「高野聖」は日本文学史に残る名作なので、大昔に読もうと試みたが、途中で挫折したことを覚えている。やっぱり、明治時代の小説は読みにくい。
でも、それではいけないと再チャレンジ。最初の方は我慢しながら読んでいたが、結構、通俗的で面白かった。適度なユーモアもあるし。
内容は有名なので知っていた。
年若いお坊さんが、飛騨の山を越えて松本に行こうとする時、深山で、色っぽい中年増と、知的障害がある年下亭主が暮らす一軒家にたどり着く。あまりに疲れていたので、一夜の宿を乞い、泊めてもらえることになる。
家の下を流れる小川で、お坊さんは汗を流すが、女が背中を流したりさすったり、いろいろもてなしてくれる。若い僧はよろめきそうになるが、なんとかふみとどまる。
夜になると、この一軒家の周囲に、おびただしい数の猿・ヒキガエル・コウモリ・羊・馬・むささび・牛・鳥などが集まり、ぐらぐらと家を揺らすほど。まるで畜生道の地獄絵。その一夜の怪奇陰惨を書いてある。
この獣たちの前世は、お察しの通り、色っぽい中年増の色香に迷った者たち。特に、市で売り飛ばされようとする馬は、このお坊さんをバカにした富山の薬売り。宿場の飯盛り女が大好きといったタイプの男だったので、すぐに中年美女の罠にはまり、馬にされてしまった。
馬になっても、女への執着は消えず、テコでもここを動くか!売られてたまるか!と必死に踏ん張っていたが、女が馬の前で裸になると、ふらふらくらくらと身震いし、すぐさま馬子に引かれていった。情けない。それだけ女の魔力が凄いんだろう。
考えるに、この泉鏡花という人は、年上の女性が好きなんだろうね。清らかな乙女ではなく、芸者さんやお女郎さんといった玄人好み。
話は大きく変わるが、この若い僧が一軒家にたどり着く前、巨大な蛇に何度も遭遇し、それもかなりゾッとしたが、それ以上に気持ち悪かったのは、大きな森の中の出来事。上から何かポタポタ落ちてくる、何だろう?木の実かしら?と振ってみたが、くっついて取れない。掴もうとすると、ずるずるすべって指の先へ吸い付き、ぶらさがる。みるみるうちに縮みながらブクブク太っていくのは、生き血をすう山蛭。
木の枝の至る所に蛭がぶら下がり、恐怖のあまり叫ぶと、蛭の雨がザーッと身体に降りかかってくる。うげーーーーっっ!!!
本当に恐ろしい。こんな所が、昔は飛騨の山奥にあったんだろうか? 恐ろしや。
でも、それではいけないと再チャレンジ。最初の方は我慢しながら読んでいたが、結構、通俗的で面白かった。適度なユーモアもあるし。
内容は有名なので知っていた。
年若いお坊さんが、飛騨の山を越えて松本に行こうとする時、深山で、色っぽい中年増と、知的障害がある年下亭主が暮らす一軒家にたどり着く。あまりに疲れていたので、一夜の宿を乞い、泊めてもらえることになる。
家の下を流れる小川で、お坊さんは汗を流すが、女が背中を流したりさすったり、いろいろもてなしてくれる。若い僧はよろめきそうになるが、なんとかふみとどまる。
夜になると、この一軒家の周囲に、おびただしい数の猿・ヒキガエル・コウモリ・羊・馬・むささび・牛・鳥などが集まり、ぐらぐらと家を揺らすほど。まるで畜生道の地獄絵。その一夜の怪奇陰惨を書いてある。
この獣たちの前世は、お察しの通り、色っぽい中年増の色香に迷った者たち。特に、市で売り飛ばされようとする馬は、このお坊さんをバカにした富山の薬売り。宿場の飯盛り女が大好きといったタイプの男だったので、すぐに中年美女の罠にはまり、馬にされてしまった。
馬になっても、女への執着は消えず、テコでもここを動くか!売られてたまるか!と必死に踏ん張っていたが、女が馬の前で裸になると、ふらふらくらくらと身震いし、すぐさま馬子に引かれていった。情けない。それだけ女の魔力が凄いんだろう。
考えるに、この泉鏡花という人は、年上の女性が好きなんだろうね。清らかな乙女ではなく、芸者さんやお女郎さんといった玄人好み。
話は大きく変わるが、この若い僧が一軒家にたどり着く前、巨大な蛇に何度も遭遇し、それもかなりゾッとしたが、それ以上に気持ち悪かったのは、大きな森の中の出来事。上から何かポタポタ落ちてくる、何だろう?木の実かしら?と振ってみたが、くっついて取れない。掴もうとすると、ずるずるすべって指の先へ吸い付き、ぶらさがる。みるみるうちに縮みながらブクブク太っていくのは、生き血をすう山蛭。
木の枝の至る所に蛭がぶら下がり、恐怖のあまり叫ぶと、蛭の雨がザーッと身体に降りかかってくる。うげーーーーっっ!!!
本当に恐ろしい。こんな所が、昔は飛騨の山奥にあったんだろうか? 恐ろしや。