日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

新しい百貨店のビジネスモデルとなるか?

2016-05-30 21:03:13 | Weblog

朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、百貨店ならぬ「百万貨店を目指す」という見出しがあった。
朝日新聞:そごう・西武が”百万貨店”目指し商品調達先を公募

実際の記事を読まれるとわかると思うのだが、この記事は「記事であって、記事ではない」。
あくまでもそごう・西武が新しい商品調達先の応募を促す、PR記事なのだ。

ただバブルが崩壊してから20年あまり、百貨店そのものが「変わる」ことが求められ続けてきた。
イオンなどの大手スーパーや、楽天やAmazon、Yahooなどのネットサイトに押され、今では「百貨店という売り場を貸すコトで、売り上げを確保している」とまで、言われることもある。
ここ名古屋でも、松坂屋が「ヨドバシカメラ」に、複数の売り場フロアーを貸している。
名古屋の地元の人からすると「松坂屋が、テナントとしてヨドバシカメラを入れる」ということ自体、衝撃的でショックなことはなかったと思う。
なぜなら、名古屋の中でも別格扱いをされる松坂屋が、テナントとはいえヨドバシカメラを入れるほど、百貨店としての「プライド」を失くしたのか?と思われるほどの出来事だったからだ。
実際、松坂屋の中にあるヨドバシカメラに行くと、当たり前なのだが、松坂屋らしさは一切なく「ヨドバシカメラ」
の店舗となっている。初めて行った時、一瞬「異次元の場所」のような錯覚を起こしてしまった。
それほど、今の「百貨店」そのものが「次の一手」が出せないまま、苦しんでいる。

そごう・西武が打ち出そうとしている「百万貨店」というのは、「オムニチャネル」と呼ばれる、あらゆる小売り・流通チャネルを総合的に使うという方法。
IT用語辞典:オムニチャネルとは

「本来あるべき百貨店の姿を取り戻す好機」と、記事中にはある。
確かに、「顧客接点を増やし、ニーズを把握し、提供する」というのは、小売りの基本だ。
まして、「モノを売る手段」は、多様化している。
そのために、あらゆる販売・流通チャネルを使うことは、必要だろう。
その意味で、挑戦的(というか冒険的)ではあるが、一つの「新しい百貨店ビジネスモデル」となるかもしれない。