今朝のYahoo!のトピックスをチェックしていたら、興味深い記事があった。
この夏シーズン始まりのテレビ朝日系で放送されているドラマ「ハゲタカ」の作者・真山仁さんの講演会の記事だ。
基となっているのは、伊勢新聞というローカル紙の記事だ。
伊勢新聞:常識疑う視点を「ハゲタカ」の作者真山氏、津で講演
講演の内容については、記事を読んでいただければ、と思っているが、この見出しにあった「常識を疑え」ということは、マーケティングではよく言われていることだ。
インターネットなどの情報ネットワークの拡大により、様々な情報が飛び交い、受信することが当たり前になった時代だからこそ、「常識を疑う」ということは、とても重要だと思う。
何故なら、「常識」そのものが、陳腐化してしまっている場合が、あるからだ。
分かり易い例を挙げるなら、私が高校生だった頃、炎天下でスポーツの練習をしていても「水は飲むな!」が常識であった。
当時はそれが「常識」で、何の根拠も示されず、信じられていた。
今となっては「殺人行為」とか「虐待(あるいはハラスメント)」と、訴えられてもおかしくはないような「常識」が、まかり通っていたのだった。
もう一つは「時代の変化に伴う、価値観の変化」だ。
経済などは、この「時代の変化に伴う、価値観の変化」が、それまでの「常識」を覆すことになる場合が多い。
「労働に関する意識調査(あるいは生活意識調査)」などは、分かり易い例だと思う。
かつては「会社に尽くすように働く」ことが良しとされていたし、そのような意識で働いている人も多かった。
今は「仕事も大事だがプライベートも大事」という、意識変化が表れている。
以前は「仕事重視の人生価値観」だったモノが、「仕事もプライベートもバランスの取れた人生観」へと変化している、ということになるだろう。
もっとも今の若い世代の方たちは、生まれてから一度も「好景気」を体験していないので、バブルを経験した世代とは、様々な価値観が当然違っていてもおかしくはないはずだ。
残念なことに、人は自分を中心にものごとを見る傾向がある。
このような文章を書いている私自身も、「自分を基準に様々なモノ・コトを見て・判断をしている」といっても、過言ではないと思っている。だからこそ、自分の価値観を含めて「疑い・問題の本質を探し、最善の策を考える」ということが、必要なのだと思う。
そしてそれらの解答は、HOW to本や自己啓発本などには、書かれていない。
自分で疑問に感じ、考えるしか解答は無いのだ。
今テレビ朝日系で放映されている「ハゲタカ」を、Tverで見ていると「ハゲタカ」と呼ばれる外資ファンド側の視点や思考が、この「疑い」、「鷹のような俯瞰の視点と虫のような現場の視点」という両方の視点で、邦銀の担当者を追い詰めているということが良く分かる。
残念ながら、NHK版の「ハゲタカ」を見ていないので、テレビ朝日版の「ハゲタカ」の話になってしまうのだが、邦銀の帳簿上の数字だけ、役員の意向ばかりに目を配っている、という点などは、ビジネスパーソンにとって一つの教訓かもしれない。
そして主人公が「あなたにとって、会社とは何か?」という問いかけは、ビジネスキャリアの有無に関係なく、常に心に留めておく問答のような気がする。