ケイの読書日記

個人が書く書評

米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」

2011-10-22 10:37:44 | Weblog
 ミステリ?ホラー?ファンタジー? うーん、なんと形容していいのか分からない。不思議な読後感。米澤穂信は、初めて読むけど、他の作品もこんなカンジなのかな?

 5つの連作中短篇集。すべて粒揃いで面白いが、特に『北の館の罪人』『山荘秘聞』がいいかなぁ。
 すべての作品に「バベルの会」という上流階級の子女しか入会できない読書会が出てくる。(メインではないけどね)


 最後の作品で「バベルの会」の会長が、会から除名した人にこう告げる。
「バベルの会とは、幻想と現実とを混同してしまう儚い者たちの聖域なのです。現実のあまりの単純さに、あるいは複雑さに耐えきれない者がバベルの会には集まってきます。」
「ただの偶然を探偵小説のように味わい、何でもない事故にも猟奇を見い出す。」

 彼女達の読書量の豊富な事!

海野十三「地獄街道」
エラリー・クイン「10日間の不思議」
泉鏡花「外科室」
小酒井不木「メジューサの首」
浜尾四郎「夢の殺人」
江戸川乱歩「夢遊病者の死」「二廃人」
谷崎潤一郎「柳湯の事件」
志賀直哉「濁った頭」   などなど


 ああ、また私の「読みたい本リスト」が増えてしまうじゃないか!!
コメント
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