ケイの読書日記

個人が書く書評

中島たい子「ぐるぐる七福神」

2012-10-11 10:47:42 | Weblog
 主人公は32歳の派遣OL・のぞみ。おばあちゃんが腰を痛め入院したので、その快方を祈って、のぞみは七福神巡りを始める。
 
 谷中七福神
 武蔵野吉祥七福神
 日本橋七福神
 港七福神
 亀戸七福神
 浅草名所七福神

 いっぱいあるんだ。私、東京に住んだことないから、イマイチ地理がよく分からないけど。(ちなみに地図が載っている)

 最初は、おばあちゃんのためだったが、そのうち、5年前に別れてから音沙汰なし、インドにボランティアに行って行方不明になった元カレの事を、参拝の最中、考えることが多くなる。

 この元カレが、恋愛だけでなく、すべてにおいて草食系といった人で、一生自分探しの旅に出掛けそうな人。マザー・テレサの所でボランティアやるより、東北の被災地でやれば?と言いたい。

 いや、元カレだけじゃなく、この小説に出てくる登場人物が皆、あまりに善人で浮世離れしていて、ひょっとしたら全員七福神の生まれかわりなんてオチじゃないかと思ったほど! もちろん、そうじゃないけど。
 何しろ、派遣先でのイジメも派遣切りも一切なし。逆に、派遣から正社員にならないかと、会社側からオファーが来る。お局もおらず、同僚は、断っても断ってもランチに誘ってくる。一緒に七福神巡りをする上司は、椅子を並べ、常に寝そべっていて仕事をしている所を見たことがない。
 そもそも、勤務先がどういった業種なのか、一切記述がない。

 なんと書いたらいいか…、ゆるゆるのプチロード小説。
コメント
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