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ステークホルダーとは、どんな人達だろうか?

2019-07-14 22:02:08 | ビジネス

「ねっとらぼ」というニュースサイトがある。
ニュースサイトと言っても、新聞社やテレビ局が報道するニュースではなく「気になる、人に話したいネットの旬のネタ」を提供しているサイトだ。
その「ねっとらぼ」に、「ステークホルダーと企業の関係」の好例があった。
ねっとらぼ:元バイトに対するCoCo壱番屋の神対応が話題
      「結婚式で商品を使いたい」→「おめでたい話なので代金はいらない」

記事の内容そのものは読んでいただくとして、この内容は「企業とステークホルダーとの良好な関係」をよく表している。

「ステークホルダー」と言ったとき、どのような人を思い浮かべるだろうか?
一般的には「ステークホルダー=企業との利害関係者」と訳されることが多い為、「ステークホルダー=株主、取引企業」などを思い浮かべられる場合が多いのではないだろうか?
確かに「利害関係者」となると、株主や取引先企業が真っ先に思い浮かぶだろう。
取引先企業と言っても、下請けや孫請けなどではなく、販売先や仕入先、時には銀行などを思い浮かべられるかもしれない。
しかし、ドラッカーは「ステークホルダーとは、企業を取り巻くすべての人達である」と、言っている。
すなわち、顧客や販売先や仕入先、銀行、株主はもちろん、下請け、孫請けだけではなく、従業員や従業員家族、アルバイトに至るまで、「企業が社会に存在するために、関わる人総てがステークホルダーである、ということなのだ。
今回の「バイト学生もまた、ステークホルダーの一人である」ということなのだ。

実際この元アルバイトさんは、インタビューの最後に「今はお客としてCoCO壱番屋の大ファン」と言っている。
アルバイトとして勤めていた学生が、今では顧客となっている。
この元アルバイトさんのお子さんは、未来のCoCO壱番屋の顧客となる可能性は高く、親子でCoCO壱番屋の顧客になることでCoCO壱番屋はこの元アルバイトさん一家にとって「親密度が高い企業」となっている。

もし、この元アルバイトさんが学生時代CoCO壱番屋で嫌な思い出しかなかったら、(大切な)結婚式のサンキューギフトとして、CoCo壱番屋のゼリーを選ぶことは無かっただろう。
何より、元バイトさんはアルバイトという立場でありながら、CoCo壱番屋に対して「信頼ができる企業」という位置づけをしている。
これは、とても重要な点だ。
「企業における社会的信頼」というものは、一朝一夕で出来上がるモノではない。
使用者側が労働者側に対して、信頼関係を結ぶ努力をした結果であり、使用者側が労働者側に対して「使用者側のいうことは当然」という態度ではなく、一緒に働く仲間として良好な関係作りの努力をしてきた結果だ。

「ステークホルダー」の中でも見過ごされやすい、「働く人とその家族」に対して信頼関係を結ぶことができる企業は、社会からも信頼される企業となる、ということをこのねっとらぼの記事はよく表している。