日々発表される新型コロナウイルスの感染者数を見ると
京都は地元の神戸よりも少ないんですよね。
となると兵庫県内で名所巡りをするよりも
京都の方が感染リスクが少ないはずと
自分に都合の良い理由を柱にして
約1年近く我慢に我慢をして訪れていなかった
京都に行ってまいりました。
名所巡りは殆ど屋外にいるのと同じなので
感染リスクは少ないと思ってはいるのですが
今回の京都名所巡りでは念には念を入れて
拝観者が比較的少ないと思われる寺院を巡ります。
嵐山 中ノ島橋から
私は、ここの景観を地味に好きなんですよね。
京都嵐山 渡月橋
元々の橋は、今の場所より100m~程上流にあって
名称も近くの法輪寺に因んで法輪寺橋と称されていたのですが、
鎌倉時代に亀山上皇が橋の上空を移動していく月を眺めて
「くまなき月の渡るに似る」と感想を洩らしたことから
「渡月橋」と命名されました。
法輪寺は、渡月橋の真南の位置に今も現存する寺院で
阪急嵐山駅と渡月橋の経路にあるので
その内に一度位は訪れてみようと思っています。
渡月橋の人の行き交いを見ると
その日の嵐山の賑わいが分かるのですが
これが少ないんですよね。やったね。
観光客が少ないと感染のリスクが低くなる気がするのと
ゆったりと拝観することが出来ますからね。
毎回ここに来ると思うんですけど
桂川の川音が気持ち良いんですよね。
川縁にあるベンチに座って
ぼんやりとするのも良さそうです。
嵐山本線 通称嵐電 嵐山駅
ここ嵐電の嵐山駅には色々な売店があるので
嵐山の観光客が集う場所にもなっているのですが、
今日の人の姿はまばらですね。
今日の名所巡りで最初に訪れるのは、
前々から気にはなっていたけれども
後回しにしてきた鹿王院です。
本尊は釈迦如来。開基は足利義満。
開山(初代住持)は、春屋 妙葩。
嵐電を利用して
嵐山駅から二つ先の鹿王院駅に向かいます。
嵐電 鹿王院駅
目的の鹿王院は、嵐電の鹿王院駅のすぐ近く。
鹿王院が駅名になっているので当然かな。
鹿王院は、嵐山駅から二つ駅を移動するだけなので
位置的には拝観しやすい場所にあります。
ただ世界遺産の天龍寺等の嵐山で人気の寺院が
鹿王院の反対側に集中しているので
これまで鹿王院の拝観は後回しになってたんですよね。
嵐電の車両
嵐電のレトロ感ある車両も
その車窓から見える景色も格別なので
私は遊園地のアトラクション感覚で毎回乗車しています。
鹿王院 総門(山門)
鹿王院の拝観入り口は、ここだよね?
拝観を中止しているかのような山門の様子。
少し開けられている総門の右側をそっと潜ると
右手の拝観受付らしき小屋に
「拝観受付は庫裡で」と書かれた張り紙を発見。
鹿王院 参道
閑静な住宅街にあって大通りにも面していないことから
山門を潜るとそこは鹿王院の世界。
境内の奥へと長く伸びる石畳の参道が素敵です。
新緑には青々とした青紅葉、秋深まれば紅葉のトンネルの中を
奥へと進むことになります。
石畳の白色と苔の緑色に彩られた参道に
風に揺らぐ葉音と木漏れ日の光が揺らぎます。
ウオルト・ディズニーがディズニーランドを造るときに
このような手法を真似たとか、真似てないとか………。
鹿王院 三社大明神
鹿王院 唐門と舎利殿
鹿王院 中門
参道をしばらく進むと中門が現れます。
鹿王院 式台と前庭
時刻は午前10時前後。
朝一番に拝観を終えた人なのでしょうか。
拝観入り口から出てくる人が一人、また一人。
私は、もう少し前庭を楽しみます。
獅子
ちっちゃい獅子。これ私のお気に入り。
詩仙堂や圓光寺には小さいお地蔵さんがありました。
目立たぬようにそっとある感じ。
こういうのって仏教的に意味があるのか、
ちょっとした遊び心なのか。
目立たぬように はしゃがぬように♬
鹿王院 式台(庫裡)
伽藍内の直ぐ右手の拝観受付所には、
人の姿は見当たらず、何度か声を掛けても返事がありません。
勝手に他人の家に上がり込むような感じになりますが、
式台で靴を脱いでスリッパに履き替えて………。
参拝順路に従って細い廊下を先へと進むと
鹿王院のメイン、舎利殿と本庭園の景観が現れました。
鹿王院 本庭園と舎利殿
鹿王院は、元は足利義満が建立した大寺の宝幢寺の塔頭でしたが
宝幢寺は、応仁の乱で廃絶して塔頭の鹿王院のみが残りました。
(ほんと応仁の乱って………ですね。)
鹿王院の本庭園は、京都市の名勝に指定されていて
嵐山を借景に舎利殿を中心にした枯山水の庭は、
日本最初の平庭式の枯山水庭園と言われています。
鹿王院も金閣寺の鹿苑寺も創建は足利義満で
鹿王院は、1387年に完成。
金閣寺は、1397年に創建工事を開始。
二つ舎利殿の形が似ているので金閣寺の舎利殿は、
鹿王院の舎利殿を参考にしたとも言われています。
寺院の名称も鹿王院と鹿苑寺で似てますし、
鹿王院の枯山水庭園を池にして、舎利殿に金箔を貼れば………。
景観も金閣寺と似てきます。
廻廊(歩廊)
客殿、茶室、本堂、舎利殿は、
上の写真のように歩廊で結ばれています。
鹿王院 舎利殿
逆光を避けようと色々と試みたのですが無理でした。
そこで後光がさす舎利殿と考えると
神々しさを感じる舎利殿に見えないこともない。
鹿王院 客殿と本庭園
客殿の正面には足利義満筆の扁額「鹿王院」が掲げられています。
これ見落としたんですよね。全く気が付かなかったなあ。
舎利殿と客殿
舎利殿の扉の前に
「舎利殿に入いったら扉は閉めて下さい。」の張り紙。
これって普通に読めば、
舎利殿の内部に入っても良いと書いてあるとなりますよね。
自分の読解力を信じて内部へお邪魔することに。
鹿王院 舎利殿内
舎利殿の内部には多宝塔が安置されていて、
その多宝塔の中には、源実朝が宋から将来したと伝えられている
仏舎利が安置されています。
写真撮影禁止の立て札を発見できなかったので
撮影OKと判断して撮影させてもらいました。
特別拝観でもなかったはずなんですが
舎利殿の内部に入れて撮影も………。これ、やっちゃったのかなあ?
舎利殿から客殿に戻り、客殿の裏手に伸びる廻廊へ。
正面は、先ほどの本庭園。
右側は「茶庭」。左側には「後庭」。
後ろ側は、茶室「芥室」があります。
茶室「芥室」は、丹下左膳役で一世風靡した
大河内 傳次郎より寄進されたもので、
嵐山の竹林の小径奥に建てた大河内山荘も有名です。
これで鹿王院の拝観を終えるのですが、
拝観入り口の拝観受付所には、やはり誰も居らず。
ラッキーと拝観料を支払わずに帰るのは
今日の京都を気持ち良く拝観出来なくなるので
ちょっとばかし大き目の声で「これ誰か、誰かおらぬかあ~。」
これにて一件落着と相成りました。
やっぱあ京都は良いなあ。
地元の名所を巡るのも十分に楽しめるんですが
京都の名所を巡っている時のワクワク感は違うんですよね。