心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

労力と確実性

2009年08月05日 | 雑感・愚見
人が行動を維持するための条件として報酬と不利益の刺激があります。
これに、報酬を得るための必要な労力の大きさと確実性の要素が加わります。

満足できる報酬が直ぐに手に入るものであるなら、
人は、大きな苦労、努力は結構できるものです。
しかし、長期間を要する場合、直ぐに行動を起こすとは限りません。
これらの報酬は、金銭面だけではなく精神的な満足も含みます。
さらに報酬の確実性が低ければ、なおさら行動を起こすことに二の足を踏みます。

将来は医者か弁護士になるぞ、と思ったとしても、
その報酬を得るために注ぎ込む労力と、報酬の確実性が感じられるかどうか、
そして、この報酬が得られるにはかなりの時間を要します。

そう言ったことから、一日、二日、勉強に向き合えたとしても、
今すぐに、面白く楽しい報酬を手に出来るゲームをしようとなる訳です。
また、その行動を起こさない事が楽という報酬となる可能性もあります。

不利益への刺激は、ある行動をすることによって、また、しない事によって
自分にどれくらいの不利益があるかどうかです。

一日、2日位勉強をしなくても、また一カ月や2カ月位勉強しなくとも、
大丈夫だとか、特に弁護士や医者になれなくとも命まで取られる訳ではないとか、
親に怒られる事を少し我慢すればご飯も食べられるし、
自分の生活の何が変わると言う訳でもないとなると、
報酬の結果と不利益への刺激がタッグを組んで行動を阻みます。

また逆に、親か何かの影響から自分が弁護士か医者になることでしか、
自分の存在価値は得られないと信じていた時には、
追いつめられたように行動を維持するエンジンの役割をしますが、
これは少し危険であり、もし、その報酬が得られない時には
抜け殻のようになってしまう恐れがあります。

何故、あんな簡単な事を、あんな小さな事にしないのだろう。
自分は、あいつは怠け者だと一刀両断するのは簡単です。
しかし、全く部屋を掃除一つせず、散らかり放題で、
皆から、あいつはだらしない奴だと言われていた人が、
彼女、一人出来るだけで、人が変わったように部屋を綺麗にすることもあります。

だらしない奴ではないのです。
部屋を掃除する必要性、部屋を掃除することの労力と、そのことで得られる報酬が、
それまでの本人にとって割が合わなかっただけなのです。

動けないには動けない理由がちゃんといつだって存在します。
報酬と言う結果、不利益への刺激に関係する強い理由が存在しているのです。
ここを解決しないまま、動く事を求めても困難を極めるはずです。

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計

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