心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

エディプスコンプレックス

2023年05月19日 | 雑感・愚見

 

「もしママが裸だったら身体中キス出来たのに。」

 

フランスの文豪『スタンダール』は、

幼い頃に母親に恋をしていて、

ママを奪った恋敵の父親を憎んでいたようです。

 

 

エディプスコンプレックス

 

精神分析の創始者であるジークムント・フロイトは、

性は、思春期以降に発達し始めるのではなく

乳幼児の頃から見られ、

主に身体の特定の部分を通じて世界と関わると考えました。

 

●口唇期(0歳~1歳半頃)

触感覚の一つである口を用いて

空腹を満たすだけなく色々な物を口に含むことで

自分が存在する世界と関り、

授乳等を通じて母親との一体感を得ます。

 

●肛門期(1歳半~3歳頃)

排尿、排便によって肉体的快感を

得られることを学びます。

 

また養育者から不適切な対応を受けた場合に

頑固で他者に強く反発したり、

物を過剰にため込み離さなくなったり、

逆に金銭感覚にルーズで浪費する性格が形成されます。

 

男根期(3歳~5歳頃)

男児は、異性であり愛情対象者の母親を

独占しようとして競争相手の父親を敵視しますが

父親から攻撃され

性器を取り去られるのでは(去勢不安)との恐怖心から

母親への気持ちを諦め、父親と対立することを諦めて、

幼児的な欲求を抑圧し、自らを父親と同一化して

男性的側面を学んでいきます。

 

女児は、自分に男性器が無いことに気が付き、

男の子より自分は劣等であると信じ

男性器を欲しいと思います(男根願望)

 

自分に男性器を与えなかった母親に敵意を持ち、

父親に近づきたいとの願望を持つのですが

母親への嫉妬と敵意は、母親からの攻撃を招くので

それらの気持ちは、無意識に抑圧し

自らを母親と同一化して女性の側面を学んでいきます。

 

男児が経験する父親への敵意や去勢不安、

女児が経験する母親への敵意や男根願望等の

このような感情をジークムント・フロイトは、

エディプスコンプレックスと呼びました。

 

●潜在期(6歳~9歳頃)

性的エネルギーを性的対象者に向けることを止めて

勉強、スポーツ、友人関係等、非性的なことに使い始めます。

 

●性器期(思春期以降)

大人の性へと発達を遂げます。

 

心理の発達の一連の流れで抑圧された衝動は、

そのまま無意識に大人しく留まることもあれば

様々な迂回路を通り放出されたり、

別の行動で昇華されたりするのですが

収まりが悪いと時に、神経症等の症状として

表れることがあるとのことです。

 

上の様なエディプスコンプレックスを含めた

心理の発達の仕方や心の動きは、

私自身は、ただ記憶が無いだけなのかも知れませんが、

幼い頃にエディプスコンプレックスのような

心の動きを経験したという記憶が全くありません。

 

なので乳歯から永久歯へと生え変わるかの如く

大半の人間が自然に当たり前に経験することだとは

なるほどなあとは納得も実感できない自分がいます。

 

フランスの文豪『スタンダール』が幼少期の頃に

経験をした語った母親への愛情と父親への敵意は、

エディプスコンプレックスそのもののように思えますし、

このことをフロイトが聞いたとしたら

満足気に何度も頷くでしょうね。

 

母親と一体であった私達は、生まれ落ちて母親と分離し

生きるために授乳を求め母親を求めはしますが

それ以上に母親から切り離された私達が

無意識レベルで母親との一体感を強く求めるのは

元々、一体であったことからかも知れません。

 

 

余談になりますが

昔、何かで読んだギリシャ神話か何かの話で、

古代の元々の私達は、頭が二つに手足が4本づつあって

丁度、今の人間が背中合わせになったような姿で

丸い身体をしていました。

 

そして、その人間の姿は三種類で

男と男、女と女、男と女とが一体となっていて

神をも恐れぬ態度であったため

ゼウスによって身体を引き裂かれてしまいました。

 

それ以来、私達人間は、

かつての分身を探し求めるようになります。

こうして私達は、恋をするようになったのだとか。

 

 

 

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