かなり長い小説だが、一気に読めた。なんといっても導入部がミステリアス。
フリーライター前畑滋子のもとに、萩谷敏子という女性が現われる。12歳で死んだ息子に関する不思議な依頼だった。
少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前、それを絵に描いていたといいう。
ねねね、本当にそそられる書き出しでしょう?
その少女は、素行の悪さに悩む両親によって殺され、16年も自宅の下に埋められていた。ところが火事で自宅が半焼。隠し切れないと思った両親は自首するが、時効が成立し罪には問われない。
しかし、事件はそれでは終わらなかった。
ミステリーの部分も面白いが、それだけでなく、親の心情も丁寧に書かれてあって、本当に身につまされる。
愛情を注いで、懸命に育ててきた我が子が、自分の手から離れ、親の目には見えない流れにすくいとられ、みるみるうちに遠ざかっていく。手が届かない。声が届かない。
振り返ってくれた子どもと目が合っても、そこには理解しがたい暗い色が見えるだけ。
本当に刺し違えるしかないと覚悟を決めかねない時が、子どもを育てていると、あるんだよね
フリーライター前畑滋子のもとに、萩谷敏子という女性が現われる。12歳で死んだ息子に関する不思議な依頼だった。
少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前、それを絵に描いていたといいう。
ねねね、本当にそそられる書き出しでしょう?
その少女は、素行の悪さに悩む両親によって殺され、16年も自宅の下に埋められていた。ところが火事で自宅が半焼。隠し切れないと思った両親は自首するが、時効が成立し罪には問われない。
しかし、事件はそれでは終わらなかった。
ミステリーの部分も面白いが、それだけでなく、親の心情も丁寧に書かれてあって、本当に身につまされる。
愛情を注いで、懸命に育ててきた我が子が、自分の手から離れ、親の目には見えない流れにすくいとられ、みるみるうちに遠ざかっていく。手が届かない。声が届かない。
振り返ってくれた子どもと目が合っても、そこには理解しがたい暗い色が見えるだけ。
本当に刺し違えるしかないと覚悟を決めかねない時が、子どもを育てていると、あるんだよね