米国大統領選の共和党候補は、ほぼトランプ氏に確定しそうだ。
トランプ氏は、数々の暴言で話題をさらい、富裕層出身者でありながら支持者は白人ブルーカラーという対極にある層から支持される、というこれまでの候補者とはずいぶん違う選挙戦を繰り広げてきた。
むしろ「これまでとは違う」コトが、共和党支持者の中でもなかなか「声が挙げられなかった層」からの支持が得られた、ということかもしれない。
というのも共和党の主流派というのは、大企業や金融関係のロビー活動の一つとして、多額の寄付金をもらって選挙戦を繰り広げるのが「これまでの選挙」だったからだ。
そのため、共和党の政策は「大企業、金融優遇寄り」と、言われてきた。
その選挙戦と言えば、使われる「キャンペーンソング」もまた、次から次へとアーティスト側からの「使用禁止」を出されている。
昨日のYahoo!のトピックスでも、ローリング・ストーンズが「選挙で使わないように」と、トランプ氏側に通告していることを取り上げていた。
ただ、トランプ氏が選挙で盛り上げるために使用する楽曲を見ると、なかなか良い楽曲を選択しているのだ。
共和党候補にほぼ確定となった時に使った楽曲は、ローリング・ストーンズの「Start Me Up」は「もう、止まらずに突っ走るぜ!」という内容。
共和党候補としてほぼ確定をしたのだから、「ここから大統領選に向けて行くぞ!」という、意気込みを表したと言えるだろう。
その前に使用禁止通告をしたのはアデルで、使われた楽曲名は「Rollinng In The Deep」だった。
「深く、燃え盛る炎」という内容のラブソングですが、ラブソングというよりも、トランプ氏はタイトルのイメージで起用されたのかもしれない。
他にも、予備選の前哨戦となる昨年10月に使用した楽曲は、エアロスミスの「Dream On」。
「夢を叶えるぜ!」という状況であったコトを考えれば、最適の選曲だっただろう。
トランプ氏ほどではないが、大統領選挙で使った楽曲の「使用禁止」を言われた大統領もいる。
故レーガン大統領だ。
選挙で使った楽曲は、ブルース・スプリングスティーンの「Bron In The USA」だ。
タイトルだけを見ると「愛国賛歌」のように思えるタイトルだが、実はベトナム戦争とその後を批判した内容。
確かに、スプリングスティーンの力強い声で「Bron In The USA」と歌いだされるので、どうやらレーガン大統領の選挙参謀たちが、勘違いをしてしまったようだが、スプリングスティーン自身は、楽曲が使われた直後「楽曲の使用禁止と反レーガン。民主党支持」を表明している。
ただ、皮肉なことにレーガンが選挙に勝ち、大統領になってしまった・・・という経緯がある。
トランプ氏が、次から次へとロックやアメリカンポップスを使うのは、トランプ氏本人が好きな楽曲、ということもあるだろうが、おそらく支持層に人気があるアーティストだからだろう。
そのような視点で見ると、アメリカの大統領選もアメリカという文化の一つ、という気がしてくる。