Yahoo!のトピックスに「ハズキルーペ」がフジテレビからテレビCMを引き上げる、という記事があった。
文春オンライン:ハズキルーペがフジテレビからCMを引き上げへ
記事を読むと、フジテレビ側とハズキルーペ側とでは、見解が違うようだ。
フジテレビ側は、製作されたテレビCMの内容について、協議をし場合によっては差し替えをしたい、という話がもの別れになったようなニュアンスだが、ハズキルーペ側は「視聴率が悪いから」と、明快な理由のようだ。
フジテレビ側が言っている「内容を協議し、場合によっては差し替えたい」というのは、製作されたテレビCMで「女性がハズキルーペの上に(間違って)座っても、壊れない」という点を指しているようだ。
このテレビCMを見たことがあるのだが、子どもの頃見た「ゾウが踏んでも壊れない筆箱」を思い出したのだ。
あの頃のテレビCMには、同じような「製品のセールスポイントを(やや)誇張した内容」が多かった。
昭和30年代後半から40年代初めの頃なら、このようなCMでも良かったと思うのだが、平成が終わろうとしている今見ると「野暮ったい」という気がしている。
だからこそ、「なぜ、女性のお尻を強調するようなアングルなの?」という疑問はあった。
別に「丈夫なハズキルーペ」を強調したいのであれば、もっと他の表現もあったのでは?
ハズキルーペ側だけの問題というよりも、このCMを製作した代理店に問題があったのでは、ないだろうか?
もちろん、CMの放映を了承したのはハズキルーペ側なので、「セクハラCM」と言われたら、そのイメージは大きく下がってしまう。
テレビCMという広告媒体の社会的影響力などを、ハズキルーペ側が理解していたのだろうか?
一方、ハズキルーペ側は「視聴率があまり良くないから」という、明快な理由を挙げている。
「若い世代を中心としたテレビ離れ」ということも、視聴率に影響しているだろうが、ハズキルーペが提供してる番組はお昼の情報番組だ。
「笑っていいとも」が放送されていた頃とは違い、今のお昼の情報番組をどのような人たちが見ているのだろう?と、想像するとやはり専業主婦の方とか高齢者くらいしか思い浮かばない。
ドラマと違い、録画をしても見たい!というほどの番組でもないだろう。
所詮(と言っては失礼だが)、元々高視聴率が期待できる時間帯でもなかった、ということのように思えるのだ。
ただ、今回ハズキルーペが「視聴率」を理由にテレビCMを引き上げる、というのはこれまでの企業とテレビ局との関係を大きく変えてしまうかもしれない。
「視聴率」が取れる時間帯のCMの放送は高額で、大企業が押さえている。
ローカル企業や全国向けにテレビCMを出したいが予算が無い企業は、どうしても視聴者が少ないであろう時間帯枠になる。
とすれば、WEBの広告動画のほうが有効かもしれない。
テレビ局側は「視聴率」ではなく、「視聴者層」などについて分析をし、その「視聴者層」に合った提案を代理店を通して行う必要がある。
様々な企業からCMを流してもらう為には、「視聴率」から「視聴者層」へと、提案する内容が変わってきているという認識がテレビ局側には必要になってきているのではないだろうか?