日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

面倒見の良い大学?

2006-02-08 21:28:01 | アラカルト
毎日新聞のWEBサイトに社会人基礎力:実行力や協調性など育成へ 経産省が対策という記事が、Upされている。

この記事を読むと「産業界の悲鳴」に大学が応える、ということのようだ。
もちろん、このような「実践向け社会教育」を大学で行うことで「就職に強い大学」というアピール力を大学も持つことができる。
毎年一般週刊誌や経済雑誌には、このような大学ランキングが登場する。
でも、そんなところまで大学が面倒を見る必要があるのだろうか?
そもそも、大学は専門的な知識を得るところであって、学生の就職にまで口を出すところではないと思うのだが・・・。

それよりも記事中にある、「協調性がない」、「実行力ということが身についていない」ということは、就職云々ではない問題のような気がする。
こういうことは、小学生の頃から言われてきたことでは???と思うのだ。
確かに「みんなと仲良く」と言っても、なかなか上手くできるものではない。
私自身、みんなと仲良くできるどころか、やや問題児的存在だったと思っている。
その中で「どうしたらいいの?」と一生懸命に子供なりに考えて、行動することで「人の気持ち」を知ったり、生理的にどうしても合わない人と上手に距離を置くということを学んできた。
それは決して「ノウ・ハウ」があるわけでもなく、当然マニュアルなど存在しない。
そのような過程を踏むことが、社会に出てから役に立つのだと思う。
それを、産学協同で教えるというのは、違うように思うのだ。

「個性を大切に」ということが、いつのまにか「ワガママ」や「エゴ」を容認するという意味にすりかえられてしまったのでは、ないだろうか?
「個性を大切にする」というのは、「互いの長所・短所を理解しあい、尊重する」ことではないだろうか?
自分のことばかりを言うというのは、我儘というのではなかったか。
そんなことを、どうして二十歳を過ぎた大学生に教える必要があるのだろう?

確かに、協調性のない、場当たり的でお調子者のような新社会人はいる。
社会に出て「それは違う」ということを知り、幾つモノ壁にぶち当たりながら成長していくのが、若さではないだろうか?
「そんなことをすれば、挫折感から引きこもりになってしまう」というのでは、余りにも過保護的な気がする。
そして企業も、厳しくも暖かい眼差しで、新入社員たちを見守って欲しいと思う。
なぜなら、彼らが企業の未来的価値を高める人材だからだ。