バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

別名・孤独席?

2012年09月25日 18時32分22秒 | バス運転士
始発地点の某駅で10名ほどの乗車があり、その中に父・母・娘の3人家族がいた。父と母は旅行用スーツケースを持っていて、父のスーツケースは特に大きかった。


その父が運賃精算してからモタモタやっている間に、母と娘は車内やや後方の席に座った。そして、父は大きなスーツケースを通路に置いて“背後席”に座ったのである。車内中央ならば通路も多少は広いのだが、よりによって通路が狭く“人通りの激しい”ところに…


その間、後方から娘さんが「お父さぁ~ん」と何度か呼んでいたのだが、返事もせずに黙々と背後席に座る態勢を整えていたのである。それから発車時刻になるまで2~3人の乗車があったのだが、ちょっと通りにくそうだった。


一つ目のバス停からも2人の乗車があり、やはり通りにくそうだった。そこで父は、ようやくスーツケースが邪魔になっていると気付いたのか、娘さんの横の空席へ移動した… と思ったら、なぜかスーツケースはそのままだった。


私が「なんだ!? とりあえず娘さんの呼びかけに応えただけで、邪魔なスーツケースのことは頭にないんだ…」と思っていたら、その次のバス停で止まった時に、父は慌てたようにスーツケースを取りに来て、それを持って娘さんの横へ戻って行った… 背後席が好きなのはいいけれど、なんだかなぁ~って感じである。


それとも、夫婦喧嘩の直後で独りになりたかったのか… もしもそうだとしたら、私には無縁の悩みであり、逆に羨ましくもあり… 「あぁ~、夫婦喧嘩してみたい!」なんて言ったら、「独りだから、そんな呑気なことを言えるんだ」って言われるんだろうなぁ… ゴメンナサイ。