日文研学術講演会に行ってきました。お目当ては、呉座勇一氏の『応仁の乱』。近鉄、地下鉄、阪急、バスと乗り継いで2時間半。京都西北、山近い環境の良い素晴らしい会場に、熱心な歴史ファンが集まり、学術専門家のお話を聴きました。最初の大塚英志氏『柳田國男と日本国憲法』は、柳田國男の民俗学は、ロマン主義と公民の二つがあり、日本の固有信仰と歴史社会の公共性の双極を強調されていましたが、それが、憲法とどうつながるのかはもう少し資料を読まないと理解できません。勉強不足の当方にとっては難解でした。次の呉座勇一氏の『内藤湖南、応仁の乱を論じる』は、大正10年、内藤湖南(東洋学者)史学地理学同攷会講演の内容に対して、呉座氏の疑問を論じたものでした。日本の歴史は、応仁の乱以降の歴史を知ればよいといった湖南。世の中の秩序体制を変革させた下剋上は、実は、応仁の乱80年後であると呉座氏。といった風に、表層だけの歴史知識だけでは、本当の意味での歴史(社会構造体制・人々の暮らし)を理解したとは言えない等々、本日の講演では幾つかの新たな刺激をいただきました。ある意味で、今自分が行っていることに関する一つの変革ヒントになるかもしれないという思いもしました。お二人の学者が論じる中には、現在の政治・教育に関する批判や主張も隠されているということも付け加えたく思いました。
※国際日本文化研究センター(日文研)は、日本の文化・歴史を国際的な連携・協力の下で研究するとともに、世界の日本研究者を支援する、国の交付金によって運営されている大学共同利用機関。総合大学院大学(博士課程の教育機関)の25名が研究されているという。




※国際日本文化研究センター(日文研)は、日本の文化・歴史を国際的な連携・協力の下で研究するとともに、世界の日本研究者を支援する、国の交付金によって運営されている大学共同利用機関。総合大学院大学(博士課程の教育機関)の25名が研究されているという。




