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NHKのワンセグ受信料徴収を考える

2019-03-15 21:12:06 | 徒然

先日「スマホなどでのワンセグでの視聴は、NHKの受信料を支払う」という裁判で、最高裁は上告を退ける決定をした。
時事通信: 「ワンセグ携帯も義務」確定=NHK受信契約、上告を退けるー最高裁 

このニュースを聞いたとき、iPhoneのようにワンセグ受信の機能がついていないスマホなどの市場拡大は、あるのだろうか?ということが思い浮かんだ。
もちろん、iPhoneにもワンセグの受信ができるアタッチメント(というのだろうか?)を取り付ければ、受信できるようになるらしいのだが、そこまでしてワンセグでテレビ番組を見たい!という人は、余り多くないのでは?
むしろ、androidを最初から選ぶのでは?という気がしたのだった。
とすれば、iPhoneをはじめとするAppleの商品は、基本ワンセグ機能が無いようなので、NHKのこのような受信料の徴収がまかり通れば、意外な影響をスマホやタブレット端末、PC市場に及ぼすのでは?と、感じたのだった。

この裁判では、スマホなどの携帯電話に対して受信料を支払え!と、NHKは言っているように思えるのだが、実はワンセグ対応のカーナビなども対象となるようだ。
くるまのニュース:「NHK契約」カーナビも?最高裁「ワンセグ付き携帯も契約義務」各社の反応は?

確かに、ワンセグ機能がついているカーナビも同様の判断をされるのは、容易に想像がつく。
ここまでくるとNHKの主張は、「映像を受信できる全ての機器は、受信料徴収の対象となる」ということのように思えてくるのだ。
今回の最高裁の判断は「ワンセグ」だったが、今後NHKが積極的に展開をしていきたい(と考えているように思える)ネット配信などについても、受信している・していないに関係なく「受信料の対象」と言い出してくるような気がしてならないのだ。

現在、NHKは「放送法」という法律の中で、受信料徴収を半ば義務のように言っているのだが、今では「映像を放送・配信している」のはNHKだけではない。
民放もそうだが、今後NHKが力を入れるであろうネット配信市場などは、NetflixやHulu、AmazonPRIMEvideoがあり、NetFlixに至っては製作した作品がアカデミー賞にノミネートされるほどの作品をオリジナルで作っている。
もちろん、Netflixをはじめとするネット配信サイトは、有料会員を対象としているのだが、これまでのNHKの主張が認められるようになると、ネット配信サイトの市場はどうなってしまうのだろう?

NHKは「全ての国民に豊かな娯楽と情報、公正な報道を提供する」ことを目的として、受信料を徴収するということになっている(という理由だったと思うのだが)。
そのために、(地デジ放送開始以前の)地上波の視聴困難地域に対する設備投資などを受信料で行う、ということだった。
そのような問題が、地デジ放送開始によってほぼ解消され、若年層を中心にテレビの視聴離れが進んでいる今、時代にそぐわないように思うのだ。