団塊の世代のつぶやき

誇れる日本を取り戻そう

温かい社会

2009年02月18日 | グローバリズム

  第3428回26日)の悲観論で人に優しい経済をつくりあげれば日本の再生もまだ間に合うのではないかと書きましたが、プロの中にもそんな事を言い出す人が出てきたようです。

  11日、読売新聞 コラム 「論点スペシャル」より

 早くから構造改革の必要性を訴えてきた経済学者の中谷巖氏が、「転向」したとして話題をよんでいる。昨年12月に出版した著書の中で「『構造改革』だけで人は幸せにならない。『功』よりも『罪』のほうが大きくなってきている」と、長年の主張を軌道修正したからだ。小泉構造改革の旗振り役となったことへ自戒を込めて、世界に様々な矛盾を引き起こしたグローバル資本主義の問題点について寄稿してもらった。

 ・・・略

 問題なのは日本だ。

 「平等社会」と言われてきた日本も先進国の中ではアメリカに次ぐ「貧困大国」になってしまった。正確に言えば、所得税や社会保障給付など、国による所得再配分が行われた後の「貧困率」(中位所得者の所得の半分以下しか稼げないヒん構想の比率)でみると、日本はアメリカに次いで世界のワースト2位だ。貧困率でみるとアメリカが17・1%、日本が14・9%。社会保障が行き届いている北欧諸国はわずか5~6%にすぎない。

 非正規社員の急増など、日本はもはや「平等社会」ではなくなった。その結果、日本社会は分断され、この社会が本来持っていた「一体感」「温かさ」「安心・安全」、「人のきずな」や「信頼関係」が棄損され、人々の孤立が目立つようになった。長期的な目で見ると、日本にとって極めて大きな損失だと思う。

 第三の「地球環境破壊」もグローバル資本主義によるところが大きい。なぜなら、規制が厳しくなれば、グローバル資本は規制の緩やかな地域に投資先を変えるため、地球全体では環境破壊は加速するからだ。グローバル資本主義に一定の歯止めをかけない限り、急速に進行中の地球環境破壊を止めることはできそうもない。

 世界は今、大不況からどうやって脱出するかに全力をあげている。それが極めて重要な政策課題であることは間違いないが、もっと本質的なのは、グローバル資本という「モンスター」にこれからどうやって鎖をつけるのかということだろう。

 グローバル資本のさらなる自由を求める「新自由主義」を推進するだけでは、金融危機も、格差拡大も、社会の棄損も、地球環境破壊も止まらない。とりわけ、貧困大国となった日本社会をもう一度「一体感」のある温かい社会に戻すには何が必要なのか。このことこそ、われわれが今、真剣に問い直されなければならない喫緊の課題なのではないだろうか。

  良いですね、誤魔化したり、無視したり、無理やり理由付けをする人達が殆どの中で、私は間違っていたと素直に認め警鐘を鳴らすのは勇気がいるでしょう。
  それに比べて、小泉さんや竹中さんのように自分の間違いを認めず平然としている人達は本当に反省していないのかそれとも分かっていながら糊塗しているのか。確かに、今更間違いを認めるのは大変でしょうが、未来の日本のことを考えたら素直に反省してもらいたいものです。その方が、最後には評価されることになるはずです。
  この期に及んで正しかったと言い張るより、早く元に戻すことに力を発揮して欲しいものです。

それが誠意というものでしょう!