23日㈪、秋分の日の祝日。一昨日まで35度あったのに、一気に秋の気候に変わった。
10時半に綾部駅にて、劇団ふぁんハウスの平野恒雄代表と中心メンバーのますだゆみさん、鈴木千秋さんをお迎えした。ますださん、鈴木さんのお二人は主役を演じつつ、業者との交渉や会計の責任者でもあるそうだ。
綾部側は7月に一緒に東京の板橋公演を観劇した後藤光市議、万事屋山さんの山下哲也社長と花形文化劇場の小嶋匠さんに来てもらった。
まずは中丹文化会館に行き、職員の井田康史さんと大ざっぱな予算やスケジュール、課題点等の打ち合わせ。舞台や楽屋も見せていただいた。
劇団ふぁんハウスの最新作が東京近郊の老人ホームと綾部市の架空の居酒屋と中丹文化会館を舞台にした【ふたりのゆめ】という作品で、これをぜひ綾部で上演したいと考えている。
7月頃から水面下での打ち合わせを始めており、今日は舞台や会場のこと、予算のこと、大道具や小道具のこと、宿泊のことなどの相談を顔を合わせてするために東京からお越しいただいた。
劇団ふぁんハウスの皆さんにとっては「憧れの舞台・中丹文化会館」で、それはこの作品を観ていただければ、なぜか分かるはずだ。
誰一人、綾部出身者がいるわけでもなく、綾部に来たことのある人はもちろん、地名を知っていた人もほとんどいなかった劇団ふぁんハウスの皆さんがなぜ?綾部を舞台にした演劇を作られたのか?不思議な縁が創り出した作品だ。
私はたまたま劇団員の方々が昨年11月23日に「綾部視察旅行」に来られていたのをX(旧Twitter)で見て、それをリポストした縁で昨年の大晦日に竹本和弘さんという劇団俳優さんからXのDM(ダイレクトメール)でそういう演劇があることを教えてもらった。
手帳を見ると麻布公演の日が偶然にも東京に行く予定と合致したので、運命的なものを感じて1月に麻布区民ホールで【ふたりのゆめ】を観劇した。
これを観て、この劇団ふぁんハウスの皆さんから「綾部愛」を感じ、綾部人として大きな衝撃を受けた。「これは綾部の中丹文化会館で演じてもらわないといけない」と強く感じた。
その後、劇団の方々と連絡を取り合い、7月の板橋公演は東京在住の綾部出身者などにも呼びかけて、多くの綾部関係者にもご覧いただいた。弟・耕治も「ぜひ、綾部でやるべきだ!」とお盆に帰省した際に強く言っていた。
最近、綾部で演劇の公演がほとんどないので、劇団の皆さんには公演本番だけでなく、通年で演劇や脚本、大道具制作などのワークショップを綾部で開催してもらえないか?と思っている。
演劇や俳優、声優、裏方などに興味のある方、公演をボランティアで手伝っていただける方があれば、一緒に企画しませんか?ご連絡お待ちしております。
中丹文化会館での打ち合わせの後は、昼ご飯をゆらり由良川店で食べながら、綾部の協力者の方々と劇団の方々とで打ち合わせ。
大道具は東京で制作して綾部で運ぶと高いので、綾部で何とか制作できないかと匠さんに相談している。東京の大道具責任者の方は30代の女性だそうだが、技術を持った方と綾部の業者が連携することで、今後、こういった舞台セットの仕事を大工さんなどの副業として地元制作できるようにならないかとも考えている。
今の予算だと交通費や宿泊費が劇団の皆さんの自腹となるのだが、「それでも構わない。私たちは綾部の中丹文化会館で、ぜひ【ふたりのゆめ】を演じたい」とおっしゃっていただいている。
我々はその綾部に対する熱い想いに応えなければならないので、チケットを最低目標を超えて販売することと、宿泊費をできるだけ安くするために、寺泊をしている正暦寺の玉川弘信住職に相談している。
昼食後は正暦寺をご案内した。
劇団の方々は御朱印用の黒谷和紙を見つけられ、「実はお客さんで『これは綾部の紙だ』と銀座で買ってくださった方があり、板橋公演の小道具には黒谷和紙を使っていたんです」と。
正暦寺の後は大本本部をご案内した。長生殿の前あたりで、急に強い雨が降ってきたので、慌てて神殿に入り、長生殿と老松殿をお参りした。
お参りを終えると青空が広がっており、大本の神様も劇団ふぁんハウスの皆さんに挨拶に来るようにと呼んでおられたのかもしれない。
続いては綾部市の市街地が一望できる紫水ヶ丘公園へ。
【ふたりのゆめ】のチラシのイラストは東京のイラストレーターが綾部の資料を観ながら書かれたそうだが、綾部市民ならそれが紫水ヶ丘公園からの風景だと分かる。
大本の御神体である本宮山(鶴山)に神々しい光が降りていた。寺山(藤山)、四ツ尾山もよく見えた。
最後はグンゼスクウェアへご案内し、閉館時間が迫っていたので創業蔵だけを足早に説明した。グンゼ創業者の波多野鶴吉翁の足跡やグンゼ創業期のエピソードなどをお話した。
創業蔵の説明の後は、あやべ特産館でお茶を飲んで休憩。宇治茶と綾部茶の関係なども説明した。
帰りの17時の電車までわずかしか時間がなかったが、「良かったらお土産でも」とお勧めし、綾部のお菓子などを買っておられた。私からは綾部紡績のハンドタオルをプレゼントした。
たまたま綾部観光協会の平野正明会長がおられたのでご紹介した。5月の観光協会の総会の来賓挨拶では、この演劇のことを話していた。
劇団ふぁんハウスの方々はプロの俳優さんではなく、仕事を持ちながら演劇に取り組んでおられる。時には映画に出演したり、演技指導で協力もされているそうだが、演劇で食べているという訳ではないのに、休みの日と交通費を使って、わざわざ綾部まで来て下さった。
これからも交流を深めながら、約1年後の【ふたりのゆめ】綾部公演を成功させたい。詳しい日程などが発表できるのは年明けになると思いますが、おいおい情報は出していきますし、演劇の実行委員会にご協力いただける方は、ぜひお声がけください。
もちろん観に来ていただくだけでも結構です。よろしくお願いします。