日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

テレビCMは、うざいか?

2007-11-06 20:54:45 | マーケティング
今日の朝日新聞のWEBサイトに、「正解はCMのあと」は逆効果 視聴者86%「不愉快」という記事が掲載されている。
テレビドラマなどが全体的に不調と言うこともあるのだろうか?
最近の民放は、クイズやバラエティー番組が、ゴールデンタイムに放送されることが多い。
実は、テレビCMを見るのが半ば趣味のような私であっても、ドラマやクイズ、バラエティー番組そのものは余り見ていない。
自己完結番組が多いと感じるコトと、「芸」のある芸人さんが減ってきたように思うからだ。
ジャニーズと吉本興業で作られていると言っても過言ではないくらい、民放局では毎日登場するタレントさんが、限られていると言うこともあるのだが・・・。
そのため、この記事にあるような「正解はCMの後で」と言う番組そのものを見ることは、殆どない。
と言うものの、このアンケートの答えた人たちの気持ちがわからないわけではない。

これは「感覚的時間」の問題なのだが、テレビ番組の山場に差し掛かった時に感じる時間と、その山場に入ってくるテレビCMの同じ30秒は、感覚的に大きく違う。
ドラマやクイズ番組などよりも、野球などのスポーツ番組のほうがこの「感覚的時間差」をより感じるはずだ。
例えば、2アウト満塁・2ストライク3ボール、点差2点と言う場面。
一打逆転と言うときに、CMが入ってきたら・・・試合が気になって1分半程度のCM時間は、10分くらい長く感じるだろう。
CMが終わり、いきなり打者がサードを回りホームベースに向かっているという場面を見たら、その悔しさは・・・思わずテレビに向かって「バカヤロー」と叫びたい気持ちになているのではないだろうか?
その後いくらリプレイされても、そのホームランの場面を見逃した悔しさは、スポンサーへと向けられるのではないだろうか?
これは分かりやすい場面での話だが、例えドラマやクイズ番組、バラエティー番組であっても、同じコトだろう。
その意味で、今回の調査はとても意味があると思うのだ。

これまでの「山場」にCMを持ってくることで視聴者をひきつけることができる、と言う(スポンサー企業・広告代理店の)思惑は、見当違いどころか視聴者にマイナスイメージを植え付けていると言うことが検証されたのだから。
考えてみれば、このような「見当違い」というコトは、案外多いのではないだろうか?
常々「現場に出かけて生活者の姿を見る」と言うことの、重要性を拙ブログで書いてきているが、これなども企業側の視点から一視聴者という気持ちになってみれば、当然の調査結果だ。

企業人として生活することも大切だが、その前に一生活者としての視点・発想があって、はじめて意味をなすのではないだろうか?