先日、日本のATMから多額のお金が、偽造クレジットカードを使って不正に引き出された、という報道があった。
使われた偽造クレジットカードのほとんどが、中国語によるものであったということだったが、一体どのATMで引き出されてのか?と、不安に思われた方も多かったのではないだろうか。
その続報をロイターが、伝えている。
Yahoo!トピックス ロイター:アングル 14億円ATM不正引き出し、管理甘い日本狙い撃ちか
不正引き出しに使われたATMは、どうやらセブン銀行がコンビニなどに設置していたATMだったようだ。
ご存じの方も多いと思うのだが、ここ2,3年「まちかどATM」のようなATMが増えてきている。
例えば、地下鉄駅の入り口近くとかスーパー、もちろんコンビニにもATMが設置されるのは、当たり前になってきている。
その中で特に目立つのが、「イオン銀行」と今回不正引き出しをされて「セブン銀行」だ。
それだけではなく、この2社の銀行のATMは、提携銀行の数も多く、手数料が無料という場合も多い。
おそらく、そのような事情が分かってたからこそ、犯人は使ったのだろう。
考える必要があるのは、「セブン銀行」や提携銀行のキャッシュカードを使っての「不正出金」ではなかった、ということだ。
それほど、クレジットカードでの出金(=「キャッシング」)が普通に行われている、ということだと思う。
キャッシュカードで出金できるのは、あくまでも残高がある範囲の金額まで。
しかし「キャッシング」は、残高とは関係なく、ある程度の金額を借りるコトができる。
そのような仕組みだからこそ、クレジットカードには利用者の個人情報、特に利用履歴のデータ蓄積が重要だ、ということをこの事件は、教えているような気がする。
もちろん「個人情報」なので、その管理はとても高いセキュリティーを必要とするからこそ、「生体認証」などのシステムを導入する必要があると思う。
何より「クレジットカード」と「キャッシュカード」との大きな違いは、国内外で使えるか否かという点だ。
海外では、すでに一部の「クレジットカード」には、「生体認証システム」を組み込むような動きがある。
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「クレジットカード」のために市中のATMを全て、生体認証機能付きATMに一斉に変えることは難しいだろう。
しかし、経済だけではなく「人の行動」もグローバル化していて、海外からの観光客を増やしたい、と考えるのであれば、このようなシステム構築を急ぐ必要があると思う。
なぜなら、観光客に「安心を与える(=安心をして買い物やサービスを提供できる)」ということもまた、観光には必要なことだからだ。