奈良の神社と問われれば、
私の頭に真っ先に浮かぶのが世界遺産の春日大社で、
春日大社の参拝は、今回で2度目となります。
前回の拝観は、式年遷宮の関係で大規模な修繕中で
南門を入ってすぐの幣殿までとなっていたので,
印象に残っているのは、春日大社近くの茶店で食べた
最高に旨かった『ぜんざい』だけなので、
再度の拝観は必須事項でした。
春日大社 参道入り口
前回の時と同じルートで向かいます。
春日大社 二の鳥居
春日大社は、奈良時代に平城京の守護と
国民の繁栄を祈願して768年に創設。
春日神社に武甕槌命(たけみかづちのみこと)が
鹿島神宮から白い鹿に乗ってやって来たと
されていることから
この地域では、鹿は神の使いとされています。
奈良公園、その周囲、山間部に生息する鹿は、
1957年(昭和32年)に「奈良のシカ」として
国の天然記念物に指定されました。
春日大社 狛犬
春日大社 二の鳥居を抜けると
そこは春日大社の表参道で、
数多くの石灯籠が所狭しと参道に立ち並びます。
春日大社 石灯籠
「おっと、鹿さん。こんにちはㇲ。」
春日大社は、全国で一番燈籠の数が多いとされる神社で、
その数は石灯籠が約2,000基、
釣燈籠が約1,000基あり、
現在も個人が奉納出来るそうなので
その数は毎年、少しづつ増えているようです。
江戸時代末期までは毎晩、全ての燈籠に
灯りが灯されていたとは驚きです。
現在は、お盆の14日・15日と節分の年3回だけ、
境内の全ての燈籠に灯りがともされる
中元万燈籠が行われます。
2,000基ある石灯籠の中には、
春日社ではなく春日大明神と彫られている
特別な石灯籠が15基あって、
それを一晩で3基見つけるか、
石灯籠の正確な数を一晩で数えることが出来れば、
億万長者になると言われています。
私は、億万長者を狙って結構真剣に
目を凝らして探しましたが、
3基どころか1基も見つけることが出来ずです。
燈籠だけに、徒労で終わりました。
はい。座布団一枚。
榎本神社
春日社と彫られた石灯籠。
大抵の石灯籠にはそう彫られています。
皆さんも挑戦してみて下さい。
春日大社
春日大社 南門【重要文化財】
春日大社正面の楼門で、高さは12mで
春日大社最大の門です。
砂ずりの藤
春日大社の神紋は、『下がり藤』と言うこともあって、
南門を入って左側、慶賀門を入ってすぐ前の所に、
藤棚があり、花房が1メートル以上延びて
砂に擦れることから『砂ずりの藤』と呼ばれています。
通常、5月初旬頃に見頃を迎えますが、
ここ春日大社の藤の花も、吉城園の藤の花も同じで
藤棚には緑の葉だけでした。
幣殿・舞殿【重要文化財】
幣殿とは、参詣者が幣帛 (へいはく) をささげる社殿で、
幣帛とは、神に奉献する供物のことで、
舞殿は宮中伝来の御神楽を行うための建物で、
私は、拝殿と勘違いしていました。
中門・御廊(ちゅうもん・おろう)【重要文化財】
御本殿の直前にある楼門で、高さが約10m。
南門を入ると最初に眼前に現れるのが
この朱色の建物です。
私の横にいた外国の観光客の3名の方が、
この建物を見て3名が全く同時に
「ワオー、ビューティフル!」と
声をあげていたのが印象的でした。
ここから先が、私達にとって未知の領域です。
春日大社 手水所
手水屋、手水舎ではなく手水所と表記されています。
そして、他にはない独特のデザインです。
幣殿・舞殿
林檎の庭
祭典の際、舞楽や神楽が舞われる庭で、
林檎の木があるため『林檎の庭』呼ばれています。
林檎の庭と直江殿【重要文化財】
最初の林檎の木は、平安末期に高倉天皇の献木と伝えられ、
春日大社の記録『中臣祐賢記』(1273年)に記録されています。
正面奥の建物が直会殿。
林檎の庭に生えている大杉は、
周囲8.7m、高さ25m、樹齢約800年~1000年で、
面白いのが700年前の『春日権現験記』の一場面には、
林檎の庭と共に、この木の幼木の姿が描かれています。
絵の右に描かれている小さな木が、
時を経て、あんなに大きく育ったんですね。
700年前から同じ場所にある同じ庭を観て、
庭の木で700年という時間の経過と重みを
感じ取ることが出来る庭の前に立って
私が感じた気持ちや感覚を上手く表現できません。
東回廊【重要文化財】
春日大社の回廊は、
平ではなく斜めに傾いて造られています。
これは御神山の御蓋山の地形を崩さないよう
地面に沿って建てられているためです。
林檎の庭の大杉に負けず劣らずの
この大きな木は、藤の木のようです。
例年ならこの時期、藤棚に咲く藤の花と、
この木に咲く藤の花も見れたはずなのですが。。。
東回廊の外側
中門・御廊
徳川綱吉と藤堂高虎の奉納燈籠
宇喜多秀家と直江兼続の奉納燈籠
社頭の大杉
先ほどの林檎の庭に生えていた大杉です。
岩本神社
真柏の木
大杉の根元から斜めに延びた木が
重要文化財の直会殿の屋根を貫いています。
重文の屋根に穴を開けてまで木を切らないのは、
斜めの回廊と同じ精神から。
捻廊(ねじろう)【重要文化財】
内侍殿から御廊を結ぶ渡り階段で、
左甚五郎の作の説があるそうです。
風宮神社
この神社の垣内に生えている木は、
イスノキ、ヤマザクラ、ツバキ、
ナンテン、ニワトコ、フジ、カエデの七種の木が、
一本の樹に共生している珍しい木です。
宝庫【重要文化財】
後殿(うしろどの)各社参拝所
後殿が公開されて内側の様子を見ることが出来ます。
藤浪乃屋(ふじなみのや)
藤浪乃屋は、真っ暗な空間に
釣り燈籠の灯りだけが輝いています。
空の青、朱色、光溢れる世界から、
流れに沿って歩いて行ったら
暗闇と光の世界の空間に入り込んだので
強烈なインパクトでした。
2000基の石灯籠と1000基の釣り燈籠の全てに
年に三回だけ灯りがともされる
中元万燈籠を再現している部屋です。
西回廊
内侍殿(ないしんでん)【重要文化財】
かつて御神前で奉仕をする内侍(女性)が
控えていた建物です。
釣り燈籠の色が違うのは、
金色が長い年月で錆びて変色したもの。
『林檎の庭』『大杉』『中門・御廊』
式年遷宮の修繕後なので、
前回の拝観の時より建物の朱色が鮮やかで、
今回で初めて春日大社を拝観した実感を
得ることが出来ました。
私はちょっと勘違いをしていまして、
前回の春日大社を参拝した時には、
式年遷宮の修繕中だったので
幣殿の向こう側に入ることが出来なかったと
思い込んでいましたが、
通常参拝の場合、今回のように
幣殿から向こう側に入ることが出来ないようです。
特別参拝、万歳。