ケイの読書日記

個人が書く書評

長崎尚志「闇の伴走者」

2012-10-01 11:07:43 | Weblog
 他界した漫画界の巨匠が遺した未発表原稿。
 発見された50枚の原稿には、若い女性を誘拐・監禁し、苦悶する姿をデッサンして殺害する≪漫画家≫なる人物が描かれ、さらには作中の被害者の顔は、35年前の連続女性失踪事件で消えた女性に酷似していた。

 はたして、これは巨匠本人が描いたものなのか? 別人だとすれば、誰が何のために描いた?
 作者は、現実に女性を次々に誘拐し殺した犯人なのか?

 この謎を解くために、巨匠の未亡人は、元警官の女性探偵・優希に依頼し、彼女は元マンガ編集者でマニアの醍醐とコンビを組んで、調査を開始する。

 この醍醐が、すごく癖のある男。アクが強すぎ。
 人事に腹を立て、大手出版社を飛び出し、フリーの編集者をしている。
 もともとデブなのに、独立後はストレスのためか異常に食べまくり、あっという間にプラス20㎏。
 マンガに対する愛も知識も素晴らしいが、それをひけらかしすぎ!  背景の線一つで、作画者が桑田次郎の影響を受けていると、ずばっと当てる!!

 桑田次郎って漫画家、知ってます? 若い皆さんは知らないだろうな。よほどのマニアでない限り。昭和33年生まれの私が、うっすら覚えている程度だもの。『エイトマン』の作者。テレビアニメの主題歌を覚えてますね。

 筆者の長崎尚志が、もともとマンガ編集者でマニアックな人らしい。

 キャラ的には好きになれなかったが、ストーリー展開は素晴らしい!! 犯人は誰なのか、最後までぐいぐい引っ張っていく。お勧めの1冊です。
コメント
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