東京近郊のニュータウンに住む京橋家とその周辺の人々。その夫妻・娘・息子・夫の愛人・妻の母6人のモノローグ6編で作品が構成されている。
その京橋家のモットーは「何事もつつみかくさず」。娘マナを受精したのは高速道路のインター近くにある「ホテル野猿」だし、夢精おめでとうという弟コウの性の目覚め晩餐会も開かれるほどなのだ。
だが、当然ながら、それぞれが秘密を持ってそれを知られないよう苦心している。
解説を書いている石田衣良は、それを「家族は実際には完全に壊れてしまっている。それなのに表面は平凡に明るく続いていくのだ」と書いているが、私はそうは思わない。
この程度の破綻がなんだ!!
ダンナには新旧2人の愛人がいる。彼女らに『チョロQ』『コップ男』と罵倒され続けている。へらへら近づき関係を結び、しかし彼なりに家庭を大切に思っている。
子ども2人は高校生と中学生。ボーイフレンドに無視されたり、学年単位のいじめにあってたりしても、それを親に知られないよう気丈に振舞っている。
家庭内では家族のバースディパーティがちゃんと行なわれる。ティッシュで作った貧乏くさい花を部屋にきゃあきゃあ騒ぎながら飾り付ける中高生の子供達がけなげ。
母親は不登校の過去を押し隠し、昔はヤンキーだったなんて話を捏造して子供達に語っているし。
この家庭だけじゃない。どんな家庭にも語られない秘密がある。空中分解しないだけ立派だと思うよ。
その京橋家のモットーは「何事もつつみかくさず」。娘マナを受精したのは高速道路のインター近くにある「ホテル野猿」だし、夢精おめでとうという弟コウの性の目覚め晩餐会も開かれるほどなのだ。
だが、当然ながら、それぞれが秘密を持ってそれを知られないよう苦心している。
解説を書いている石田衣良は、それを「家族は実際には完全に壊れてしまっている。それなのに表面は平凡に明るく続いていくのだ」と書いているが、私はそうは思わない。
この程度の破綻がなんだ!!
ダンナには新旧2人の愛人がいる。彼女らに『チョロQ』『コップ男』と罵倒され続けている。へらへら近づき関係を結び、しかし彼なりに家庭を大切に思っている。
子ども2人は高校生と中学生。ボーイフレンドに無視されたり、学年単位のいじめにあってたりしても、それを親に知られないよう気丈に振舞っている。
家庭内では家族のバースディパーティがちゃんと行なわれる。ティッシュで作った貧乏くさい花を部屋にきゃあきゃあ騒ぎながら飾り付ける中高生の子供達がけなげ。
母親は不登校の過去を押し隠し、昔はヤンキーだったなんて話を捏造して子供達に語っているし。
この家庭だけじゃない。どんな家庭にも語られない秘密がある。空中分解しないだけ立派だと思うよ。