ケイの読書日記

個人が書く書評

吉田太一「私の遺品お願いします  遺品整理屋の事前相談」

2012-04-12 13:28:11 | Weblog
 前回から引き続いて「ミレニアム3」を読んでもよかったが、あまりにも刺激的で、力が入りすぎるんだよね。
 今回は“箸休め”ということで、ちょっとジャンルの違ったものを読んでみる。

 この吉田さんという遺品整理屋さんの本は、以前読んだ事がある。
 それは、死んだ後に遺品の引き取り手がいない、あっても引取りを拒否される、というケースの話だった。
 今回は、まだ死んでいない人が、自分の死んだ後の後片付けを依頼するというケース。

 医師から余命3ヶ月と宣告されたとか、高齢で子供がいないという人が、自分の死んだ後の迷惑を考え、遺品整理の業者と連絡を取るという心情はわかる。

 でも、子どもがいても、業者に頼みたいという人、多いんだね。
 そうだよなぁ。子どもと不仲という場合もあるし、仲が良くても遺品整理がテキパキとできるほど元気かどうか分からない。
 例えば、親が100歳以上長生きしすると、子どもが70歳代。そうすると、自分の方が先に亡くなっていたり、入退院を繰り返している事も考えられる。

 それに…
 江戸時代「泣く泣くも 良い方を取る 形見分け」という川柳があるそうだが、その時代は物が不足していて、着物や家具など欲しい人がたくさんいたのだろう。
 だけど現代(本人にとっては愛着のある品だろうが)着古した衣類や、使い古した家具を欲しいという人が、どれだけいるだろう?
 よほど良い物は、アンティークとしての価値があるだろうが。


 やっぱり増えるだろうね。こういった遺品整理の事前相談。
コメント
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