オーム真理教信者の菊池直子容疑者なのか、元信者なのか分かりませんが、
殺人未遂容疑で指名手配されていた菊池直子容疑者が
ようやく逮捕されました。
何故ゆえに、こんなに長い期間逃亡できたのは何故?
偽名を使っていたのは当然だとしても、
国土の狭い日本で、しかも、システム化された日本社会のなかで
住居を得て、偽名の銀行口座まで手にし、
そこまで別人に成り切ることが可能だということなのでしょうが、
そのサバイバル能力には驚くばかりです。
この菊池容疑者もですが、加害者であると同時に
被害者の側面もあるかと思います。
被害者とまで言うのは言い過ぎかもしれませんが、
素直で純粋な人ほど他の影響を受けてしまいやすい面があると言うことです。
違う言い方をすると主体性が弱いと言えるかもしれません。
元々、私達には繰り返し接する人の好意度や印象度が高まるという
ザイオンス効果と言われる心理があります。
これは20度の水と80度の水を近づければ
互いが同じ温度になろうとするようなものかもしれません。
一人の強烈な特殊性を持った人が
80度を遥かに上回る熱を発していたとすると、
20度である素直で純粋な人が近づき何度も接していると、
ただその熱に飲み込まれてしまいます。
その特殊性を持った人が、
近づいてくる人を言葉巧みに騙してやろうとか
利用してやろうというような姑息なことを考えている場合には、
私達の無意識は、それを察知して早めに違和感を発してくれるものなのですが、
その人が妄想型の場合、いくら特殊なことを言っていたとしても
嘘を言っている訳ではありませんから高性能な嘘発見器にも引っかかりません。
私達の防衛機能は作動しないままで終わるか、
作動したとしてもずっと遅くなります。
そして、作動が随分と遅くなってしまうと
今度は、自分の失敗を認めたくないと言う心理が働いたり、
何事もそれまでのことを変えようとすると大きなエネルギーが要りますから、
違和感を無視して、その人を信じ込もうとする心理が働いたりして、
まるで蟻地獄に囚われたかのように変化することを難しくさせます。
ですから、誰かや何かを信じて一歩踏み出すことも大事ですが、
同時に出口を忘れてしまわないようにしておきたいものです。
ただ、オームが出家と称して財産を全部奪ってしまっていたのは、
どの様な表の理由があろうとも、
恐らく真の目的は、この出口を個人から奪い去ることだったはずで、
出口を失った人は尚更信じ込もうとする心理が働きやすくなっていたと思います。
しかし、このような被害者の一面があるからと言って、
本人の加害者としての責任が許させるはずもないのは言うまでもありません。
このようなことは宗教がらみだけでなく、その他にもあります。
そして、大昔から同じ種のことが繰り返し起きていますから、
天然痘のように撲滅することは不可能だと考えて身を引き締めておきましょう。
私には関係のない話だ。私は絶対に大丈夫だ。
と思っている人ほど巻き込まれやすいという傾向があるようですから、
ご注意を。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計