日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業って何だろう?

2006-02-15 23:02:53 | ビジネス
今日、JALの役員以下部長クラスの署名を持って、社長、副社長及び専務の退任を迫っていたことが、分かった。
既にニュース番組やYahooなどで配信されているので、ご存知の方も多いことだろう。
このニュースを聞いて、20年以上前三越百貨店で起きた社長退任を迫った事件を思い出した。
もちろん、今回のJALと三越百貨店ではその理由はまったく違う。
ただ、社長自身が企業の中でどのような評価?評判を受けているのかまったく知らなかった、という点では同じような気がする。
とすれば、「企業ってなんだろう?」「企業経営とは、どんなことだろう?」ということについて、常に考えていなくてはいけないのは社長やCEOと呼ばれる役職にある人たちなのではないだろうか?
一見当たり前のような気がするが、日々の事柄に忘れてしまいがちなことのような気がするのだ。

今回のJALの場合、昨年からトラブル続きが最大の要因だろう。
ライバル企業ANAは業績好調なのに、JALは一連のトラブルで客離れが激しいようだ。
単純ではあるが「旅客輸送とは何か?」ということが、JALに関わるすべての人々にどれだけ徹底的に、認識され「JALの提供するサービス」の意味が共通理解されていないために起こっているトラブルのようにも思えるのだ。
もちろん、業務の効率化などの御旗元、現場と机とのギャップと言うものがあるのかも知れない。

もうひとつ、今日話題になっているのがディスカウントストアー「ドンキホーテ」が、チェーン展開をしているお弁当屋「オリジン東秀」の敵対的買収だ。
既に一般市場から46%以上の株を取得したようなのだが、何故ディスカウントストア-の「ドンキホーテ」が、お弁当屋さんなのだろう?
以前、何かの雑誌で日産のカルロス・ゴーン氏のインタビューを読んだことがある。
その時、ゴーン氏の言葉で印象的だったのは「敵対的買収は、ほぼ失敗する」だった。
ゴーン氏は「企業には、『企業文化』と言うものがあり、その文化を創っているのはお客様だけではなく、従業員一人ひとりも大きく関わっている。それを理解しないで買収に乗り出しても、成功はしない」という内容のものだったと、記憶している。
「オリジン東秀」が展開しているお弁当屋さんが、名古屋にないため?どのような事業展開をしているのか把握していないのだが、やはりディスカウントストアーとは企業文化が違うのではないだろうか?
それじゃなくても、「ドンキホーテ」は、ビルの屋上にジェットコースターを設置しようとして(実際に設置したようだが)、周辺住民から反対をされている。
どことなく、客商売をしながらお客様のことを考えていない企業のようにも思えるのだ。

「企業って何だろう?」「企業経営をすることは?」ということは、企業人であれば常に考えていることだと思うのだが、最近は「儲けるには?」ということばかりに熱心な経営者が目立つようになってきている気がする。