心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

共依存

2019年03月02日 | 雑感・愚見

2018年、イギリスケント州で

21歳の妻が、26歳の夫に

ナイフで46回も刺されて瀕死の重傷。


11月に裁判で夫は懲役20年となったが

妻は「夫を許し、釈放される日を待つ。」

と言ったそうです。


次は、フランスの事件。

2001年のフランスで、嫉妬深い夫が

些細なことに逆上し、妻を殴打して重症を負わせ、

妻は入院。


後日、入院中の妻は、病室に現れた夫が

許しを求めに来たと思って微笑みかけた瞬間、

夫にナイフで刺され帰らぬ人となった。


妻に重症を負わせた後日に

当たり前のように病室を訪ねていると言うのは、

一体どういうことなのでしょうかね。


妻は、重傷を負った原因について、

病院にも警察にも

何一つ語らなかったのかもしれません。


ドメスティック・バイオレンス(DV)は、

配偶者や恋人等、親密な関係にある者、

又は親密な関係にあった者から

振るわれる暴力のことを言います。


DVの加害者には、強い承認欲求があり

それが満たされないと強い不安や怖れ、

そして、怒りをコントロール出来なくなり、

対象者に恐怖を与えたり、暴力をふるったりして、

対象者を自分の思い通りにさせようとします。


DV加害者には、

加害者自身も親から虐待を受けていたり、

親のDVを見て育った等、

両親から褒め認めてもらう体験が少なかったことが

多く報告されていています。


幼少期に褒め認められる体験が少なかった人は、

強い承認欲求を持っていて、

その強い承認欲求は、

本来の両親ではなくパートナーに向けられ、

その強い承認欲求を満たすために暴力となります。


本来は、自分の誠実な行動や自分を高めることで

それらを得ようとするのが普通ですが、

DV加害者の心の根底には、

「自分には存在価値はない。」等の

否定的な自己イメージが強く根付いていることで

「私は愛され求められるためには頑張る必要がある。」

と言った苦しみに繋がります。

 

苦しみと向き合うことを避けようとして、

暴言や威嚇、暴力で自分をではなく、

パートナーの態度を変えようとします。

 

あるいは、幼少期に両親に持った激しい怒りを

パートナーに向けることで

留飲を下げている場合もあります。


DV加害者は、無意識に罪悪感を感じていますが、

その罪悪感を認めてしまうことは、

心の底にある「自分には存在価値がない。」を

自ら認めてしまい自己崩壊する恐怖心から

強制的に自分を正当化して

暴力を繰り返すことになります。


DV被害者の中には、自分が受けている暴力を

DVとは考えない人がいます。


あまりに繰り返された暴力によって

暴力を受けているという感覚が麻痺していたり、

暴力を愛情なんだとすり替えてしまっていたりします。


自分を求め、束縛しようとするのは

暴力ではな愛情であって、

この人の要求に応えられない自分、

この人の想いを受け止められない自分の方が

悪いのだと言い聞かせしまう心理が働き

DV被害者本人に被害者の認識がないために

周りの人に表出しないことが多くあります。


DV被害者自身も

「自分には存在価値が無い。」と言ったような

低い自己評価を持っていることで、

酷い仕打ちを受け続けていたとしても

強く自分を求めてくれるDV加害者から

離れることが出来ない場合があります。


このような心理が動いているDV被害者の場合には、

DV加害者の暴力や暴言を誘発するようなことを

DV被害者が無意識的、意識的に行っていることもあります。


また、ストックホルム症候群と言われる

自分に向けられる圧倒的な恐怖と暴力に対して、

加害者に自分を反するのではなく適合させるのは、

生き残るための自己防衛の心理が

働いている場合もあります。


DVの被害を受けている認識があっても

身寄りがいなかったり頼れる人がいない場合には、

加害者から離れることよりも

経済的不安から我慢することを選ぶ場合もあります。


最悪の結果を招くことは

そうそうあるものではないと思われますが、

共依存状態から抜け出すには、

自分の価値を見出し、感じ得ることが重要です。


とは言え、共依存状態にある人の場合は、

上のような要因によって

その関係を解消することを本気で求める方が

少ないので簡単ではありません。

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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