我坂出市が瀬戸大橋以前に知られていたことに塩田があります。私の子供の頃には第1359回や第2921回でも書いた竹でできた枝条架(しじょうか)があちこちにありました。それが塩田と言うものだと当たり前のように思っていましたが何時の間にか消え跡地は住宅街などに変わってしまいました。今や昔の塩田の面影は殆ど見ることは出来ません。
参考:たばこと塩の博物館 → 流下式塩田
サイト巡りでその懐かしい枝条架に出会いました。なんと全く別の用途で復活していたのです。
エコと好感度の一石二鳥!竹でできた“ある装置”とは(08/12/18)
・・・略
別府の湯は熱い!源泉の温度が100℃を超える温泉が14ヵ所もある。沸騰状態で湧く源泉を“いい湯加減”の42℃付近まで冷ますことは意外と厄介だ。湯ざましをウッカリ作り忘れた晩に、沸騰したヤカンの湯で赤ちゃんのミルクを作るのは大変でしょう?・・・中略
恐らく、高価な素材を使って対策を万全に行えば、熱エネルギーは回収できるだろう。実際、それに適した泉質や条件の温泉地もある。しかし、多くの場合は製造時のCO2排出や使用エネルギーは莫大なものになる。コストも考えれば、地熱発電所のような大型プロジェクトでは成り立っても、個々の温泉施設での熱回収は未だ現実的ではないと考えられる。
では、と開き直って、熱い温泉に水道水を混ぜれば良いか?蛇口から水ジャージャーでは温泉の効能を目当てに来てくれたお客さんの好感度も下がる。水道代も大変だし、エコにも良くない。悩んだ温泉経営者たちが思い至ったのは、竹で作られた「塩田」だった。
塩田と聞くと、砂浜を区画に分け、海水を散布して水分を蒸発させる「入浜式塩田(いりはましきえんでん)」をイメージする。しかし、昭和20年代に技術革新が起こった。ポンプアップした海水を、屋根状に組んだ竹枝にしたたり落として「雨」を降らせ、水分を蒸発させる「流下式塩田(りゅうかしきえんでん)」がその後20年間ほど、日本中を席巻したのである。
見てのとおり、無数の水滴にすることで表面積を増やし、蒸発しやすくして海水中の塩分を高めるシンプルな構造である。写真を見た瞬間、温泉経営者と私は「これだ!」と叫んでいた。
水分が蒸発する際には「気化熱」が大量に奪われる。この塩田装置は、そのまま温泉の冷却装置になり得る!しかも竹製だから腐食やスケール付着にも強い。加えて、かつて数十年、日本各地の海岸で目にしていたノスタルジーをも演出できる。温泉は、無味乾燥な工場やビルの屋上とは違う。プラスチック製や金属製のクーリングタワーにはない、癒しを感じられる空間に最適の温泉冷却装置が実現できる!・・・以下略
面白いものですね。用途を終え市場から消えていたものが新たな使い道を見つけて復活するなんて、なんだか昨日まで書いた私の座椅子を思い浮かべてしまいました。
それにしても、あの毎日の生活の中で当たり前のように目にしていた枝条架を又目にすることができればきっと懐かしさにこみ上げるものがありそうです。
しかし、50年くらい前の生活を思い出せば今から目指すべき省エネ生活のヒントになりそうなものが沢山ありそうな気がします。
つまりは、ここ50年くらいで人間の生活が有り余るエネルギーを好きなだけ消費するという人類史上かってない異常な時代を経験したと言っても良いのじゃないでしょうか。だから、その当時の生活を知っている我々以上の歳の人間が生きている間にもう一度行き過ぎた生活を元に戻すチャンスがありそうな気がします。
この機会を逃せばそんな生活をしたことのない人達には想像も付かないでしょうから。
最後のチャンスかも!