誰かが言っていたのですが、
ヒナが卵から孵る時に、
親鳥が卵の殻を砕く援助を行うそうですが、
早すぎず、遅すぎず、手を?くちばしを出し過ぎず、
絶妙な援助をおこなうそうです。
初回面接で相談者の方から
お話をお聞きすることで、
その心の問題は、どのような心の規則から起きているのか、
そして、どのような心の規則に書き換える必要があるのか、
ある程度の見当がつきます。
だからと言って、
施療者側が
あなたの心の問題は、いつも~ようにものごとを捉え、
そして、~のように考えてしまう事から起きています。
だから、~のように捉え、~と考えれば良いのです。
というように問題の原因について話をし、
どのような考え方をすれば良いのかについて、
アドバイスすることで解決するならば、
心理療法は、すこぶる簡単なものとなるのですが、
そう上手くはいきません。
何故ならば、提供されるものが、
いくら正しく、適応したものであろうとも、
そのままでは施療者の価値観や考え方を述べているだけに過ぎず、
それらは自分の外にあるものであることから、
「それは分かるけれども………。」で終わってしまいます。
それで終わらないためには、
現在の自分に不適応となってしまっている「心の規則」、
それに変わる新しい適応した「心の規則」を、
本人、自らが発見してもらう必要があります。
自分の内側に向かい、
自分の内側にあるものを感じ取り、
自分の内側にあるものを始動させることが出来ます。
しかし、ただ本人自らが発見する必要があると言って、
その全てを本人にまる投げするという事ではありません。
もし、それで心の問題が解決するのであるなら、
心理療法を受ける必要が無かったはずなのです。
ですから、心理療法を提供する側の行う事は、
気持ちが向かう方向が解決のために
必要な方向を提供したり、
解決のための方向から離れないように、
遠ざからないように注意深くサポートをし、
さらに、発見したものが
現在の本人にとってただの理想ではなく、
より現実的なものであるかどうかを確認することを求めます。
この時、早く解決をしてもらいたいという想いに駆られて、
施療する側がしゃしゃり出てしまうと、
それは外側にあるもので終わりますし、
まる投げになってしまっても、
内側に宿る力の始動のための、
効果的な刺激とはなり得ません。
これもまた、催眠誘導と同じです。
誘導者の想いと都合だけで誘導を進めても
十分な催眠状態に被験者を上手く導くことが出来ませんし、
慎重になり過ぎても上手く導くことが出来ません。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計