第3320回などで取り上げた直流ハウスの動きが本物になりそうな動きが出てきているようです。
(2)クリーンエネルギーの有効活用
地球環境保護の問題,燃料費高騰の観点から,太陽光発電や燃料電池など,クリーンエネルギーによる分散電源の普及が進んでいる。2006年度末で,日本における太陽光発電の累計導入量は,1708メガワットに達する。それらの太陽光発電を電力会社の送電網と系統連系する場合,通常は太陽光発電から出力されるDC電圧をAC電圧に変換し,各機器へ給電する必要がある。
ところがDC対応のIT機器が普及すれば,太陽光発電からの出力をDCのままIT機器へ入力することが可能になり,変換ロスを大幅に削減できるとともに,信頼性も向上する。クリーンエネルギーの普及と機器のDC化対応とは,一体化して取り組むべき省エネ対策である。・・・中略
直流からスタートした電力供給の歴史は,長い交流の時代を経て,今また,地球環境保護が重要視される中,直流へ回帰しようとしている。エジソンの主張は正しかったのか──証明される日は近いかもしれない。
あのパナソニックも動き出したようです。
知っていますか?直流給電への取り組み 2008/12/24 09:20
電力を直流で機器に供給する,いわゆる「直流給電」に注目が集まっています。テレビやパソコン,電話機,プリンター,携帯電話機,ゲーム機,携帯型音楽プレーヤーなど我々の身の回りにある機器は,実は直流で駆動するものばかりです。しかも,最近では洗濯機やエアコン,蛍光灯などの機器もインバータを搭載しているため,これらの機器でも交流を一度直流に変換し,その後,高周波の交流に変調しています。
そこで,現状の交流ではなく,直流で機器に給電し,交流から直流,あるいは直流から交流といったAC-DC変換の回数を減らして変換ロスを低減しようとしているのが直流給電です。今,この直流給電に対する取り組みがデータ・センターや家庭,工場,店舗など,さまざまな分野で加速しています。・・・中略
つまり,系統からの電力は3回も交流と直流との変換を繰り返すため,仮に変換効率が90%あったとしても,この3回の変換だけで約27%の電力を損失してしまうことになるわけです。これを直流で給電すれば,大きな効果が生まれます。系統電力の供給口で,変換効率90%以上のAC-DCコンバータで一括変換し,蓄電池と機器で利用すれば,変換ロスを大幅に削減できます。実際,データ・センター関連企業では電力消費を1~2割程度は削減できるとみています。
パナソニックも動き出す?
家庭に向けた直流給電システムも盛り上がりを見せています。2008年9月30日~10月4日に開催された「CEATEC JAPAN 2008」ではシャープやTDKが,太陽電池と蓄電池を組み合わせ,直流で家庭内に給電する「直流ハウス」のコンセプトを相次いで披露しました。
そして,パナソニックも虎視眈々とこの分野に参入しようとしているようです。同社は2008年12月19日に三洋電機と業務・資本提携することが決まりました(関連記事)。その緊急会見で,パナソニック代表取締役社長の大坪文雄氏は「家まるごと,ビルまるごとを管理し,テレビを使ってエネルギーの最適な調整ができるようにしたい」との見解を示しました。
パナソニックが持つ燃料電池と三洋電機が持つ太陽電池といった「創エネ」と,両社が強みとするLiイオン2次電池などの「蓄エネ」,そしてデジタル機器や家電,部品などで培った「省エネ」を組み合わせ,エネルギー・マネージメントで比類なき企業を目指すとしています。必ずや直流給電システムにも踏み込んで来るはずです。
実際,パナソニック・グループであるパナソニック電工は,直流と交流の両方を給電できるハイブリッド給電盤を2010年に市販することを明らかにしており,家庭に向けた直流給電システムの開発が活発化しています。・・・以下略
これは待ち遠しいですね。我が家の太陽光発電の動画でもわかるように、我が家の5.5KWの太陽光発電でも瞬間最大の発電でも4KWを超える程度です。つまりパワーコンディショナーによる直流から交流への変換による損失などでその能力の8割も発揮していないのです。
これが発電した直流のまま使えるとなると損失はかなり少なくなるのじゃないでしょうか。ただでさえ変換効率の良くない太陽電池ですから少しでも有効に使いたいものです。
期待します!