ケイの読書日記

個人が書く書評

群ようこ「パンチパーマの猫」

2008-09-06 11:03:37 | Weblog
 「パンチパーマの猫」というタイトルは、奇をてらったわけではなく、群ようこ氏の知人夫婦がキャットショーへ行ったら、ホントにパンチパーマみたいな毛並みの猫が出てきたそうである。(「袖すりあうも他生の縁」「楽あれば苦あり」の章参照)

 もともとこの本は改題される前のタイトルが「先人達の知恵袋」という地味なもので、このタイトルだと売れなかったのかもしれない。

 内容は、古来からのことわざを、群ようこが現代風に解釈した日常エッセイ。やっぱり群ようこのエッセイは面白い。小説よりもうんと。



 よく自分のご家族の事を書いていらっしゃる。弟さんも面白い人だが(容貌はコラムニストの泉麻人に似ているらしい)お母さんがパワフル!!
 絵描きの旦那さんと2人の子どもで生活が大変だったらしいが、43歳の時に離婚して懸命に働き、2人の子どもを大学まで出して一人前にして…ここまでは美談。
 その先がスゴイ。
 群ようこが作家として成功し金回りがよくなると、その金を(娘がニコニコしているのをいいことに)湯水のように遣い出したのである。

 今までの苦労を取り戻すかのように、高級呉服、海外旅行、豪華宝飾品、エステ…etc。
 群氏が今までどれだけ母に遣われたか計算してみたら、すでに家3軒分に達していて、卒倒しそうになったとか。


 しかし、お母様は昭和ヒトケタ生まれ。娘の金をそんなに遣うことに罪悪感は無いのだろうか? 読者から「お母様は失礼ですが呆けていらっしゃるのでは? お医者様に相談なさった方がいい」という手紙まで来たそうだ。
 ボケというより買い物依存症?

 どちらにしても早く正常に戻ってもらいたいです。
コメント
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