日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

これから本格的な反撃な始まり?-Docomo新機種-

2007-11-01 23:10:19 | トレンド
今日、Docomoが冬バージョンを発表した。
現行機種総てをリニューアルと言うくらいの、大規模な新機種発表となったようだ。

「反撃してもいいですか?」と高らかに謳ったDocomoだったはずなのだが、「反撃」そのものがなかなか見えてこず、ここ暫くは「一人負け」状態が続いていた。

「反撃」の狼煙は、「若い女性層を意識したコンテンツの充実」としてゲームの充実を図ったはずなのだが、結局のところ「ひとりWii」のようなゲームを楽しむような若い女性は余りいなかったようだ。
マーケターとしては、最初から「ゲームを充実させた携帯電話」に若い女性が飛びつくとは思ってはいなかったし、テレビCMを見ていても「Wii」を友人や家族で楽しんだほうが、はるかに楽しい時間が過ごせると感じていた。
「ゲームをする」と言う時間の過ごし方に対して、その目的「楽しい時間の過ごし方」とツールと言う関係を読み間違ったと言う意味で、「失敗したマーケティング」としてとても勉強になったのではないだろうか?

以来、DocomoのテレビCMは「価格競争」へと巻き込まれていく。
すなわち、昨年暮れにソフトバンクが打ち出した「想定外な料金設定」に対抗せざる得なかったのだ。
「Docomoの強みとは何なのか?」と言うことを、忘れてしまったが為に様々な「反撃」が「空反撃」となってしまった。

その「空反撃」挽回策が、今回の新機種なのかも知れないのだが・・・果たして、本当に生活者が求めているサービスや料金システムとなっているのだろうか?
まず目を引くのは、「高多機能化」だ。
auが、若年層を中心に人気となったのは、「くりこし」や「パケット定額制」などだけではない。
「着メロ・着うた」などの音楽配信と「パケット定額制」を、結びつけることによってサービスの充実とポイントを分かりやすく、伝えることができた。
ソフトバンクは、「想定外割引」をはじめとした「利用料金」に特化性を持たせるコトで、ソフトバンク利用者を増やすと言う戦略が成功した。
もちろん、機能などの充実があってのことだが、だからと言ってDocomoとソフトバンクの機種の間で、それほど大きな違いを利用者は感じていなかったのではないだろうか?

すなわち「高多機能」機種を利用者が求めているのではなく、「携帯電話で何をするのか」と言う使う目的で選んでいる、と言う点があるのではないだろうか?
「様々な機能をもっている機種を提供することで、利用者の選択肢を増やす」というコトなのだろうが、利用者が何故auやソフトバンクを選ぶ人がいるのか?と言うことを、分析し、Docomoの強みをもう一度見直すことが、本当の「反撃」となるのではないだろうか?