マーケティングという分野は、特に限定された業種だけを対象として、仕事をする訳ではない。
むしろ、意外な接点から、まったく違う視点で発想するコトが大切かもしれない。
「AとBの関係性」は、まったくないように思えてもそこに「C」という関係が加わるコトで、「A-C-B」という関連が見つかるコトがある。
むしろ、そのような関連を見つけるコトが、マーケティングの発想には必要かもしれない。
そんな内容を、まったく違う視点で述べてある記事があった。
ただし、「A-C-B」という関連は全くないのに、さも関連があるかのように述べられている、という視点で書かれた記事だ。
朝日新聞(アピタル):これって効きますか?「離婚率」と「マーガリンの消費量」の近くて遠い関係
実は、この記事を書かれた大野先生の講演を以前聞く機会があった。
とてもユーモアに富んだお話しで、「腫瘍と代替療法」の難しい話とは感じない内容だった。
「がん」という病気に関していえば、実はこのような「因果関係」と「相対関係」が、混同して述べられるコトが多い。
特に「代替療法」に関しては、「因果関係」と「相対関係」を上手に混ぜ合わせて、高額で効果のない民間療法をさも効果があるかのように謳うところが多い。
何より、藁にもすがる思いで「効果が無いかもしれない」と患者は思いながらも、高額な民間療法を「あなたのためよ」勧めるのは患者家族ではなく、親戚とか知り合いなので始末が悪い。
ただ「がん」に関する「代替療法」とは違い、ビジネスでは「因果関係」と「相対関係」の両方を分析していくコトで、生活者の「生活観の変化」や「余暇時間の過ごし方」などを、知るコトができる。
「カラーテレビの普及」と「女性の平均寿命」の関係の中には、「料理番組の普及」ということがあったかもしれない。
それらの番組を通して、日本の食生活に少なからず影響を与えたかもしれない・・・などと考えると、次に調べることは、食事メニューや消費される食品など「食全体の変化」という視点が必要になってくる。
さすがに「マーガリンと離婚率」の因果関係は無いはずだが、実はマーケティングで大切なことの一つは「C」となるモノを見つけるコトだと考えている。
その「C」となるモノは、まったく違うトコロにあるコトが多いため、様々な情報のストックをしておく必要がある。
今回大野先生の記事は、「因果関係と相対関係の違い」を知る良い材料だと思ったのだが、このような情報を見つけることもまた「C」を見つけるのと同様に大切なことであり、異なる分野からも学べるという格好の材料だと思う。