終点の営業所前ターミナルまで、あとバス停3つくらいになった時… 車内からおばさんの話し声が聞こえてきたのだが、私は何となく「近所のおばさん同士の会話だな」と思っていた。なぜ、そう思ってしまったのかは分からないが…
そして、最後のバス停を通過して… その時、おばさんの「今、23分だから… うん、25分のに乗れるから…」という声が聞こえてきたのである。私は「もう終点に到着するし… こんなところで注意しても意味が… クッソ~!」と思った。
すると、神の助けか悪魔の仕業か… バス専用ターミナルの入口に1台のマイカーが止まっていたのである。これまでにも、そのようなマイカーを何度も見たけれど、みんな“人の乗り降り”だけですぐに出て行ったので「今回もそうだろう」と思っていたのだが…
その車には“人の乗り降り”どころか、動く気配がなかったのである。私が右ウインカーを出すと、そのドライバーが私の顔を見て車をバックさせ… 始めたように見えたけれど、それは気のせいだったようだ。私は「クラクションを鳴らすなって言われてるし… もう少し様子を見よう」と思った。
が、その車のドライバーは相当××なのか、安心したように居座り続けたのである。さすがに私も「これ以上は付き合ってられない!」と思ってクラクションを鳴らした。すると、その車のドライバーは慌てたようにバックで車道へ出てから走り去った…
それからバスをゆっくりとターミナルに進入させると、オバサンが「あのバス、あのバス」と言いながら席を立ち… 扉が開くと同時に飛び出したのだが… お目当てのバスは無情にもブォ~ンと出て行ってしまった。
もしも、あのマイカーがいなければ間に合ったのに… ターミナルの入口を完全に塞いで居座るマイカーなんて滅多にいないのに… オバサン! やっぱり神様はちゃんと見ているんだよ! ハハハ… えっ!? そういうオマエは他人のことを笑えるのかって? はいはい、どうせ私の背後には悪魔か妖怪か怪獣か宇宙人か… そんなもんですよ。ハハハ…