先々回のブログで書いた『精神科医が読み解く名作の中の病」に、この作品が紹介されていた。
桜庭一樹はライトノベル出身で、この作品もライトなレーベルから最初出版されたようだが、内容はすごくヘビィ。
13歳のなぎさのクラスに、海野藻屑(うみのもくず)という名前の美少女が転校してくる。今はサッパリ売れていないが、昔は一世を風靡した芸能人の娘で、非情に美しいので、皆の注目を集める。しかし、彼女には秘密があった。
父親から激しい暴行を受け、身体じゅうアザだらけ。左耳は鼓膜が破れ聞こえない。赤ちゃんの時、乱暴に扱われたので、片足をひきずっている。
だが、藻屑は父から暴行を受けている事を認めようとはしない。
自分は人魚で、身体のアザは、海が汚染されているから毒素が排出されているだけだと主張する。
共依存というのかな、父と娘は歪んだ愛情で結びついている。最後に藻屑は、父親に殺される。
本当にやりきれない話。ただ、私はこのクソッたれ父親よりも、語り手のなぎさの兄の方が印象に残った。
なぎさの兄は、今17歳で、中2の時から引きこもっている。成績優秀・性格温和で、容姿も王子様のよう。本人も周囲も、原因がよく分からないまま、学校に行けなくなった。母子家庭で生活が苦しいのに、1か月の食費以上の買い物を、通販でする。1LDKの古びた公団住宅の1部屋を、悪びれずに占有する。
母となぎさは困っているが、怒りもせず、しかたないと何も言わない。
なぎさなど、中学を卒業したら高校に行かず、自衛隊に入り、兄を一生養おうと思っている。
なぎさの担任教師が言う。「(ひきこもりの)兄に必要なのは他人」本当にそうだと思う。家族だけだと煮詰まってしまい、どうにもならない。本人もそうだが、本人の周りにいる人たちが、他人の介入を拒むのだ。
でも、ダメ! 他人を交え、風通しの良い所で話あわなければ。
桜庭一樹はライトノベル出身で、この作品もライトなレーベルから最初出版されたようだが、内容はすごくヘビィ。
13歳のなぎさのクラスに、海野藻屑(うみのもくず)という名前の美少女が転校してくる。今はサッパリ売れていないが、昔は一世を風靡した芸能人の娘で、非情に美しいので、皆の注目を集める。しかし、彼女には秘密があった。
父親から激しい暴行を受け、身体じゅうアザだらけ。左耳は鼓膜が破れ聞こえない。赤ちゃんの時、乱暴に扱われたので、片足をひきずっている。
だが、藻屑は父から暴行を受けている事を認めようとはしない。
自分は人魚で、身体のアザは、海が汚染されているから毒素が排出されているだけだと主張する。
共依存というのかな、父と娘は歪んだ愛情で結びついている。最後に藻屑は、父親に殺される。
本当にやりきれない話。ただ、私はこのクソッたれ父親よりも、語り手のなぎさの兄の方が印象に残った。
なぎさの兄は、今17歳で、中2の時から引きこもっている。成績優秀・性格温和で、容姿も王子様のよう。本人も周囲も、原因がよく分からないまま、学校に行けなくなった。母子家庭で生活が苦しいのに、1か月の食費以上の買い物を、通販でする。1LDKの古びた公団住宅の1部屋を、悪びれずに占有する。
母となぎさは困っているが、怒りもせず、しかたないと何も言わない。
なぎさなど、中学を卒業したら高校に行かず、自衛隊に入り、兄を一生養おうと思っている。
なぎさの担任教師が言う。「(ひきこもりの)兄に必要なのは他人」本当にそうだと思う。家族だけだと煮詰まってしまい、どうにもならない。本人もそうだが、本人の周りにいる人たちが、他人の介入を拒むのだ。
でも、ダメ! 他人を交え、風通しの良い所で話あわなければ。