3月の末、葛飾区小菅の小さなアパートで、中年女性の他殺死体が発見された。部屋の住人ではない。身元を表すような物は、すべて持ち去られている。そして、部屋の住人は行方不明。
その事件が発覚する十数日前、荒川河川敷でテント小屋が焼け、中からホームレスと思われる男性の死体が見つかった。最初はただの事故と思われたが…。
この関連無さそうな2つの事件がつながり、思わぬ展開をみせる。
加賀恭一郎、登場。長身で、精悍な顔つきをしている。彫りが深く目つきが鋭い。どうしても、ドラマで加賀役を演じた阿部寛を思い浮かべてしまう。本書では、恭一郎が小学校6年生の時、家族を捨て家を出た、恭一郎の母の、その後が書かれている。
そうだよね。この加賀恭一郎シリーズでは、彼の父も母も、すでに亡くなっているが、家族のしがらみが隠れた一つのテーマ。
母は家を出てから仙台に流れ着き、そこでスナックの雇われママとして働き、一人の男と出会う。この男もワケアリらしく自分の事はほとんど話さないが、東京の日本橋には何度も行くような話をする。
そう、日本橋。加賀は現在、日本橋署の警部補。なぜ加賀が捜査一課から日本橋署に移動を申し出たかは、これが理由。病死した母の遺品の中から、日本橋とメモされたカレンダーを見つけたが、筆跡から考えて、どうも深い仲になった男が書いたらしい。
恭一郎からしてみれば、家出後の母をよく知る、そのワケあり男を探して、母のその後を知りたかったのだろう。
東京の下町で見つかった中年女の他殺事件の遠因は、ずーっと前から、加賀とかかわりがあったのだ。
容疑者に元女優(現在は脚本家であり、演出家)が登場する。男性小説家って、本当に女優が好きだよね。特に舞台女優。心からリスペクトしているのを感じる。東野圭吾以上に貴志祐介もそういう所がある。
加賀の相手として、登紀子が浮上。映画じゃ女医さんになってたけど、看護婦さんなんだ。素敵な女性。どうぞ、これから加賀と一緒に生きていってもらいたい。
その事件が発覚する十数日前、荒川河川敷でテント小屋が焼け、中からホームレスと思われる男性の死体が見つかった。最初はただの事故と思われたが…。
この関連無さそうな2つの事件がつながり、思わぬ展開をみせる。
加賀恭一郎、登場。長身で、精悍な顔つきをしている。彫りが深く目つきが鋭い。どうしても、ドラマで加賀役を演じた阿部寛を思い浮かべてしまう。本書では、恭一郎が小学校6年生の時、家族を捨て家を出た、恭一郎の母の、その後が書かれている。
そうだよね。この加賀恭一郎シリーズでは、彼の父も母も、すでに亡くなっているが、家族のしがらみが隠れた一つのテーマ。
母は家を出てから仙台に流れ着き、そこでスナックの雇われママとして働き、一人の男と出会う。この男もワケアリらしく自分の事はほとんど話さないが、東京の日本橋には何度も行くような話をする。
そう、日本橋。加賀は現在、日本橋署の警部補。なぜ加賀が捜査一課から日本橋署に移動を申し出たかは、これが理由。病死した母の遺品の中から、日本橋とメモされたカレンダーを見つけたが、筆跡から考えて、どうも深い仲になった男が書いたらしい。
恭一郎からしてみれば、家出後の母をよく知る、そのワケあり男を探して、母のその後を知りたかったのだろう。
東京の下町で見つかった中年女の他殺事件の遠因は、ずーっと前から、加賀とかかわりがあったのだ。
容疑者に元女優(現在は脚本家であり、演出家)が登場する。男性小説家って、本当に女優が好きだよね。特に舞台女優。心からリスペクトしているのを感じる。東野圭吾以上に貴志祐介もそういう所がある。
加賀の相手として、登紀子が浮上。映画じゃ女医さんになってたけど、看護婦さんなんだ。素敵な女性。どうぞ、これから加賀と一緒に生きていってもらいたい。
現在、彼らが登場する作品を、次々と読破している最中です。
そこで、今回、加賀恭一郎が活躍する「祈りの幕が下りる時」の紹介をされていますので、コメントしたいと思います。
この作品を読んで、東野圭吾さんは、作家としてずいぶん油が乗っているなと感じました。
本格ミステリというわけではないのですが、ミステリと重厚な物語がうまくマッチしているなと。
やや、物語としての比重が強いようにも思えますが、その物語の完成度が高いので十分、満足できる作品になっていると思います。
この作品は、加賀恭一郎シリーズの一作品でもあり、加賀本人の人生に非常に大きな重みを持っていると思います。
この作品により、なぜ加賀恭一郎が「新参者」にて、日本橋署へと配属されることになったのかなど、様々な背景が明らかになってきますね。
内容は滋賀県在住の女性が、なぜか東京のアパートで死亡していたという事件。
しかも、そのアパートの住人は、身元がよくわからない人物なうえ、行方不明になっていることから、警察の捜査は難航することになります。
そこに、我らが加賀恭一郎が登場し、事件にヒントらしきものをもたらすことにより、ひとりの人物の名前が浮き彫りになってきます。
ただ、その人物が犯罪とは全く縁のなさそうな人物であり、事件との関わり合いが全く見つからないという始末。
その後、警察と加賀恭一郎の地道な捜査により、過去に起こった出来事と現在の事件が少しずつ重なり合っていきます。
そうして、意外な真相と加賀の母親の過去が明らかになっていくんですね。
事件の一部分だけをとると、「容疑者X」を感じさせるところもありますね。
それと、これはよく指摘されることですが、東野圭吾さんは、松本清張さんの「砂の器」にインスパイアされて、この作品を執筆されたのは明らかですね。
ただ、この物語の核となるのは、とある登場人物が辿ってきた人生の重みについて。
その人物の過去が、明らかになればなるほど、例え、罪を犯していたとはいえ、同情を禁じ得ないものがありますね。
風早さんがブログをやっていらっしゃるなら、よろしかったら教えてください。