今日の朝日新聞に、「これってどうよ?!」と感じた記事があった。
朝日新聞:超小型EV、名大キャンパスで実証実験 将来は学外にも
この超小型EV車のEV関連の開発をしたのは、青色LEDの開発でノーベル賞を受賞された名大の天野教授だ。
その天野教授が取り組む研究だからこそ、名大も力を入れている、ということは良く分かる。
ただ、このモデルとなったトヨタの超小型車を見て、何か感じないだろうか?
「どこかで見たデザイン」という気はしないだろうか?
メーカーは忘れてしまったが、10年余り前「超小型車」としてドイツの自動車メーカーが発売した「スマート(という名前だったと思う)」に似ているような気がするのだ。
それだけではなく、既にEV車そのものは実用化され三菱の「アイ・ミーブ」とか、日産の「リーフ」などが、一般車両として街中を走っている。
記事で読み取れる「新しさ」は、「自分でEVステーションに行く」ということくらいだ。
確かに、技術的には素晴らしいことなのかもしれないが、その程度(といっては失礼だが)では、インパクトも何もないように感じるのだ。
何故なら、「お掃除ロボット」の多くは、このような機能を持っているからだ。
生活者側としては、「お掃除ロボットの技術応用かな?」くらいにしか感じないのでは?ということなのだ。
これが例えば、「EVステーションに行くことなく、走行中にも自動で電力供給がされ、運転ができる」というのであれば、インパクトがあるどころか、大きなイノベーションとなると思う。
何故なら、自動車を運転していて「ガソリンを入れる」ということは、面倒なうえに「ガソリン切れ」などの心配があるからだ。
お盆休みなどで、大渋滞の最中ガソリンの残量が少なくなって、焦った!という方は、少なくないだろう。
他にも地方に行けば「ガソリンスタンドの激減」が、生活に支障をきたしている、という話も随分前からある。
もちろん、ハイブリッド車であればそのような心配は軽減されるだろうが、EV車であっても同じような心配や面倒臭さは変わらずにあるのでは?と、考えている。
言い換えれば、クルマのエネルギー源の補給の心配は、運転中にあるということだと思うのだ。
トヨタ側は、天野教授の研究をサポートしているだけではなく、様々なベンチャー企業に同様の投資をしているようだ。
朝日新聞:車の未来、つくろうよ トヨタがベンチャーと連携加速
確かに、今までのようなクルマづくりでは、「車の未来」を描くことは難しいだろう。
Co2の削減の為に、自動車のEV車両化は必須となってきている。
と同時に、日本よりも市場が大きな中国なども、急速な高齢者社会に突入していくことは、間違いない。
それは日本のような「生活者の意識変化」ではなく、長い間撮り続けてきた「一人っ子政策」という国の政策によるものだ。
日本や中国ほどではないにせよ、欧米でも緩やかな高齢者社会になることは、免れないだろう。
高齢者社会というのは、これまでの「自動車の在り方」のような考え方では、対応できることではない。
だからこそ、トヨタはトヨタ社外のアイディアを必要としているのだろう。
しかし、その関係はWin-Winの関係なのだろうか?
トヨタという資本力のある企業とのジョイントは、大学発を含ベンチャーにとって魅力的だと思う。
思うのだが、それはトヨタの意向に沿うモノづくりとなっては、「トヨタの下請け」になってしまう可能性も大きいのでは?
ベンチャー企業は、発想だけではなく自由な行動力があってこその魅力なのでは?
ベンチャー企業側から見たWinな関係ということもまた、日本のモノづくりを元気にさせるためには必要なことだと思うのだ。