Facebookの知人が、ある記事をシェアしていた。
BUNGALOW:まるで本物の錦鯉のような日本酒が海外のデザイン賞を総なめにしている!
元々、日本国内で販売をするということを考えていなかったのだろう。
ボトルそのものが、いわゆる「日本酒の瓶」ではない。
ボトルデザインに使われている色が、白と赤。
「日本らしさ」という点でいえば、1964年の東京オリンピックの亀倉さんのポスターと同じような、シンプルさを感じさせる。
余分な装飾的なものを排除した、デザインというべきかもしれない。
それだけでも印象的なのに、そのボトルをパッケージに入れると「錦鯉」が見えてくる。
ボトルをパッケージに入れたとき、ボトルが「錦鯉の背」のように見えるようにデザインされているのだが、アイディアとしては、決して突飛なアイディアではないと思う。
ボトルを入れていない時は、ただ「魚の絵のようなものが切り取られているデザイン」という感じにしか見えないだろう。
ボトルにしても上述した通り、「白と赤」のデザインというだけで、「錦鯉」を連想させるようなデザインではない。
ところが、ボトルがパッケージに入るコトで「錦鯉」が現れる、というのは相当計算されたデザインだということがわかる。
シンプルな中に現れる、「豪華さ」というべきなのだろうか?
昨年は「デザインとは」ということを、考えさせられるコトが多かった。
2020年の東京オリンピックエンブレム問題では、「プロから見るとオリジナルだが、素人から見るとパクリ」という、指摘もあった。
「オリジナリティー」と「クリエイティブ」の難しさを、考えさせられた年でもあったような気がする。
この酒瓶とパッケージは、そんな「デザインの難しさ」を、軽々と飛び越えてしまっているような印象すら受けるのだ。
そしてこのような「デザイン」が、本当の「デザイン力」なのでは?と、感じさせるのだ。