいますから、
 もうプロ写真家さんと呼んでいいのかもしれないわ。

 一方、↓こちらは、
 日本で“暴れまわった”時代の太郎さんのお仕事にフォーカス!
 
  



        ―― 太陽の塔 1967-2018 ――



 東京都港区青山の岡本太郎記念館にて、
 会期は2018年2月21日~5月27日(火曜休館)、
 『―岡本太郎が問いかけたもの―』と副題が付された企画展の、
 第2期展示です。

「ふァいッ! ふッかつゥしたのでス!」
「がるぐる!」(←訳:あの塔が!)

  

 2018年3月。
 岡本太郎さんの代表作のひとつ、
 『太陽の塔』の再生が完了しました。

 耐震補強工事が行われるのを機に、
 長期間放置されていた塔内部の各所も修復!

 《生命の樹》を中心とする太郎さんの立体作品や壁画も
 ようやっと息を吹き返し、
 恒久的な展示施設として蘇りました。

 この展覧会では、
 フィギュアメーカーの雄・海洋堂さんが
 大阪万博テーマ館をミニチュア化し、
 写真でしか見ることが出来なかった展示空間を
 3次元で再構成する、という
 企画が試みられています。

「ちゃれんじゃーなのでスねッ!」
「ぐるるるるがっるぐるる!」(←訳:太郎さんもきっとニヤリ!)

 そして、
 展覧会に行ってみたいけど
 行けそうにないわ……な太郎さんファンの方々は、
 こちらを!
 
  



          ―― 太陽の塔 ――



 編著者は平野暁臣(ひらの・あきおみ)さん、
 2018年4月に発行されました。
 写真で辿る《太陽の塔》の歴史は
 さながら大作SF映画??
 ノンフィクション好きな方々に、
 昭和史好きな活字マニアさんにもおすすめです。
 ぜひ!

 
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