26日㈪、午後から奈良国立博物館にて、国指定重要文化財「髹漆卓」(岩王寺蔵)の撮影を行った。昨年度に引き続き「綾部 森の寺 海外発信プロジェクト」を展開しており、今年度は岩王寺(綾部市七百石町)や舞鶴市の二つの寺院が所蔵する文化財を文化庁の「文化財多言語解説整備事業」の助成を受けて、世界に発信するための取り組みを進めている。
岩王寺の松井真海住職と同プロジェクトの役員である小林勝さんと共に綾部から出向いて、技術的な部分を担っていただいている㈱ギアチェンジの加藤洋さんや撮影スタッフと現地で合流した。
「髹漆卓」は永享4年(1432年)の銘が入っており、室町時代から本尊の前に置く台として使用されていたもので、大正14年に国指定重要文化財となっている。寺では管理が難しいため、奈良国立博物館に預けられている。
照明を当て、プロカメラマンによって様々な方向からの撮影が行われた。上板の裏側に銘文が入っているが、ひっくり返すわけにはいかないため、撮影に苦労しておられた。
3Dカメラでも撮影がなされたが、彫刻のすき間があり、撮影しにくいようだった。
結構、重量感はあるそうだ。実物に触れられるのは住職と学芸員の人達だけだ。
こういった「お宝」をデジタル技術で拝観しやすくして、多言語化することによって幅広い世界の人達に京都の「森の寺」を楽しみに来てほしい。