2001年 ベトナムで91歳の女が
麻薬密売の罪で有罪となり収監されました。
この老女は、今回の件で収監されるまでに
8回も有罪になっていたのですが
高齢を理由に収監は見送られていました。
ベトナムの法律を知らないとは言え
さすがに麻薬密売の罪は軽いとは思えないし、
それまで8度も逮捕されていることも踏まえると
例え高齢なことを加味した温情判決が下されたとしても
収監期間が数年となってもおかしくないので
老体には厳しくなりそうです。
犯人の91歳の女も何回逮捕されようとも
日々生きるための手段としてそれしか無かったんでしょうけど
逮捕者の高齢を理由に収監を8回も見送っていたのを
9回目にして収監したのも逮捕というより
保護的な意味合いがあったのかも。
ベトナムの91歳の女とケースが少し変わりますが
近年、日本では高齢者の万引きが増加傾向にあるようで
万引きで摘発される高齢者が年間3万人近くにのぼり
社会問題化しているようです。
警察側からは、高齢者の万引きは比較的安価な食料品が多く
罪の意識の希薄さがあるのではとの考えがあるようですが、
この考えがある程度正しいとしても民度の低下の表れ以上に
現在の日本の庶民の厳しい生活状況を表しているかもしれません。
警察も高齢者の万引きを摘発して終わりじゃなくて
摘発者の周辺状況をしっかりと調査して
おにぎりを食べたいと書き残して餓死をした
高齢者の姉妹と同じことが起きないように
生活保護なりの手続きへと繋げてあげて欲しいと思うのです。
高齢者の罪の意識の希薄さとか困窮問題とは別の原因として
認知症が関係していることも少なくないようです。
早期の認知症は、前頭葉機能が低下して症状が進行すると
側頭葉の機能も低下して認知症となります。
前頭葉は理性や論理的思考を司っているので
前頭葉の機能が低下することで
代金を支払って商品を購入するといった
ごく当たり前の概念が欠落してしまうことがあります。
しかも万引きを咎められ警察に通報をされた同じお店に
日数を開けずに再び訪れてまた万引きをして
摘発されるなんてことも珍しくないようで
もうこうなると罪の意識の希薄さとか困窮問題ではなくて
認知機能障害が原因であるとしか思えません。
昔の日本では3世代同居が当たり前だったので
早期認知症の疑いがある行動が見られた場合には
高齢者に一人で買い物に行かせずに同伴することで
防ぐことが出来たかも知れませんが、
現代の日本では高齢者の一人暮らしも少なくないことも
高齢者の万引きの摘発が増えている要因になっているかも知れません。