ケイの読書日記

個人が書く書評

篠田節子「廃院のミカエル」

2012-01-16 09:46:17 | Weblog
 仕事上のトラブルで日本を逃れ、レバノンからギリシャにやってきた美貴。
 ギリシャ人と結婚してこの地に来たが、夫が事故死して未亡人になった綾子。
 文化財保護の仕事をしていて、教会や修道院の壁画を修復するのが専門の吉園。

 この女2人男1人の日本人が、ギリシャの地で出会い、レンタカーを借りてギリシャの山中に一緒に出かけるが、目当ての村は廃村になっていた。
 がっかりして次の目的地に向かう途中、深い森の中で修道院を見つけるが、異様な静けさ。どうも廃院になっているようだ。
 その朽ちかけた修道院に足を踏み入れて以降、3人の身に、いや彼らに関わった人たちに次々と不可解な出来事が降りかかる。

 ホラー、というかオカルトですな。特に前半は状況がよく掴めないからすごく怖い。
 日本でも、無人になって久しく崩れかけたお寺など、不気味だが、木造の寺はすぐ朽ち果てるのに比べ、こっちの教会や修道院は石造りなので長持ちし、人が住めるような状態なので、よけい怖ろしい。

 今どき修道士になろうなんていう奇特な人はほとんどおらず、修道士全員が死に絶えてしまって、廃院になった所も多いらしい。
 そうなると、色んな怪談話がささやかれる。神聖な場所なのに、悪霊スポットみたいな話も出てくるだろう。

 こういった場所で心霊現象などに出くわしたら、お経を唱えても効果は無いんだろうか?
コメント
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