日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

市場を見るためには、遠近の視点が大切?

2019-03-04 20:08:43 | ビジネス

このところ、セブンイレブンの24時間営業についてのニュースが、続いている。
そんな時、日経のコラムCOMEMOに「富士そばは24時間営業をやめないでほしい」という内容のコラムがあった。
COMEMO:富士そばは24時間営業をやめないで!

この記事を読まれて「富士そばって、何?」と思われた方もいらっしゃるのでは?
「富士そば」の社長さんは、経済誌などでも取り上げられる名物社長さんなので、名前は知っているが実店舗は知らない、という方のほうが多いと思う。
何故なら、「富士そば」は東京をはじめとする首都圏で展開をしている「立ち食いそば屋」さんだからだ。
おそらくこのコラムを書かれた方は、「富士そば」が東京をはじめとする首都圏で展開をしている「地域限定」だとは、知らなかったのでは?という気がしている。
東京視点で考えれば、「24時間営業していて、手軽に食べられる立ち食いそば屋さん」の存在は、ありがたいと感じるだろう。
しかし、地方ではどうなのだろう?

もう一つ同じCOMEMOに、「文化の違いを押し付けられてもな~」という気がしたコラムがあった。
COMEMO:外国から見た特異な日本13 ボタン付けなども全て自分でやる
このコラムを書かれた方は、現在シンガポールに住んでいらっしゃるようだ。
このような書き方をされると、「ボタン付けなどを自分でやることは、非効率的だ」とも読み取れてしまう。
元々、香港やシンガポールでは、家庭で食事をするという文化が無い、と言われている。
だからといって、外食をすることが効率的なのか?というと、どうなのだろう?
外食といっても、毎食レストラン(ファミレスも含む)で食事をする、という訳ではなく、多くの場合は屋台の食事だと聞いたことがある。
外食といっても、日本での外食と香港やシンガポールでの外食とでは「食事をする場所」が、違うのだ。

ボタン付けにしても、日本では自分でやるのが当たり前というか、ボタンが取れていることが分かって時点で付けたほうが、すぐに着られる。
いちいち外注に出していたら、すぐに着ることができない。
どちらが効率的なのか?といえば、一概には言えないのではないだろうか?
外食にしてもボタン付けにしても、それぞれの国の文化の違いということなのだと思う。
そして、シンガポールのような国のほうが世界的には、少ないかもしれない。
その文化の違いを認め合い、尊重することが重要なだけだ。

「富士そば」のコラムにしても「ボタン付け」のコラムにしても、近視眼的な内容のように感じてしまう。
コラムだからこそ、余り問題とは感じないかもしれないが、「自分とは違う考えや生活をしている人たちが、数多くいる」という視点は市場を見るときだけではなく、様々な場面で必要なことなのではないだろうか?