「ふるさとは遠きにありて思ふもの」
なんて言いますが、
写真は、中学から高校にかけてよく食べた絶品味噌ラーメン。
私の中学時代のラーメンはと言えば
夜にぴらぴ~らぴの曲を流しながら
夜に回ってくる屋台のラーメンとか、
そば屋さんの中華そばで
今で言うあっさり醤油ラーメン。
そんなラーメン不毛の時代、地域に
突如として現れた新進気鋭のラーメン。
「とんでもなく旨いラーメンがあるぞ!」
の噂が隅々まで伝わるのに多くの時間を必要としません。
その噂の真相を確かめようと
同級生から勇者を募り
貯めたこずかいをポケットに押し込み
自転車で25キロ先のお店までの
山あり谷ありの道中に挑んだわけです。
その道中のあれやこれやの出来事は
映画「スタンド・バイミー」の世界。
そうして食べた一杯も
大阪、神戸、東京と移り住むうちに
遠ざかり、いつしか記憶のかなたに。
それがこの前の友人との話のなかで
そのお店が今も営業を続けていると聞き
友人と一緒に向かうことに。
期待満々でお店に飛び込み、
ウハウハでスープを一口。
ん?
もう一口。
むむむ?
スープ、味噌、モヤシと玉ねぎとミンチ肉のトッピングも
あの頃と同じだけれども
なんか違う。美味しいのは美味しいけれども
30年前の味とは微妙に違う。
あのラーメンとよく似た味のラーメン。
1グット
全く別物にまでなっていれば
また持った気持ちも違っただろうけれども
食べ終わった後に
あの味に少し触れることが出来た喜びと
もどかしさのような寂しさのような
悲しさのような気持ちが混ざったものが
胸のなかで膨らんだ。