ケイの読書日記

個人が書く書評

法月綸太郎 「法月綸太郎の消息」 講談社

2025-01-27 09:47:16 | 今村夏子
 皆様、本当にお久しぶりです。お正月に、gooサイトがサイバー攻撃にあい利用できなくなりました。すぐに復旧したところもあったみたいですが、当方では10日以上かかりました。その後も、私の体調がイマイチで、気になってはいたのですが、更新はのびのび。でも今後は、月に2回ほど更新したいと思っていますので、よろしくお願いします。

 法月綸太郎シリーズは昔から好きで読んでいたのですが、これこそお久しぶりですね。「綸太郎、あんた、生きてたんだよね、」と彼の肩でも叩きたくなります。
 この中編集には、いつもの、父・法月警視が持ち出す難問を、息子の推理作家・綸太郎が鮮やかに解き明かす、おなじみの展開2編も含まれていますが、他の2編はちょっと異色。
 ホームズの生みの親コナン・ドイルとポアロの作者アガサ・クリスティ。二人の創作の背景を法月綸太郎が推理していきます。

 まず、ドイルの方ですが、ワトソンではなくホームズが書いたという形式を取っている「白面の兵士」「ライオンのたてがみ」を俎上に載せている。どんな話か忘れていたので私も読み返したけど、あまり出来は良くない。
 私は、ホームズシリーズって推理小説としてそんなに優れているとは思わないなぁ。有栖川有栖とか法月綸太郎の最盛期の方が、よほど素晴らしいと思う。ホームズ物がここまで時代を超えて読み継がれているのは、ホームズのキャラや、ワトソンとの友情、そしてヴィクトリア王朝時代の雰囲気が愛されているからだと思うよ。
 チェスタトンとドイルのやり取りまで出てきて、ちょっと深読みのしすぎ。マニアックな人には楽しいかもしれないね。

 一方、クリスティの名探偵ポアロについても、ポアロの双子の弟か兄かが取りざたされる。そういえば、小説内にそんな記述があったような…。実際、本人は登場してないが名前だけ出てきたような…。ただホームズの兄マイクラフトは作品に何回か登場したが、ポアロの双子の弟か兄は登場していない。そんなに大事なこと?この本の中では重大なことのようです。
ああ、重箱の隅をつつくような事ばっかりやってないで、もっと普通の推理小説が読みたいよお。

P.S. ポアロの助手ジョージという記述が出てきて焦る。ポアロの助手ってヘイスティングじゃなかった? ああ、助手じゃなくて従卒ですね。訳は難しい。
コメント
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