日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

パソコン周辺機器メーカーと肩こりの関係

2016-05-11 21:21:01 | マーケティング

必要に迫られて、ネットで様々な商品を探すコトがある。
私だけではないと思うのだが、「探し物をする」時ネットというのは、実に便利だ。
ただ「探し物」をしている最中に、「あれ?!」と思うことがある。
特にその企業とサイト上で見つけた商品と、関連性がほぼ無いのでは?と、感じたときはより印象が強く残ることがある。

今回もパソコンの周辺機器を扱っている企業が、「低周波治療器」の広告を出していて「あれ?」どころか「何故?」と、しばしPCの前で考えてしまった。
低周波治療器の広告をサイト上で出していたのは、エレコムだ。
そのエレコムのHPのトップに、「低周波治療器」がいきなり登場する。
そしてよくよく見ると「ヘルスケア」という、商品カテゴリーのコンテンツもある。

おそらくエレコム社製のUSBやもメリーカードを持っていらっしゃる方は、多いと思う。
しかし「ヘルスケア」という事業分野に、パソコン周辺機器メーカーであるエレコムが進出しているとは、思ってもみなかった。
「ヘルスケア」商品のラインナップを見て、「なるほど!」と思ったのだ。
その一つが「活動計」だ。
「活動計」そのものは、国内外の企業の参入が多い分野だと思う。
当然企業規模も様々。
オムロンのように元々「ヘルスケア」事業を行っている企業もあれば、余り名前を聞いたコトが無いような海外の企業もある。
そして母体となる事業分野も様々だ。
オムロンのような「ヘルスケア」事業中心の企業から、エレコムのように「パソコン(やスマホなどのモバイル)と接続する・通信をするツール」のメーカーまである。

「活動計」と言っても、オムロンとエコレムとでは「つくる」アプローチが全く違うのだ。
オムロンはもちろん「健康」という視点。エレコムは「パソコンやモバイルツールの活用の幅を広げる」という視点のように思われる。
「活動計」と言っても、つくる側の発想や視点が違うのだ。

それと同じように「低周波治療器」も、大手家電メーカーをはじめとする既存メーカーは「肩こりや疲労」などからの発想だと思う。
エレコムの場合「PCなどを使う人の問題解決」という視点や発想から、製品を作っているような気がするのだ。
そう思う理由は、本体とパットが別々という点だ。
大手家電メーカーに限らず既存メーカーは「本体とパット一体型」。
「肩こりなどを広くマッサージをする」ということだと思う。
それに対してエレコムの商品は「モバイル型低周波治療器」と銘打っているように、モバイル=携帯性を重視している。おそらく「スマホをしながらマッサージ」という感覚の提案なのだと思う。

どちらが便利なのか?ということではない。
「一つの商品でもつくる側の発想」の違いがあり、事業領域とは関係なさそうに思えても「使う人の問題解決」という視点で考えれば、関係のない事業領域であっても関連性がある、ということなのだ。
バブルの頃のように、「事業拡大」と言って全く関連性のない事業分野に進出をし、失敗した企業はたくさんある。
だからこそ、「事業領域とユーザーの問題解決」のマッチングの視点は、重要なのだと思う。