日々是マーケティング

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ガソリン税と公共事業

2007-11-14 22:21:19 | 徒然
今日の朝日新聞他に国費投入35兆円超 道路財源「使い切り」10年計画案と言う記事が掲載されていた。

「道路特定財源」というのは、言わずと知れたガソリン税などから徴収された「使用目的税」を財源としている。
この「道路特定財源」を使って、新しい高速道路などをこの10年間で造り切るというのが、この記事の内容だ。
ここで気になることが、いくつかある。
一つが、財源の中心となっているガソリン税だ。
ご存知のように、ここ2、3ヶ月の間に原油の値上がりなどでガソリンが高騰している。
そのガソリン価格のうち、原価や石油会社、ガソリンスタンドなどの販売利益以外で大きな割合を占めるのがガソリン税だ。
このガソリン税、実は30年以上前から特別措置法で税率がアップしたまま、今日まで続いている。
当初は、オイルショックによる暫定的措置だったはずなのだが、なぜか30年経った今でも「暫定特別措置」が続いているのだ。

この間、日本津々浦々集票のためのような「公共事業」として、高速道路が次々と造られてきた。
オイルショックが起きた時、時の総理大臣・故田中角栄氏の唱えた「日本列島改造」にひきづられる様に、本当に必要なの?と思われるような高速道路が造られたのだ。
東名・名神などのように収益が出る高速道路もあるのだが、収益がまったく見込めない高速道路も数多い。
この計画で、一時期頓挫していた高速道路などの建設と言う公共事業が再び復活するようなのだ。

ところが、新しい高速道路ばかり造る必要があるのか?という論議は殆どない。
東名・名神など昭和30年代~40年代初めに作られた高速道路などは、既に老朽化し始めているのではないだろうか?
それ以外の交通量の多い古い国道や、橋などは老朽化とともに維持・管理費が増え始めているはずなのだ。

今年アメリカのミネアポリスで橋が崩壊すると言う事故があった。
この事故の原因は、老朽化といわれている。
このような危険性のある橋梁は、日本にもあるはずなのだ。
むしろ交通量の多い古い国道の橋梁などは、このような危険を含んでいると考えるべきなのではないだろうか?
このような「危険性のある道のメンテナンス」も、重要な公共事業だろうし、その財源として「ガソリン税」などを使うべきなのではないだろうか?

このような「公共事業」は、選挙公約となるような「派手なモノ」ではない。
だから、選挙の目玉とはならないだろうし、集票できないと考えるのかも知れない。
生活者感覚からすれば、そろそろ「公共事業」を選挙公約にするのは止める時期にきていると思うのだが・・・。
そして、「暫定的特別措置」状態のガソリン税のあり方など、見直す必要があるとおもうのだ。