テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 文豪さんが、マンガになったら? ~

2021-08-21 23:31:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅうまつゥはァ、のォ~んびりィ~…あれッ?」
「がるる!ぐるぅがるぅっ!」(←訳:虎です!ありゃりゃっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、そうね、
 週末の読書タイムは、
 のんびりモード……のはずが!
 今回はとんでもなく元気満々な
 コミック作品の登場と相成りましたよ。
 さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
       ―― 谷崎マンガ ――



 原作は谷崎潤一郎(たにざき・じゅんいちろう)さん、
 著者は収録順に(せーの!)、
 久世番子さん、古屋兎丸さん、西村ツチカさん、
 近藤聡乃さん、 山田参助さん、今日マチ子さん、
 中村明日美子さん、榎本俊二さん、高野文子さん、
 しりあがり寿さん、山口晃さん、
 2021年8月に発行されました。
 『変態アンソロジー』と副題が付されています。

「ふァ~…」
「ぐっるぅるる~…」(←訳:言っちゃったね~…)

 えっとぉ、
 谷崎さんのアンソロジー作品を
 多数刊行しているとはいえ、
 お堅いイメージの中公文庫さんが堂々と、
 《変態》
 の看板を掲げて世に送り出したのは、
 11人のマンガ家さんによる
 『谷崎マンガ』11篇。

 つまり、
 文豪・谷崎さんの代表作
 『痴人の愛』が、
 『陰翳礼讃』が、
 『瘋癲老人日記』が、
 漫画化されちゃった!という訳なんです。

「びッくりィしたけどォ~」
「がる~る!」(←訳:面白~い!)

 11作品のトップバッターは、
 久世番子さんの『谷崎ガールズ』。

 これが、
 谷崎さんの(マンガ化)作品世界への
 入り口としては
 もう本当に最高で♪

 谷崎さんの女性遍歴がいかにハチャメチャだったか、
 よ~く分かります。

「あわわわわッ!」
「ぐっるぅっる!」(←訳:言っちゃった!)

 シュールでクールで、
 まるでSF?なのは、
 しりあがり寿さんの
 『瘋癲老人日記×老人と海REMIX』。
 
 大正ロマンの香り漂う、
 エレガントな作風は、
 高野文子さんの『陰翳礼讃』。

 そして、
 破壊力と包容力が混然一体となった
 山口晃さんの『台所太平記』……!

「むむゥ! これッてェ!」
「がるぐるがる!」(←訳:現代ではムリ!)

 女中さん。

 現代ではほぼ絶滅してしまった職業――
 ”女中さん”が、
 この作品の主役です。

 千倉(ちくら)家の家長、
 磊吉(らいきち)さんと、
 妻の讃子(さんこ)さんのもとへ、
 やって来ては去り、
 去ってはまたやって来る
 女中さんたち。

 磊吉さん、
 彼女たちを観察するのが、
 大好きで。

「ものかげェからァ、じィ~ッとォ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:これぞ生き甲斐!)

 もしかしたら日本版ダウントンアビー?

 などと微笑ましささえ覚える
 『台所太平記』、
 もちろん他の作品も
 谷崎さんのファンの方々に、
 マンガ&イラスト好きな方々に、
 ぜひのおすすめですよ。

 発売されたばかりのこの御本、
 今なら文庫の新刊コーナーに並んでいるでしょうから、
 本屋さんで探してみてくださいね~♪
 
 

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~ 音楽とともに、50年 ~

2021-08-20 23:57:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さくさくゥ~ぱくくッ!」
「がるる!ぐぅるるる!」(←訳:虎です!しゃりりん!)

 こんにちは、ネーさです。
 スーパーマーケットの果物売り場では、
 スイカよりも梨が目立ち始め、
 雑貨屋さんでは
 ハロウィーン用のデコグッズが……!
 怖くて可愛いジャック・オー・ランタンに
 ニヤリとさせられながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 小林克也 洋楽の旅 ――



 著者は小林克也(こばやし・かつや)さん、
 2021年6月に発行されました。
 御本の表紙には……
 はい、もちろん、小林さんを描いたイラストが、
 どーん!と。

「あのォこえェ、でスねッ!」
「ぐるるがるぐる~!」(←訳:良い声だよねえ~!)

 DJでVJで、
 俳優さんで、ミュージシャンで、
 ナレーターさんでもある小林さんは、
 “声のお仕事“の第一人者であると申せましょうか。

 独特の、ちょっとハスキーで、
 けっこう低めで、
 英語を喋っているときの安定感ときたら、
 他の追随を許しません。

 そんな“声スペシャリスト“小林さんの、
 ラジオDJ歴が
 めでたくも50年に!

「ぱちぱちぱちィ~!」
「がるるー!」(←訳:ブラボー!)

 50周年を記念しての自叙伝ともいうべきこの御本は、
 まさに『洋楽の旅』の名に
 相応しい内容です。

 本文は、
 小林さんの代名詞に等しい
 TV番組『ベストヒットUSA』に関するお話を中心に、

 第一章『ラジオで洋楽に目覚める』
 第二章『ラジオの世界へ足を踏み入れる』
 第三章『《ベストヒットUSA》は洋楽のための僕らの教科書だった』
 第四章『これまでに出会ったミュージシャンたち』
 第五章『DJ50年!
     洋楽の旅と英語の探求はまだ続く』

 と、濃ゆ~い語りがたっぷり♪

「ふむふむゥ! しゅッぱつてんはァ~…」
「ぐるるがるるる!」(←訳:ラジオなんだね!)

 洋楽の入り口になったのも、
 英語習得の入り口になったのも、
 ラジオ。

 小林さん、
 ラジオから流れてくる
 エルヴィス・プレスリーさんの曲が大好きで、
 毎日のように聴いていたせいか、
 米国南部の訛りがついてしまったほどでした。

「それはァ、つまりィ~…」
「がるぐるがる!」(←訳:芸は身を助く!)

 米国旅行を経験し、
 ラジオ番組のレギュラーになり、
 やがて、
 現在も続く洋楽番組のパイオニア
 『ベストヒットUSA』出演へ、と
 進んでゆく小林さんの“洋楽”歴は、
 20世紀後半の日本の、
 音楽史を重なります。

 ただし。
 小林さんの音楽史の上で、
 どうにも異色なのは……?

「これこれッ! これでスゥ!」
「ぐるるがっるるる!」(←訳:みんなビックリの!)

 《スネークマンショー》。

 1976年、
 小林さんと、桑原茂一さんが
 ユニットを組んで始めた《スネークマンショー》は、
 とても不思議な創作活動でした。

 ラジオドラマ、
 パロディにコント、
 ファッションショーの音楽、
 演劇、楽曲作り……
 いうなれば、
 日本版モンティパイソンみたいな?

「うひひッ!」
「がるる!」

 本文58ページの
 『スネークマンショーのこと』では、
 今まで知られていなかった
 ユニット結成秘話が
 詳しく明かされています。

 日本の洋楽、
 そして
 《スネークマンショー》。

 ↑このふたつが大好き!な方々に、
 英語好きな方々にもおすすめですし、
 洋楽スターさんたちの楽屋話も
 楽しく読めますよ。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ探してみてくださいね~♪


 

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~ 宇宙を《見る》 ~

2021-08-19 21:52:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おほしさまァ、きらりんッ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!銀河もきらり!)

 こんにちは、ネーさです。
 夜空を見上げれば、
 星座の位置も少しずつ秋の配置へ……?
 一番星の美しさに溜め息しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、宇宙の謎に挑む↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
     ―― 宇宙の奇跡を科学する ――



 著者は本間希樹(ほんま・まれき)さん、
 2021年3月に発行されました。
 或るニュースが世界を駆け巡ったのは、
 2019年4月のこと――

「だいィはッけんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:偉大な功績!)

 そのニュースとは、
 《ブラックホールの撮影に成功!》。

 著者・本間さんは、
 ブラックホール撮影に挑む
 国際的なチームの一員として奔走、
 日本でブラックホール画像が発表された折には
 スポークスマンの役どころを担いました。

 そもそも、本間さんの専門は、
 超高分解能電波観測による銀河系天文学、
 特に銀河系の構造研究と、
 巨大ブラックホールの研究者さんとして知られ、
 現在は
 巨大ブラックホールの事象を地平線スケールまで分解する
 EHT(Event Horizon Telescope)プロジェクトの
 日本側の責任者の任に就いておられます。

「むむむッ、それはァ~…」
「がるるるるる!」(←訳:難しそうです!)

 そうね、
 いわば理系の頂点に君臨しているのが本間さんで、
 では、この御本の内容も
 すっごく専門的なのかなぁ~と思ったら。

 んまあ♪
 わっかりやす~い♫♪

「えッ? ほんとォにィ??」
「ぐるる!」(←訳:本当だ!)

 この宇宙はいつ、どうやって、できたのか。
 私たち人類は、
 どうやってこの地球に生まれたのか。

 すべての科学者さんが
 求めてやまない答えに
 ぐいぐいせまってゆく本文は、

 第1章『宇宙の成り立ち』
 第2章『太陽系の不思議を探せ!』
 第3章『奇妙な天体《ブラックホール》』
 第4章『巨大ブラックホール発見までの道のり』
 第5章『ブラックホール撮影の裏側』
 第6章『これからの宇宙像と人類の未来』。

 第3章以降は、
 本間さんの本領である
 ブラックホール研究がメインになっています。

 でもね、
 これはスゴイ!
 と感心させられちゃったのは。

 第1章『宇宙の成り立ち』に於ける
 科学史の要約っぷりです。

「するするゥ~とォ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:滑らかな進み具合!)

 ニュートンさんが、
 アインシュタインさんが、
 法則化していった“宇宙の在り様“。

 その法則をめぐる歴史が
 とても解り易く記述されている第1章を
 じっくり読んでから第2章へ進むと、
 ブラックホールを理解する足掛かりが、
 そこに……!

「さいこうのォ、がいどぶッくゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:最上の入門書!)

 宇宙の中での、地球の“立ち位置”。
 地球の生命の、歴史と未来。
 
 理系ノンフィクション好きな活字マニアさんに、
 私ネーさのような理系苦手人間さんに、
 おすすめの一冊です。
 科学好きな少年少女諸氏も、ぜひ~♪
 

 
 
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~ 白夜の国へ、二度三度 ~

2021-08-18 23:42:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪どこかァとおくへェ~♪」
「がるる!ぐるるるがる~♪」(←訳:虎です!行きたいよう~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 緊急事態と自粛自粛で帰省もままならず、
 旅への憧れがいっそう募る
 2021年の夏……
 ならば、本日の読書タイムは、
 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♫

  



      ―― 考えごとしたい旅 ――



 著者は益田ミリさん、2020年12月に発行されました
 『フィンランドとシナモンロール』と
 副題が付されています。

「わほゥ! まんがァでスかッ?」
「ぐっるるがる?」(←訳:エッセイかな?)

 機智あふれるユーモアと
 ピリリと効かせたスパイス、
 そして何よりも
 やさしい眼差しのマンガとエッセイで
 人気の益田ミリさん。

 この御本は、
 旅のエッセイとイラストレーション、
 益田さんが御自身で撮影した写真で
 構成されています。

 題名の通り、
 益田さんの旅の目的地は――

「ほッくゥおうゥ~♫」
「がるるぐる~!」(←訳:白夜の国だ~!)

 本文は、
 1章『フィンランドの空の下で考えたこと 2017』
 2章『未来から今を懐かしむ 2018』
 3章『自分の直観を当てにして生きる 2019』。

 章題から推察するに、
 これはとっても哲学的かつシリアスな
 エッセイなのであろうか……と
 ビビッてしまいそうになりますが、
 ご安心ください、
 中心になっているのは、
 美味しいもののお話や、
 アートのお話ですよ。

「にづくりィしたらァ、しゅッぱつゥ!」
「ぐるる!」(←訳:空港へ!)

 フィンランドに行きたい。

 と元旦に願を立てた益田さん、
 本気でスケジュールを組みました。

 2017年の
 6月末から7月にかけての1週間、
 旅に出る!

 実は、益田さんにとって
 これが3度目のフィンランド旅行なのです。
 手慣れた、とまではゆかぬにしろ、
 入国手続きなどに
 手間取ることは殆どなくて。

「ぶじにィ、とうちゃくゥ!」
「がるるぐぅるるるる!」(←訳:ここがフィンランド!)

 ヘルシンキの街の
 有名なお店で、
 北欧好きな日本人観光客に混じってお買いもの。

 スーパーマーケットで
 日本にはない品物を探し。

 老舗カフェでは、 
 カフェオレとフルーツタルト。

「ひゃはッ♫ おいしそうゥ!」
「ぐるるがるぅるぅ~…」(←訳:北欧のカフェかぁ~…)

 一年後の、
 2018年の旅は、
 8月の終わりの頃。

 4度目ともなると、
 益田さんは腹を括ります。

 ガイドさんを頼むことをせず、
 全部、自分で。
 
 空港での手続き、
 ヘルシンキ郊外への旅も、
 自分でやっちゃおう!

「ふァ~…そんなにもォ~?」
「がぅるるるるるぐる?」(←訳:フィンランドが好き?)

 そして、
 2019年の旅は、
 12月初旬――クリスマスシーズンの旅です。

 スーツケースを取りそびれて
 慌てたりしたけれど、
 クリスマスマーケットで
 ドーナツを頬張ったり、
 独立記念日には
 ちょっと良いことがあったり。

「うむむッ! らッきィでスねッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:相性が良いんだ!)

 言葉が通じない異国であっても、
 何故か、相性がいい。
 その街を歩いていれば、
 元気が湧いてくる。
 迷い悩んでいた事柄からも、
 次第に解放されてゆく。

 気軽に海外を旅行することが
 不可能になってしまった現在からみれば、
 羨ましくも贅沢な、
 フィンランド独り旅。

 旅好きな方々は
 思わずため息してしまうこの御本は、
 北欧好きな活字マニアさんに、
 ムーミンのファンの方々にも
 おすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
 
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~ 夢まぼろしの、トワイライトタウン ~

2021-08-17 19:14:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 どろろォ~んッ!」
「がるる!ぐぅーるるるる!」(←訳:虎です!ヒュードロドロ!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏休みも後半になって、
 8月下旬の“名物”といえば
 ……《怪談》!
 という訳で、本日の読書タイムは、
 怖~いモノ続出の
 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
   ―― ゴーストタウン 冥界のホームズ ――



 著者は柳広司(やなぎ・こうじ)さん、
 原案は竹清仁(たけきよ・ひとし)さん、
 2021年7月に発行されました
 『Sherlock Holmes in the Ghost Town』と
 英語題名が付されています。

「ふァ? めいかいィ~…??」
「ぐーるるがるる??」(←訳:ゴーストタウン??)

 先日は『アンブレイカブル』を御紹介しましたし、
 《ジョーカーゲーム》シリーズで大人気の作家・柳さんが、
 あららららら?
 作風をがらりっとチェンジして、
 名探偵ホームズさんのパロディ作品に挑戦?
 
 しかも、それが……
 トンデモ系!?!

「ほほほッ、ほォーむずゥさんとォ、
 わとすんはかせェがッ!」
「がる~??」(←訳:転生~??)

 猛烈な頭痛の中、
 ジョン・H・ワトスン博士は
 目を覚ましました。

   ここは、ベーカー街221B、
   勝手知ったる我が下宿……じゃない?
   そっくりだけど、
   何かが違う?

   バイオリンを弾くホームズの姿も……
   え? ええ?
   ええええっ!

「ぎゃあああァ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:ドクロぉ!)

 これはいったいどうしたことか――
 ワトスン博士は目を疑います。

 ホームズさんの顔が、
 髑髏(どくろ)に?

 でもって、
 ワトスンさん自身も、
 黒犬に?

「げんかくゥでスかッ?」
「がるるぐるっる?」(←訳:何かのトリック?)

 面喰うワトスン博士に
 ホームズさんは説明します。

 ここは、死者の街(ゴーストタウン)。

 狼男や蛇女、
 吸血鬼、ドラゴン、
 さまざまな怪物たちが行き交う
 死後の世界……

「そうゥいわれてもォ!」
「ぐるる!」(←訳:怖いし!)

 おののき、困惑するワトスン博士とは反対に、
 ホームズさん上機嫌です。

 なぜなら、
 謎を抱えた依頼人たちが
 玄関前に行列を作っていて、
 整理券まで配られるほど。

 ここでの生活に退屈は無い。

 解くべき謎が
 数限りなくあるのなら、
 それはホームズさんにとって理想郷。

 ゴーストタウン大歓迎♪なのです。

「ふァ~…それはァ~…」
「がーるるるるぐるるる~」(←訳:ホームズさんらしいね~)

 ランナーズハイや
 クライマーズハイがあるように、
 現在のホームズさんは、
 クライムハイ状態。

 ワトスン博士は歓迎どころか、
 警戒心ばかりが膨らんでゆくのですが、
 案の定、
 異変が――
 いえ、事件が!

「むむゥ! やぱりィ!」
「ぐるるるがるる・」(←訳:アイツもここに?)

 ええ?
 これって本当に柳さんの作品?
 『アンブレイカブル』を書いた人がこれを??
 と仰天させられもしますが、
 黄泉の国の名探偵さんも
 なかなかに魅力的です。

 ファンタジーの妙味と、
 謎解きの愉しみと、
 ちょっとホラーなテイストも加えての、
 奇妙奇怪な異色作を、
 ホームズさんファンの皆さま、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
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~ 軽やかに、おとぎ話の音楽を ~

2021-08-16 23:45:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪たァらッたァ♪たッたッたッたァ~♪」
「がるる!ぐるっるっる~♪」(←訳:虎です!たらったった~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 特徴的なモチーフが流れてくれば、
 あれ? 聞いたことあるぞ、これ?
 と、思い当たる方々も多い20世紀の名曲といえば……
 はい、その答えは、
 ↓こちらの御本を、どうぞ~♫

  


 
    ―― 《ピーターと狼》の点と線 ――



 著者は菊間史織(きくま・しおり)さん、
 2021年7月に発行されました。
 『ソ連、おとぎ話、ディズニー映画』と
 副題が付されています。

「そうでスゥ! おおかみィ!」
「ぐるるがーるー!」(←訳:勇敢なピーター!)

 セルゲイ・プロコフィエフさん(1891~1953)による
 『ピーターと狼』は、
 ”こどものための作品”として
 1936年に誕生しました。

 フルートやオーボエ、
 クラリネット、ファゴット、
 ホルンなどが奏でる
 勇ましくも賢いピーターくんの冒険は、
 モスクワの児童劇場から、
 たちまち世界中へ、
 軽やかに旅立っていったのです。

「いちどォ、みみィにしたらァ~」
「がるぐるるぅる!」(←訳:すぐ憶えちゃう!)

 普段は落ち着きのない子どもたちも、
 夢中になって聴くことが出来てしまう
 全部で約25分の
 『ピーターと狼』。

 著者・菊間さんは、
 ファンタジックな物語の中に
 『ピーターと狼』が生まれた経緯と
 作曲家プロコフィエフさんの伝記を
 巧みに織り込みました。

 まずはこの着想に
 大拍手を贈りたいわ!

「ぱちぱちぱちィ!」
「ぐるるるるぅ!」(←訳:ワンダフルゥ!)

 シベリア鉄道に乗って、日本へ。
 福井県の敦賀港で、
 南米行きの船が出るまで2ヶ月待ち、
 サンフランシスコに到着。

 春に出発して、
 8月末までかかった大旅行の末、
 プロコフィエフさんは
 ようやっと米国の土を踏みました。

 そして、秋には
 ニューヨークでデビュー!

「めでたやッ♪」
「がるるるる~!」(←訳:おめでとう~!)

 音楽家として
 順風満帆の滑り出し?

 いえ、実は、
 プロコフィエフさんは
 或る願望を抱いていました。

 バレエ音楽……!

 ロシア・バレエ団(バレエ・リュス)の主宰者
 ディアギレフさんと、
 ロシア出身の作曲家ストラヴィンスキーさんは、
 プロコフィエフさんの憧れだったのです。

「うむむゥ! にあいィそうゥでス!」
「ぐるるるぅるるるるるがるる!」(←訳:プロコフィエフさんとバレエ!)

 当時の最先端の美術、衣装、デザイン。
 伝説のダンサーさんたち。

 バレエの世界は途轍もなく魅力的です……が、
 ちょうどその頃、
 米国では、また別種のアートが
 成長しつつありました。

 極彩色の絵が、動く……!
 音楽に合わせて、
 自由自在に、
 軽やかに……!

「あはァ! それはッ!」
「がるるーるぅる!」(←訳:アニメーション!)

 音楽を求めて、
 音楽と映画の幸福なマリアージュを求めて。

 第1章『ソ連』
 第2章『ヨーロッパ』
 第3章『アメリカ』
 
 と、音楽家プロコフィエフさんの長大な旅路を
 菊間さんは繋ぎ上げてゆきます。

 私ネーさ、
 プロコフィエフさんがこれほど深く
 バレエ・リュスに係わっていたとは
 まったく知りませんでしたので、
 驚きの連続でしたよ。

 バレエ・リュスの音楽家といったら、
 ストラヴィンスキーさんがあまり名高くて、
 目立っていたせいでしょうか……
 これからは
 プロコフィエフさんに
 もっと注目しなくては!

「あらためてェ、ききなおしたいィ~!」
「ぐーるーるる!」(←訳:ピーターと狼!)

 文字通り、
 “世界を股にかけて“
 活躍を遂げていたプロコフィエフさん。

 光の日々と、
 苦悩の影が差す後半生をも、
 著者・菊間さんは、
 しっかりと描き出します。
 
 20世紀史好きな活字マニアさんに、
 ディズニー作品好きな方々に、
 バレエ・リュス愛好家の方々に、
 おすすめの力作ですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいな~♪
 
 

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~ 風雲に怖じず ~

2021-08-15 23:27:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわわうゥ! ひなんッじょうほうゥ??」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!怖いよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日8月15日は、ここ東京・八王子市も豪雨に襲われ、
 大変な一日となりました……
 ようやく雨足が静まってきたところで、
 気持ちを落ち着かせるためにも、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― 新選組 滅びの美学 ――



 中央公論新社MOOKより、2021年1月に発行されました。
 オリンピックのため休止となっていた
 大河ドラマ『青天を衝け』が放送再開を祝し、
 ドラマ内でも見せ場をさらった
 《新選組》さんに登場していただきましょう♪

「こんどうゥさァ~んッ!」
「ぐるが~る!」(←訳:土方さ~ん!)

 新選組――
 
 “人斬り集団”などとも呼ばれ、
 蔑まれ、嘲られたこともありましたけれども、
 風向きが変わったのは
 司馬遼太郎さん著『燃えよ剣』が
 世に出た1972年頃からでしょうか。

 以来、
 《新選組》への嫌悪感は薄れ、
 数多の映画、ドラマ、小説、コミックなどでも、
 共鳴&共感をもって
 隊士さんたちの姿が描かれるようになったのは、
 私たち多摩っ子にとっては
 嬉しい限りです。

「おきたァさんもッ!」
「がるるるる!」(←訳:山南さんも!)

 この御本では、
 組織としての体制が整い、
 京都での活動を強化していった時期以降の
 《新選組》の歴史が紹介されています。

 いやーそれにしても、
 幕末の資料って
 けっこう残っているのねえ。

 資料をもとに作成された
 池田屋襲撃ルート図とか、
 金門の変の攻防MAPとか、
 よくぞここまで解析を、と
 私ネーさ、感心してしまいました。

 あ、写真資料はね、
 さすがに限定的ですけれど……。

「あのォゆうめいィなァ~!」
「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:土方さんの肖像写真!)

 本文は、

 第1章『京都の新選組 十五大事件』
 第2章『新選組大解剖』
 第3章『落日の新選組』
 第4章『幕末史』

 という構成で、
 ああ、第3章から後……
 近藤さんを喪った土方さんの、
 孤軍奮闘とも言える北上の日々が
 読んでいてつらい……。

「おいつめェられるゥ~!」
「がるぐる……!」(←訳:戦況不利……!)

 歴史にIF(もしも)はない、
 とされるものの、
 想像せずにはいられません。

 もしも、幕府が倒れなかったら?

 将軍慶喜の下、
 直属警備隊としてか、
 徳川の軍組織の一員としてか、
 《新選組》は存続していったのか。

 新たな政治体制の中で、
 彼らの軍事能力が
 活かされる日が来ただろうか。

「むむゥ! それはァ~…」
「ぐるるるがる!」(←訳:解答不能です!)

 好奇心とイマジネーションを
 きりきりっと刺激されるMOOK本は、
 図版資料が多いためでしょうか、
 文章中心のノンフィクション本よりも
 全体像を理解しやすいかもしれません。

 《新選組》好きな方々、
 歴史マニアさん、
 そして『青天を衝け』ファンの方々に
 おすすめの一冊ですよ。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 

 
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~ 諸侯と名馬、千里をゆく ~

2021-08-14 23:12:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 そろそろォ~しあげちゃいましょうゥ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!宿題各種!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏休みも残りは半月と少し?な少年少女さん、
 そして、
 いやもう夏休みなんてほぼ無いから!な大人さん、
 両世代のための週末の読書タイムは、
 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
        ―― 三国志 ――



 作者は羅貫中(らかんちゅう)さん、
 編訳は柴田勝茂(しばた・かつも)さん、
 絵は野間与太郎(のま・よたろう)さん、
 2021年6月に発行されました。
 《10歳までに読みたい世界名作》シリーズの第30巻です。

「わかりやすさッ、ゆうせんッ!」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:読みやすさも重要!)

 はい、そうです。
 小学生さんのために編まれた御本は、
 三国志マニアさんには
 大いに物足りないでしょうけれど、
 初心者の私ネーさには
 まさに天佑!

 コミック作品『パリピ孔明』の
 新作をご紹介するたびに、
 ……三国志を勉強しなくちゃ!
 でも、どうやって……?
 と悩んでいたのですが。

「これがァあればァ、だいじょうぶゥでスゥ!」
「がるぐる!」(←訳:地図つき!)
「ふりがなァ、ついてまス!」

 ルビ完備!
 カラーイラスト、人物相関図、
 武器の説明図や、
 豆知識、注釈も!
 という懇切丁寧な構成で、
 《三国志》の世界へ、
 するすると入ってゆけますよ。

 本文の始まりは、
 そう、もちろん
 『桃園のちかい』から!

「むかァ~しィむかしィ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:1800年前!)

 劉備(りゅうび)さん、
 張飛(ちょうひ)さん、
 関羽(かんう)さん。

 張飛さんの家の裏にある桃の林で、
 義兄弟の誓いを交わした3人は、
 乱れた国を救うため、
 武器をとって立ち上がります。

 この御本では、

 『黄巾(こうきん)の乱』
 『汜水関(しすいかん)のたたかい』
 『官渡(かんと)のたたかい』
 『赤壁(せきへき)のたたかい』

 という4つの闘いを中心に、
 三国が並びたつ様子が
 描かれてゆきますよ。

「たたかいィとォいうよりィ~…」
「がるるぐる!」(←訳:壮大な喧嘩?)

 天の時、
 地の利、
 人の和。

 天が与えてくれた好機を逃さず、
 戦場ではアドヴァンテージを握り、
 人材を活かす。

 劉備さんの蜀(しょく)に対抗する
 曹操(そうそう)さんの魏(ぎ)、
 孫権(そんけん)さんの呉(ご)。

 リーダーたちの周りには、
 きらめく遊星のように、
 個性派ゆたかな破天荒キャラさんたちが
 続々と集結してゆき――

「あッ、いたいたッ!」
「ぐるが~る!」(←訳:孔明さ~ん!)

 無双の武将・呂布(りょふ)さん、
 水軍を率いる周瑜(しゅうゆ)さん、
 軍師・孔明さん。

 私ネーさが気になったのは、
 天下の名馬・赤兎馬(せきとば)くん。
 
 一日に千里を走る駿足ぶりに、
 武将さんたちも
 うっとり♫

「せきとばァくゥ~んッ!」
「がるるぐるる~?」(←訳:今頃はどこに~?)

 劉備さん曹操さん孫権さんの、
 周瑜さん孔明さんの、
 はたまた赤兎馬くんの、
 ”その後“は?

 《三国志》入門にうってつけの一冊は、
 大人&キッズ諸氏におすすめです。
 ステイホームなお盆休みの、
 読書リストに、ぜひ♪
 
 
  
 
 
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~ 出口は、白と黒 ~

2021-08-13 22:30:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ~…もうゥいくつゥねるとォ~」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!新年よ来い~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2021年はたいへんな出来事が多過ぎて、
 福々しい新年がササッと来てくれないかしら?
 と夢想してしまいますね。
 いや、せめて穏やかな秋が来てくれれば……
 などと願いつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― クイーンズ・ギャンビット ――



 著者はウォルター・テヴィスさん、
 原著は1983年に、
 画像の日本語版は2021年7月に発行されました。
 英語原題は『THE QUEEN'S GAMBIT』、
 Netflixで大ヒットとなった同名ドラマ作品の
 原作小説です。

「すんごいィ~めぢからッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:CGみたいだ!)

 ええ、そうなのようね、
 ドラマの宣伝用画像を目にしたとき、
 私ネーさも息を呑みましたよ。

 なんという顔立ちの女優さんでしょう!
 CGみたいな大きな瞳だけれど、
 もちろん、生身の俳優さんよね?
 いったいどんな物語の、
 どんな役どころなんでしょうか……?

「それはァ、ごらんのォとおりィ~」
「がぅる!」(←訳:チェス!)

 8歳の少女、
 エリザベス・ハーモンさん――
 通称ベスさんは、
 交通事故で母を喪いました。

 家を失った彼女の行き場は、
 孤児院しか有りません。
 言うまでもなく、そこは、
 楽園などではなく。

「つらいィことばかりィ~…」
「ぐるるがるる……」(←訳:毎日が苦しい……)

 『小公女』のセーラさんは、
 帰って来た父親によって
 救い出されました。

 が、ベスさんには、
 彼女を救いに来てくれる父親はいません。

 代わりに
 彼女を救ってくれるのは。

 チェス。

「べんきょうゥしたのでス!」
「がるるるる!」(←訳:全身全霊で!)

 孤児院の地下にあるボイラー室で、
 用務員のシャイベルさんから
 チェスの初歩を教わり、
 すっかりチェスの虜となったベスさん。

 チェス好きが高じて、
 孤児院の教師たちと
 ひと悶着おこしたりしますが、
 そうこうするうち、
 チャンスが……!

「あらわれェましたよゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:里親さん!)

 幸いにも、
 ベスさんはウィートリー夫人のもとへ
 引き取られ、
 孤児院からの”脱出”が叶いました。

 いえ、叶ったと思ったのですけれど。

 ウィートリー夫人の興味は、
 ベスさん個人に向けられたものでは
 なかったようです。

 夫人の興味は、
 孤児の里親になったことで
 政府から支給される金銭……?

「あううゥ~…!」
「がるぐる……!」(←訳:出口なし……!)

 出口は、あります。

 チェス。

 白と黒の小さな駒たちが、
 ベスさんに囁きます。

 地区チャンピオンに。
 州のチャンピオンに。
 そして、全米選手権をも勝ち抜いたら。

「さらにィ~おおぶたいィ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:欧州王者と決戦!)

 冷戦の只中、
 女性がチェスをするなど
 まったく歓迎されぬ時代、
 キングに、
 クイーンに、
 ルークやビショップたちに導かれ、
 ベスさんが辿り着く場所は。

 主演女優アニャ・テイラー=ジョイさんに、
 まさか37年後にドラマ化されて
 世界配信されることになろうとは
 予想もしなかった?原作者テヴィスさんに、
 心から拍手を送りたくなる一冊です。

 ドラマファンの方々も、
 チェス好きな方々も、
 ぜひ手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 夏こそ、深山幽谷を ~

2021-08-12 22:25:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なつかしのォ、ほォーむずゥさんッ!」
「がるる!ぐるっるる~!」(←訳:虎です!始まったよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日8月11日夜9時からBSプレミアムにて
 グラナダTV版『シャーロック・ホームズの冒険』が
 放送開始となりました♪
 来週の『踊る人形』も楽しみにしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
      ―― 聖地と日本人 ――



 著者は小松和彦(こまつ・かずひこ)さん、
 2021年3月に発行されました。
 今はちょうど
 お盆シーズンに当たりますものの……。

「ことしもォ、またァ~」
「ぐるるる?」(←訳:帰れない?)

 そうですねえ……
 去年、そして今年2021年もまた、
 自由な帰省旅行は難しい状況となっています。

 こんなときは、
 《聖地》と呼ばれ、
 古代の日本人が特別視した場所へ、
 紙上旅行をしてみましょう。

「たとえばァ~…くらまやまッ?」
「がるぐる?」(←訳:なぜ鞍馬?)

 この御本の中で
 著者・小松さんが取り上げているのは、
 《能楽》
 《謡曲》
 の舞台となった24の場所です。

 プロローグに続いての、
 本文の一番手で紹介されているのは、

 『鞍馬・僧正ヶ谷』。

 鞍馬山(くらまやま)と聞けば、
 牛若丸伝説ゆかりの地、ですよね。

「ふァいッ! ひるゥなおォくらいィ~」
「ぐるるるるがる!」(←訳:天狗さんのお山!)

 同じく天狗さまの住処として知られる
 『愛宕山』。

 或いは、
 酒呑童子の隠れ家とされる
 『大江山・千丈ヶ獄』。

 魔物ではなくて
 神仙の気配がするのは、

 湖に浮かぶ『竹生島』。
 
 桜の名所『吉野』。

 死と再生の霊地『熊野』。

「うわわッ? あれはッ!」
「がるるる~!」(←訳:逃げよう~!)

 鬼が旅人を罠にかける
 『安達ケ原』。

 安珍と清姫の物語は、
 『日高川』。

「ききおぼえェ~ありまスゥ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:名場面ありありと!)

 ”あちら側”につながっていそうな、
 深山幽谷。

 ”あちら側”への扉が隠されていそうな、
 奇岩奇景。

 それは、
 《奥》
 でると、小松さんは指摘します。

 《奥》には果てがなく、
 どこまでも深い。

「にんげんはァ、そういうゥところにィ~」
「がるるるるるるぅる!」(←訳:惹きつけられちゃう!)

 《聖地》という、
 定義しやすそうでいて、
 実に捉えにくいもの。

 お盆の季節に、
 ふっと想像してみたり、
 記憶をさかのぼってみるきっかけにもなりそうな
 歴史ノンフィクション作品です。

 日本史好きな活字マニアさんに
 特におすすめですので、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 


 
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