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GoogleMAPの不具合とゼンリン

2019-03-24 22:14:01 | ビジネス

Goolge Mapからゼンリンの名前が無くなった途端、ゼンリンの株価が下落した。
Bloomberg:グーグルマップから社名消えた、ゼンリン株が東証上場来の大幅安

そしてこの株安のニュースとほぼ同じくして、グーグルマップの不具合が起きたようだ。
日経新聞:グーグルマップに不具合、ゼンリンとの契約変更か

Google側は、ゼンリンとの契約変更による不具合を否定しているようだが、ゼンリンの住宅地図などを利用したことのある方なら、ゼンリンの地図の正確さは、十分に知っているだろう。
ご存じの方も多いと思うのだが、ゼンリンの住宅地図などは調査担当者が一軒一軒調べ、作成をしているため、相当詳しい地図となっている、と言われている。
言い換えれば、人が足でコツコツと得た情報を基に作られた地図、ということになる。

一方、GoogleMAPは衛星写真などを基に作られている、と言われている。
そのため、地図としての正確さは、どうしても甘くなってしまう、という想像はつく。
そして今回のグーグルマップの不具合は、ゼンリンからGoogleオリジナル(?)のデータによるもの、という指摘もされている。
それだけゼンリンの地図は正確であった、ということにもなる。

米国のような広大な国では、多少のズレがあっても地図全体からすれば大きな間違いと、受け止められずに済むだろう。
しかし日本では、「地図」そのものに対する情報の正確さに対して、大きな信頼を得ている為このような不具合は「地図として使えない」ということになってしまうのでは?と、思っている。

ただ、Googleがゼンリンの地図データを外したことで、この先どうなるのだろう?と疑問に感じる点がある。
それはGoogleが開発をしている「自動運転」の自動車だ。
GPS機能などを使って、自動運転をナビゲーションするということは可能だと思う。
「自動運転」をさせる為の出発地や目的地を入力する為には、地図データが必要なのでは?
その地図データが正確でない場合、自動運転の自動車は暴走してしまう可能性もあるような気がするのだ。
実際、Yahoo!などのコメントの中には、「自分の家が道路の真ん中に建っている!」という内容のものも幾つかあった。
正しくは「表示された道路が、自分の家の上にあるように表示される」ということになるのだが、地図データが違うことで起きるであろうトラブル(で済めば良いが)が、ある程度想像がつく。

とすれば、日本の自動車メーカーなど「自動運転」技術の開発には、正確な地図データが必要でその技術を日本の企業(=ゼンリンなど)が持っている、ということにもなるのでは?
今「自動運転」についてはMaaSと呼ばれるシステムばかりが注目されているが、正確な地図データが無くてはMaaSそのものも稼働させる為には必要なのではないだろうか?